
「天才たちのワンフレーズ」シリーズ、今回はLou Donaldsonのフレーズを紹介します。
今回のフレーズ
ではまず今回のフレーズを聞いてみてください。

これは『Blues For J.P.』という曲でのアドリブです。
アウトしているようなしてないような、とても面白いフレーズだと思います。
コードが「B♭7」なのに【△7】を吹いたり、【4th】を繰り返し吹いたりとかなりエキセントリックなソロですが、それは置いといて今回はこの中の「F7」でのフレーズを解説してみましょう。
ちなみにこの曲は12小節の「Key=B♭」のブルースです。

先ほどの6小節の譜面はその中のこの部分です。
ちょっとわかりにくいですが、8小節めの「B♭7」から最後まで進み、アタマの1小節めに戻ったところまでのフレーズになっています。
今回解説したいのは、10小節めの「F7」でのフレーズということになります。
フレーズ分析
ではフレーズを細かく見ていきましょう。
ここからはピアノの音にします。

これは「Key=B♭」での「 Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ 」のフレーズです。
今回は「 Ⅱ 」の4拍めからのフレーズを覚えましょう。
リズムはあまり気にせず、使われている音だけを覚えると応用がきくと思います。
ではわかりやすく「Key=C」に移調します。

「Key=C」にしては黒鍵が多く、とても難しそうに見えます。
それぞれの音が「G7」にたいしてどのような音になっているのか見てみましょう。

「Dm7」の4拍めの「♭シ-♭ラ」は「G7」でのフレーズが少し早めに出てきたと解釈するべきです。
度数を見てみると、【♭9】や【#9】などオルタードテンションばかりなのがわかります。

ややこしそうですが、「G7」の1,2拍めと3,4拍めはオクターブ違うだけで音もリズムも全く同じなので、それほど複雑なフレーズではありません。
2拍ぶん覚えるだけなのでわりと簡単だと思います。

ぱっと見は音符がたくさんあるように見えますが、使われている音はこの4つだけです。

この4つが含まれるのはオルタードスケールということになります。
ようするに、オルタードスケールの中の4つの音しか使ってないということです。
このフレーズにはコードの中で最も重要な【Root】【3rd】【7th】が含まれていないので、調性がとてもあいまいです。
そこがこのフレーズの面白いところです。
スケールの音を全部使うより、使う音が少なければ少ないほど調性はあいまいになっていきます。
今回使われている4つの音を導き出す方法はいくつかあると思いますが、これがわりと簡単だと思います。

このように4つの音から「E♭7sus4」を作ることができます。

「G7」から見ると【♭13th】の「♭ミ」から「7sus4」を想定し、その構成音だけでフレーズを作ると考えればよいでしょう。
そうすればスケールのことを考える必要はありません。
では今回の「G7」でのフレーズを「E♭7sus4」の度数で解説してみましょう。

まず「E♭7sus4」の【5-4】と弾きます。
そしてオクターブ上の【1】から【1-7】と弾き、【5-7-5-4】を16分音符の3連符で弾きます。
そしてそのままオクターブ下でまた【1-7-5-7-5-4】と弾くだけです。
まとめ
今回のフレーズの作りかたをまとめてみましょう。
キーを変えて「C7」で考えてみます。

まず「C7」の【♭13】を考えます。
【♭13】は「♭ラ」なのでそれを【Root】とする「A♭7sus4」を想定します。
「A♭7sus4」の【5-4】と弾き、次に【1-7-5-7-5-4】と弾きます。
またオクターブ下で【1-7-5-7-5-4】と弾きます。
「F7」の【5th】である「ド」に解決して終わりです。
応用例
では応用例を見てみましょう。

「Key=C」の「 Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ 」です。
「G7」で「E♭7sus4」の構成音だけを使っています。
ちょっとアウトしたかのように聞こえるのではないでしょうか。

これは「Key=Cm」です。
今回のフレーズはオルタードスケールが元になっているので、当然マイナーキーのドミナントにも使えます。
これも「G7」で「E♭7sus4」の構成音だけを弾いてみました。
「Fm7」から「G7」になった途端に調性があいまいになる感じがします。
さいごに
というわけで今回はLou Donaldsonのワンフレーズを紹介しました。
スケールの中から全部の音を使わず、あえていくつかの音だけを選んで使うと面白いフレーズができるといういい例だったと思います。
ドミナントにはいつでも使えるのでぜひ試してみてください。
今回の解説動画はこちら↓
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