今回はボサノバのバッキングを紹介してみたいと思います。
とは言ってもボサノバは簡単なものではありません。本格的にできるようになるのには何年もかかるでしょう。
それなので、今回はあくまでも簡単にポップスの中にそれっぽい雰囲気を取り入れることを目指します。
ボサノバとは?
ボサノバ(Bossa Nova)はブラジルの音楽で、サンバがジャズの影響を受けてできたものと言われています。
簡単に言ってしまえば「ゆったりとしたサンバのリズムにジャズのハーモニーが乗ったもの」です。
ジャズのハーモニーにはテンションが不可欠です。
ここでは以前作曲講座でもやったテンションコードを使いましょう。
参考記事はこちら↓
ボサノバのリズム
ではそのテンションコードをどのようなリズムで弾くのかを紹介していきます。
まずこの譜面を見て下さい。
同じ音で同じリズムなのですが、「上が4分の2拍子」で「下が4分の4拍子」で書いてあります。
ボサノバは本来「4分の2拍子」で記譜します。
しかし、ここではポップスに取り入れるという目的もありますし「4分の4拍子」のほうが譜面も読みやすいと思いますので、全て「4分の4拍子」で記譜していきたいと思います。
使用するメロディーとリズム
では今回使うメロディーです。
こんな感じのものを作ってみました。
ほとんどのコードに【9th】を入れてあります。
「G7」には【9th】と【13th】の二つのテンションが入っています。
メロディーがテンションの音になっているところも多くありますね。
コードだけ弾くとこのような感じになります。
トップノートが横にきれいにつながるように転回させてあります。
基本的にこの転回形のまま説明していきたいと思います。
では、このメロディーとコードを次のようなリズムに乗せていきます。
ボサノバのベースはだいたいこんな感じで弾くことが多いので、覚えておくとよいでしょう。
1:1小節パターン
ではまず一つ目のパターンです。
これは1小節パターンのリズムをずっと繰り返しています。
右手と左手は全く同じリズムです。
これにメロディーとリズムを乗せてみましょう。
単純なパターンですがボサノバのイメージはじゅうぶんあると思います。
ピアノだけの場合
ちょっと蛇足になりますが、ベースやドラムがいなくてピアノだけでボサノバっぽいリズムを出すにはどうしたらいいでのしょうか。
先程のベースパターンを左手で弾ければ問題ないのですが、ちょっと難しいですよね。
そんなときはこのぐらいの左手でじゅうぶんです。
ベースが弾いていたフレーズよりずいぶん簡単なリズムにしてあります。
音もベースはオクターブで動いていましたが、これは【Root】と【5th】で動いています。
これにメロディーを乗せてみましょう。
まずはこんな感じで慣れてから左手をベースのパターンに近づけていくのがいいと思います。
2:2小節パターン
では次のパターンです。
ここからはまたベースとドラムを入れて紹介していきます。
これは2小節パターンのリズムを繰り返します。
1小節目から2小節目にかけて、3小節目から4小節目にかけてなどは8分音符でシンコペーションしています。
これにメロディーとリズムをのせてみます。
一つめに紹介したパターンよりもさらにボサノバっぽい感じになっているのではないでしょうか。
これも右手と左手は全く同じリズムをきざんでいるので、弾くのも簡単だと思います。
2小節パターン+α
次は今のパターンにちょっと音を足したパターンです。
2拍目のウラに8分音符が一つ増えています。
これもよくあるパターンです。
2小節パターン+αを発展
では次はこのパターンを発展させてみたものです。
まずピアノだけで聴いてみましょう。
さきほどのパターンのトップノートを変えたり転回形を変えたりしています。
これにメロディーとリズムをのせてみます。
ところどころ3和音になっていますが、コード感はじゅうぶん出ているので気にする必要はありません。
同じパターンを繰り返すよりも変化がついて面白いと思います。
3:もう1つのドラムパターン
さて、これまでは以下のようなドラムパターンの上で作ってきました。
これはボサノバの典型的なリズムパターンですが、実はもう一つ典型的なパターンがあります。
それがこちら↓
これは一つ目の譜面の1小節目と2小節目が入れ替わったパターンです。
ドラムがこのようなパターンを叩く場合はピアノのリズムも変わってきます。
このような感じになります。
どっちにするかは好みにもよりますし、両方弾いてみてどちらがメロディーに合うか試してみるのもいいと思います。
サンバでもパターンは同じ
さて、最初にボサノバというのは「サンバとジャズが融合したもの」と説明しました。
今回のメロディーをサンバに乗せてみたので聴いてみてください。
このピアノとベースは二つ目の例とまったく同じものです。
このようにサンバでもピアノは基本的にボサノバと同じパターンを弾いておけば大丈夫です。
ポップスにボサノバを取り入れよう
というわけで今回はボサノバを紹介してみました。
ポップスを作るならなにも1曲全てをボサノバのリズムで作る必要はありません。
「Aメロはボサノバで、サビは普通の8ビートで・・・」というふうに部分的に使うのもいいと思います。
ぜひオリジナル曲に取り入れてみてくださいね。
興味を持たれた方は
「アントニオ・カルロス・ジョビン」や「アストラッド・ジルベルト」
などを聴いて研究してみるのもいいと思います。
こちらの動画では今回の解説を紹介しています。
一部を除き、ほとんどこちらのピアノ音源を使用しています。
音がいいわりに動作が軽いので気に入っています。
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