わちゃぴの音楽教室

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【天才たちのエンディング】Bill Evans Vol.1【YouTube連動】

「天才たちのエンディング」シリーズ、今回はBill Evansのフレーズを紹介します。

 

 

今回のフレーズ

ではまず今回のフレーズを聞いてみてください。

 

これは有名な『Danny Boy』という曲でのエンディングです。

『Danny Boy』は、アイルランドの民謡である『ロンドンデリーの歌』に歌詞をつけたものです。

Bill Evansは「Key=G」で演奏していますが、エンディングでは面白い転調をしています。

今回は細かいフレーズよりも、3小節めからのコードの動きを紹介したいと思います。

 

フレーズ分析

ではフレーズを細かく見ていきましょう。

 

この曲はいろんなリハーモナイズで演奏されますが、「Key=G」であればこのように終わることが多いと思います。

この例では「Bm7-E7」という【Ⅱ-Ⅴ】と「Am7-D7」という【Ⅱ-Ⅴ】をつなげてトニックに解決して終わっています。

 

 

今回は 3〜5小節めを解説したいのですが、一応1、2小節めも軽く見てみましょう。

 

Bill Evansは1小節めを【Ⅱ-Ⅴ】ではなく「Bm7- Em7」という形にしています。

「Em7」でも「E7」でもメロディーには合います。

2小節めは【Ⅱ-Ⅴ】なら「Am7-D7」となるところを「A7-D7」という形にし、それぞれ「sus4」から解決するようにリハーモナイズしています。

内声でメロディーが動くのがおしゃれです。

 

次は3小節めから5小節めを見ていきます。

 

 

ではまず3小節めを見てみましょう。

 

2小節めの「D7」から普通はトニックの「G」に解決したいところですが、「Fm9」に解決しています。

ここでのメロディーは「ソ」に解決するのですが、「Fm9」にも「ソ」が含まれています。

転調感はすごいですが、ちゃんとメロディーに合ったコードになっているというわけです。

そして16分音符でメロディーがありますが、これは『Danny Boy』のメロディーを引用したものです。

コードは「Fm9」なのですが、メロディーは「Key=B♭」に移調したものが使われています。

 

しかし、ルート・コード・メロディーから考えると、ここでのスケールは「F Dorian」ということになるでしょう。

 

そして4小節めで「Cm9」に進行します。

 

ここでは「ラ」も「♭ラ」も使われていないので、Bill Evansがどちらを想定しているかわかりませんが、考えられるのは「C Aeorian」か「C  Dorian」です。

 

見やすくするためにオクターブ下げて記譜しましたが、5小節めで「ファ-レ-♭シ」と弾いています。

これは「Cm9」にたいしての【11th-9th-7th】です。

元のコードの全音下である「B♭」のトライアドを分散させる、と考えれば簡単だと思います。

 

キーを変えてみる

では他のキーでも使えるように違うキーで見てみましょう。

 

これは「Key=C」です。

まずは「Key=C」の【Ⅲ-Ⅵ】である「Em7-Am7」を弾きます。

そのあとトニックに解決するための【Ⅱ-Ⅴ】である「Dm7-G7」を「D7sus4-D7-G9sus4-G7」という進行にします。

そしてトニックではなく「B♭m9」に解決します。

本来解決するべきトニックの全音下の「m9」に解決すると覚えればいいでしょう。

トニックが「C」なので、その全音下の「B♭」をRootとする「m9」、ようするに「B♭m9」ということになります。

そして次は「Fm9」を弾きます。

これは「Key=C」のサブドミナントマイナーと覚えると簡単だと思います。

 

まとめ

今回のフレーズのポイントは【Ⅱ-Ⅴ】から【Ⅰ】に解決するのではなく、【♭Ⅶm9】に解決して、さらに【Ⅳm9】で終わるというところです。

 

【♭Ⅶm9】の【9th】が【Ⅰ】のRootの音になるので、「Key=C」ならメロディーが「ド」で終わる曲に効果的です。

 

応用例

では応用例を見てみましょう。

「Key=C」で作ってみます。

 

有名なスタンダードである『星に願いを』のエンディングに使ってみました。

今回のフレーズの通りのコード進行です。

少しメロディーの引用も入れてみました。

これはちょっと長くなってしまったので、もっとあっさり弾いてもいいと思います。

 

このようにJazzではなくてもじゅうぶん使えると思います。

「B♭m9」はritせずそのままのリズムでやってみました。

 

さいごに

というわけで今回は、Bill Evansのエンディングを紹介しました。

最後に少しハっとさせたいときにはとても効果的なので、ぜひお試しください。

 

今回の解説動画はこちら↓

 

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