
「天才たちのワンフレーズ」シリーズ、今回はChick Coreaのフレーズを紹介します。
今回のフレーズ
ではまず今回のフレーズを聞いてみてください。

これは『Autumn Leaves』でのアドリブです。
譜面はBメロに入ってからの8小節ですが、この中の5〜6小節め「Cm7-F7」でのフレーズを紹介しましょう。
フレーズ分析

『Autumn Leaves』は「Key=Gm」の曲ですが、この部分は「Key=B♭」の「 Ⅱ-Ⅴ 」と解釈するのがよいでしょう。

メジャーキーの「 Ⅱ-Ⅴ 」にはこのように「 Ⅱ 」はドリアン、「 Ⅴ 」にはいろいろありますが、例えばこのようにミクソリディアンやオルタードなどが使われます。

しかしここでは「 Ⅱ-Ⅴ 」を通して「 ♭Ⅱ 」である「B」というコードの構成音だけが使われています。

この「B」はこのようにして導き出せます。
前提として「 Ⅱ-Ⅴ 」はいつでも「 Ⅴ 」にできますし、逆に「 Ⅴ 」は「 Ⅱ-Ⅴ 」に分割することができます。
そして「 Ⅴ 」は裏コードの「 ♭Ⅱ 」にリハーモナイズすることができます。
※このあたりの詳しい説明はこちらの記事を参考にしてください。
これを使って「Cm-F7」を「F7」に、そして「F7」を裏コードである「B7」に・・・
そして「B7」をトライアドにしたものが「B」というコードです。
バンドだった場合は当然他のプレイヤーは「 Ⅱ-Ⅴ 」を演奏するのでアウトすることになりますが、そこは気にしなくて大丈夫です。
ピアノの場合、左手はそのまま「 Ⅱ-Ⅴ 」を演奏すれば他のプレイヤーとコードがぶつかることはありません。
今回はフレーズそのものよりも「 Ⅱ-Ⅴ 」にたいして「 ♭Ⅱ 」の構成音を使うというところを覚えましょう。
まとめ
今回のフレーズを簡単にまとめてみましょう。
「Key=C」でやってみます。

「 Ⅱ-Ⅴ 」は「Dm7-G7」です。

今回のフレーズは「 Ⅱ-Ⅴ 」を通して「 ♭Ⅱ 」の構成音でフレーズを作るということなので、「Dm7-G7」を「D♭」のトライアドでフレーズを作るということになります。
「 ♭Ⅱ 」は「 Ⅴ 」の裏コードから導き出されますが、それを理解したうえであれば
「 Ⅱ-Ⅴ 」の「 Ⅱ 」の半音下のトライアドと覚えれば簡単でしょう。

例えば「Em7-A7」という「 Ⅱ-Ⅴ 」なら「 Ⅱ 」が「Em7」なので、使うトライアドは半音下の「E♭」、
「 Ⅱ 」が「Bm7」なら「B♭」、「Gm7」なら「F#」、「C#m7」なら「C」ということです。
この考え方なら裏コードなどと難しいことを考えることなく、瞬時に使えるのではないでしょうか。
応用例
では他のコード進行にも使ってみましょう。

「Key=C」の「 Ⅰ-Ⅵ7-Ⅱ-Ⅴ 」という進行です。
「Dm7-G7」で「D♭」トライアドの構成音だけを使っています。
ではもう1つ見てください。

もちろんマイナーキーの「 Ⅱ-Ⅴ 」にも使えます。
「Key=Am」の「 Ⅱ-Ⅴ 」である「Bm7(♭5)-E7」を「B♭」トライアドの構成音だけのフレーズにしてみました。
さいごに
というわけで今回はChick Coreaの『Autumn Leaves』でのワンフレーズを紹介しました。
「 Ⅱ-Ⅴ 」でのフレーズなのでとても応用しやすいと思います。
ぜひオリジナルやスタンダードのセッションなどにも使ってみてください。
今回の解説動画はこちら↓
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