
スリップビートという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
おもにドラムが使うテクニックです。
鍵盤がメインのこのチャンネルではちょっと珍しい内容になりますが、知っておくと他の楽器にも応用できるので簡単に解説したいと思います。
はじめに
スリップビートというのは、文字通りビートがスリップしたようにずれたものです。
そうすることにより意表を突いたり緊張感を与えることができ、曲に変化がつくというわけです。

これはかなり大げさな例ですが、文字通りビートがスリップしているのがわかると思います。
ちゃんとアレンジされていて他のミュージシャンたちも「ここでスリップビートが来る」とわかっていればいいですが、セッションのときなどにドラマーがいきなりこのような感じで使い出すと、かなりとまどってしまうでしょう。
しかし知識として持っておくと対応しやすいと思います。
では代表的なものを見ていきましょう。
8分音符後ろにずらす-1
スリップビートを使うには、元のビートがシンプルなほうが効果的です。

このとてもシンプルなパターンでやってみましょう。

このように、元のパターンのキックとスネアを8分音符1つぶん後ろにずらします。
これを少し長めに続けてみるとこのようになります。

3小節めからずれていきます。
リズムがちょっとコケたような、変拍子が入ったような面白いビートになっているのがわかると思います。
4小節をリピートしているので、アタマに戻るときもかなり引っかかりのあるビートです。
もう少し速いテンポのときに突然こんなのを叩かれると、拍がわからなくなってしまいそうです。
しかし絶対に小節アタマは見失わないようにしましょう。
8分音符前にずらす-1

先ほどのパターンのキックとスネアを8分音符1つぶん前にずらしたパターンです。

これもまたスリップビートとしてはよくあるパターンです。
8分音符後ろにずらす-2
では元のパターンを少し変えてみましょう。

これもまたよくあるシンプルなパターンです。
先ほどは2拍ずつのパターンでしたが、これは4拍のパターンになります。
ではやってみましょう。

同じようにキックとスネアを8分音符1つぶん後ろにずらします。
これを続けてみましょう。

キックが少し変わっただけですが、先ほどのパターンよりもさらにリズムが取りにくくなっているような気がします。
8分音符前にずらす-2

では同じパターンを8分音符1つぶん前にずらしてみましょう。

これも少しつんのめったような変わったビートになります。
16分音符後ろにずらす
では次は先ほどのパターンを16分音符ずらしてみましょう。

このように16分音符1つぶん後ろにずらしてみましょう。
これを続けてみます。

これもまたかなり変わった感じになります。
あまり速いテンポでやると、ただずれただけのように聞こえてしまうかもしれません。
16分音符前にずらす
では次は16分音符前にずらしてみます。

続けてみましょう。

こんなのを何の合図もないまま叩かれたら、アタマを見失ってしまいそうですね。
応用編
では8分音符1つ後ろにずらすパターンを使って応用してみましょう。

これを少し変えていきます。
ここからは拍をわかりやすくするために、4分でカウベルを入れてみます。

まず1つめは、後ろにずらし始めるタイミングを変えたものです。
先ほどまでは小節アタマのキックから後ろにずらしていましたが、これは前の小節の4拍めのスネアから後ろにずらしています。
2小節め4拍めアタマに来るはずのスネアが来ないと、かなり意表をつきます。

2つめは、2拍めから3拍めはそのままで、1拍めと4拍めだけを後ろにずらしたものです。
ずれたり戻ったりするのがとても不思議な感じです。
ランダムにずらすともっとヘンテコなリズムになっていきます。
ここまではハイハットを8分で打ってきましたが、これを4分にするともっとリズムがわかりにくくなります。
そのほうが効果的なときもあるでしょう。

これのハイハットを4分にするとこうなります。

元のリズムも16分でずれているのでかなりわかりにくいのですが、ハイハットが減るとさらに難しく聞こえます。
いっそのことハイハットを完全になくしてみるのも面白いでしょう。
このようにずらす場所を変えたり、音を減らしたりすることで多くのバリエーションを作ることができるので、ぜひいろいろ考えてみてください。
アレンジに使う
ここまではドラムだけがスリップビートを使うものを紹介してきましたが、ちゃんとアレンジしてバンド全体で使うことも可能です。

5小節めから7小節めにかけて、どの楽器も8分音符1つぶん後ろにずれて8小節めにアタマに戻っています。
このサンプルもまたけっこう大げさに使いましたが、例えばベースとドラムだけに使ったりするのもよいでしょう。
さいごに
スリップビートというものを簡単に紹介してきました。
需要はかなり少ないとは思いますが、ビートを作るときのバリエーションとして知っておくと引き出しが増えます。
ぜひアレンジするときなどに使ってみてください。
今回の解説動画はこちら↓
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今回使ったドラム音源は全てこのTOKYO SCORING DRUM KITSです。
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