今回もピアノでのいわゆる「はったりテクニック」をいくつか紹介していきたいと思います。
演奏はもちろんのこと、DTMにもぜひ使っていただきたいと思います。
ちょっとした工夫で打ち込みもかなり生っぽく聞こえるようになりますよ。
1.オクターブ(パターン1)
ではさっそく最初のパターンです。
まずこれを見てください。
ごく普通のピアノの譜面です。
右手でメロディー、左手でコードを4分打ちをしています。
もちろんこれでじゅうぶんなのですが、あえてメロディーをオクターブにしてみましょう。
パターン1-1
まったく同じメロディーですが、オクターブにすることでメロディーが際立ち、単音で弾くより少し豪華な感じがしますね。
オクターブ弾きは速いフレーズには難しいかもしれませんが、このようなスローな曲にはよく合います。
パターン1-2
同じオクターブで弾くにもこんな弾き方もあります。
オクターブの音を少しずらして弾くテクニックです。
今回はオクターブの下の音を先に弾き、少し遅れて上の音を弾いています。
打ち込んだりする場合は・・・
オクターブで入力し、かっちりクォンタイズをかけたあとに下の音だけを選択して少し前にずらすとよいでしょう。
ずらす幅はテンポによって変わってきますので聴きながら調節してください。
パターン1-3
さらにこれをもう一工夫してみましょう。
これを聴いてみてください。
これは先ほどにようにオクターブをずらして弾き、ロングトーンのところで「オクターブトレモロ」にしています。
トレモロのスピードは自由です。
今回は最初から一定の速さのトレモロではなく、だんだん速くなっていくような感じにしてみました。
最初から一定の速さでもいいですし、もっと速くてももっと遅くても大丈夫です。
2.オクターブ(パターン2)
次もまたオクターブを使った違うパターンを紹介しましょう。
まずは元になるフレーズを聴いてください。
「Amキー」における「E7」のフレーズです。
パターン2-1
これをまずはこんな感じにしてみます。
すごく派手で豪華になりました。クラシカルな感じですね。
まさにはったりといった感じでしょうか。
難しそうに聞こえますが実はたいしたことはやっていません。
まず左手をオクターブにして最初の「ミ」の音を弾きます。
そしてすぐに右手でも同じ「ミ」の音を左手より1オクターブ上げて、同じようにオクターブで弾きます。
それを交互に繰り返しているだけです。
左手で弾いた音を右手で追いかけるイメージです。
サスティーンペダルは踏みっぱなしにしたほうがより豪華に聞こえます。
パターン2-2
これを応用してこんなパターンもできます。
これは先ほどのものより「左手が1オクターブ高く」なっています。
左手で弾いたオクターブの上の音が、次に弾く右手のオクターブの下の音と同じになります。
左手と右手の間隔がせまいので少し難しいかもしれません。
パターン2-3
では次はオクターブをばらして弾いてみましょう。
これは「一つの音を2オクターブにわたって単音で順番に弾くテクニック」です。
これもすごく難しいことをやっているように聞こえますね。
「3連符」になっていますが、最初のひとつを左手で弾いて、次のふたつを右手で弾けばわりと楽に弾けるはずです。
パターン2-4
これもこんな風に変えてみることもできます。
これも先ほどと同じ「3連符」なのですが、最初のふたつの音が同じになっています。
これを片手で速く弾くのは大変ですが、最初のひとつを左手で弾けばそれほど難しくはないはずです。
これも派手に聞こえておどかしには効果的だと思います。
3.コード演奏を派手に
それでは最後にもっと派手に聞こえるものを紹介しましょう。
元になるサンプルはこんな感じにしてみました。
ピアノは単なる「4分打ち」をやっているだけです。
これもこんな風にすると一気に派手に豪華になります。
そうとう派手になりましたね。
楽器がいっぱいでわかりにくいかもしれないので、ピアノだけで聴いてみましょう。
このような感じになっています。
譜面を見るとものすごく難しそうですが、音はコードの構成音しか使っていません。
「1小節目から4小節目まで」は、1拍目に弾いたコードを左手も右手も同時にただ「1オクターブずつ上げていっただけ」です。
そして2拍目、3拍目を弾く前に装飾音符のように「まったく同じ音を少し前に引っかけて」弾きます。
「5、6小節目」は転回しながら弾いていますが、使っている音はまったく同じです。
打ち込むときには・・・
16分音符前に同じ音を打ち込んで、その音を少し後にずらすと簡単です。
バラードの大エンディングなんかにはぴったりですね。
それをふまえてもう一度聴いてみましょう。
まとめ
というわけで、今回もわりと楽に弾けるわりにすごいことをやっているように聞こえる「はったりテクニック」をいくつか紹介しました。
楽に弾けるとはいっても速く弾くにはそれなりの練習は必要ですので、最初はゆっくりから弾いてみるといいと思います。
DTMにもぜひ使ってみてください!
今回の解説動画はこちら↓