
「ひとつだけ覚えるアドリブフレーズ」Ⅱ-ⅤのPart18です。
今回はBlue Mitchellのフレーズを紹介しましょう。
はじめに
このようなフレーズです。

『I'll Close my eyes』という「Key=F」の曲でのアドリブフレーズです。
ではわかりやすく「Key=C」に移調して見てみましょう。

このようになります。
フレーズの分析
ではフレーズを細かく見ていきましょう。
まずは1小節めです。

この「Dm7」は「Key=C」の「 Ⅱ 」ですから、「Dドリアン」を使います。

ではそれぞれの音がコードにたいしてどのような音になっているのか見てみます。

まず【△7th】の「#ド」から入り、【9th】の「ミ」をはさんで【Root】の「レ」を弾きます。
半音下や全音上の音などではさんで解決するこのフレーズは、ディレイドリゾルブというテクニックです。
※ディレイドリゾルブはこちらの記事でくわしく解説しています。
そして【5th】を弾いたあと【△7th-5th-7th-5th】と弾きます。

2拍めの「レ」から見ると【5th】をはさみながら「レ-#ド-♮ド」と、半音でクリシェのように下がってきているのがわかると思います。
では2小節めです。

「Key=C」の中にはない音が使われていることから、オルタードテンションが入っているのがわかります。

というわけで先に言ってしまうと、ここでのスケールはコンディミということになります。
ではあらためて度数で見てみましょう。

【3th】から入り「3-5-7-♭9」と「G7(♭9)」のアルペジオを弾いたあと、【Root-7-♭13】と全音で下行します。
一応【♭13th】と書きましたが、そうするとここでのスケールはコンディミではなくオルタードスケールということになります。
しかしこの「♭ミ」は「G7」の【♭13th】ではなく、次の小節「C」の【♭3rd】と解釈するほうが自然です。
それをふまえて3小節めを見てください。

2小節めの「♭ミ」からクロマチックアプローチで「ミ」に解決しています。
この「♭ミ」がブルーノートっぽく聞こえてかっこいいですね。
そのあとは【Root】を弾くだけです。

当然スケールは「Cアイオニアン」です。
他のキーで見てみよう
では他のキーでもすぐ弾けるようにするため、違うキーで見てみましょう。

これは「Key=B♭」です。
「Cm7」の【△7th】である「シ」から入り、【9th】の「レ」をはさんで【Root】の「ド」を弾きます。
その「ド」から「ド-シ-♭シ」と半音で下行しながら、間に【5th】の「ソ」をはさみます。
そして「F7」の【3th】から入り、「ラ-ド-♭ミ-♭ソ」と「F7(♭9)」のアルペジオを弾いたあと、【Root】から「ファ-♭ミ-♭レ」と全音で下行します。
その2小節め最後の音の「♭レ」から、3小節め「B♭」の【3rd】である「レ」にクロマチックアプローチします。
そして【Root】の「♭シ」を2回弾いて終わりです。
覚えるための練習法
全てのキーで覚えるのはなかなか大変なので【 Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ 】を連続させ練習してみましょう。
「 Ⅰ 」のときのフレーズが【Root】に解決しているので、「△7」ではなく「6」にしました。

【D-G-C-F・・・】と5度下に進んでいきますが、これを【Dm7-G7-C6】にして、そこから解決した【 Ⅰ 】である「C6」から、ルートは同じマイナーコードである「Cm7」を弾き、それを新たな【 Ⅱ 】と考え、「Cm7-F7-B♭6」という【 Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ 】を作りつなげていきます。
3小節単位だとつながりが悪いので【 Ⅰ 】を2小節として4小節単位にしましょう。
4小節めにはフレーズがないので次の準備をしやすいと思います。
サークルオブ5thを「Dm7-G7」から始まり1周するパターンと、【Gm7- C7】から始まり1周するパターンの2種類で12個全ての【 Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ 】が出てきます。
※譜面を見やすくするため、あえて違った異名同音を使っている箇所もあります。
それではつなげて弾いてみましょう。
EX.1
まずは「Dm7」から始まるパターンです。

カラオケ音源↓
MIDIデータ↓
EX.2
次は「Gm7」から始まるパターンです。

カラオケ音源↓
MIDIデータ↓
バリエーション
慣れてきたら音やリズムを変えてみましょう。
バリエーション1

今回のフレーズとほぼ同じ音使いですが、リズムを変えてあります。
アタマは「#ド-ミ-レ」ではなく「ミ-#ド-レ」にしてみました。
これもディレイドリゾルブです。
「Dm7」のなかの「レ-#ド-♮ド」という半音下行のラインや、3小節めのアタマへのクロマチックアプローチは今回のフレーズと同じです。
バリエーション2
もう1つ作ってみましょう。

これもほぼ同じ音使いですが、ボサノバのリズムです。
このように、今回のフレーズは4-Beatではなくても使えます。
1小節めから2小節めにかけてはシンコペーションしてみました。
さいごに
というわけで今回はBlue Mitchellの Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ フレーズを紹介しました。
ディレイドリゾルブやクリシェのようなライン、クロマチックアプローチなどがとても参考になると思います。
楽器を問わず使えるのでぜひ試してみてください。
今回の解説動画はこちら↓
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鍵盤楽器がとにかくたくさん入った素晴らしい音源です!!
ブログやYouTubeで使っているRhodesの音は全てこのKeyscapeを使用しています。
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