わちゃぴの音楽教室

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【天才たちのワンフレーズ】DJango Reinhardt Vol.1【YouTube連動】

「天才たちのワンフレーズ」シリーズ、今回はDJango Reinhardtのフレーズを紹介します。

Django Reinhardtはジプシージャズの創始者と言われる天才ギタリストです。

左手にハンディキャップがありながらも素晴らしい演奏をたくさん残し、1953年に亡くなりました。

 

 

今回のフレーズ

ではまず今回のフレーズを聞いてみてください。

 

これは彼の代表曲の一つ、『Minor Swing』という曲でのフレーズです。

サンプルは1コーラスぶん作りましたが、今回紹介したいのは4段めの1〜2小節めの「E7」でのフレーズです。

 

フレーズ分析

ではフレーズを細かく見ていきましょう。

この曲は「Key=Am」ですが、今回紹介するフレーズは、その中のドミナントである「E7」でのフレーズです。

 

このようなフレーズです。

それほど難しくなさそうですが、ところどころセンスのいい音使いが光ります。

 

スケールでいうと「ミクソリディアン♭6」ということになります。

 

これは「ジャズマイナー(メロディックマイナー)」の5番めの音から並び替えたスケールです。

この曲は「Am」「Dm」「E7」の3つのコードだけで作られているのですが、コードが変わってもずっとジャズマイナーで通しているという解釈でもいいでしょう。

 

コードにたいしてどのような音になっているか見てみましょう。

【5th】の「シ」から入り、【9th-4th-3rd】と弾きます。

マイナーキーの場合、ドミナント7thは【♭9】にすることが多いのですが、このフレーズでは【♮9th】の「#ファ」が入ることにより、ちょっと面白いサウンドになっていると思います。

そしてそのあとに【Root】から【7th】に向かって半音で2つ下行します。

間に入っている「♭ミ」は「E7」から見れば【△7th】なのですが、ここではただのアプローチノートと解釈します。

そして【7th】のあとは【♭13th】の「ド」を長めに弾いたあと【5-4-3-5】と弾いて、次の小節の「Am」の【Root】に着地します。

【♭13th】の音価が長いので、少し緊張感のあるフレーズになっています。

 

キーを変えてみる

ではキーを変えてみます。

ここでは次の小節まで見てみましょう。

 

「key=Cm」です。

【5th】の「レ」から入り、【9th-4th-3rd】である「ラ-ド-シ」と弾きます。

そして【Root】から【7th】に向かって半音で2つ下行します。

そして【7th】のあとは【♭13th】の「♭ミ」を長めに弾いたあと【5-4-3-5】と弾いて、次の小節の「Cm」のトライアドを【Root】からオクターブ下の【Root】までアルペジオで弾いて終わりです。

 

これは「key=Em」です。

【5th】の「#ファ」から入り、【9th-4th-3rd】である「#ド-ミ-#レ」と弾きます。

そして【Root】から【7th】に向かって半音で2つ下行します。

そして【7th】のあとは【♭13th】の「ソ」を長めに弾いたあと【5-4-3-5】と弾いて、次の小節の「Em」のトライアドを【Root】からオクターブ下の【Root】までアルペジオで弾いて終わりです。

 

まとめ

今回はまとめというほどのものはないのですが、簡単に言ってしまうとマイナーキーのドミナント7thに「ミクソリディアン♭6」を使ってみようということです。

 

マイナーキーのドミナント7thには「ハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウ」や「オルタードスケール」を使うことが多いです。

それはマイナーキーでの重要な音である【♭13th】が含まれているのと、【♭9th】がマイナー感を強く出してくれるからです。

そこをあえて【♮9th】が含まれる「ミクソリディアン♭6」を使うことによって、メジャーとマイナーが混ざったようなちょっと面白いサウンドを作ることができます。

 

応用例

では応用例を見てみましょう。

 

これは「Key=Am」ですが、【Ⅱ-Ⅴ】の【Ⅱ】である「Bm7(♭5)」の代わりに「Dm7」を使いました。

今回紹介したフレーズの後半を、トニックまで食い込ませたような感じにしてみました。

 

これも「Key=Am」の【Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ】です。

このようにハネないリズムでも使えます。

今回のフレーズとほぼ同じ音使いですが、【9th】から入ったり経過音を少し増やしたりしてみました。

 

さいごに

というわけで今回はDJango Reinhardtのワンフレーズを紹介しました。

マイナーキーのときのドミナント7thコードに、ちょっと変化をつけたいときに面白いのではないでしょうか。

特に何も考えず「ハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウ」などを使ってしまうことが多いと思いますが、ぜひ試しに「ミクソリディアン♭6」も使ってみてください。

 

今回の解説動画はこちら↓

 

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