
「ひとつだけ覚えるアドリブフレーズ」Ⅱ-ⅤのPart20です。
今回はClifford Brownのフレーズを紹介しましょう。
はじめに
このようなフレーズです。

『I Get A Kick Out Of You』という「Key=A♭」の曲でのアドリブフレーズです。
サンプルはかなりテンポを落としています。
オリジナルは♩=330ほどのとても速いテンポで演奏されていますが、テンポを落としてもかっこいいフレーズなので応用はきくと思います。
フレーズの分析
ではフレーズを細かく見ていきましょう。
ここからはピアノの音にします。
「Key=C」に移調して見ていきましょう。

このようになります。
では1小節めです。
うまくつながっているので2小節めの最初の1音だけ記しておきます。

この「Dm7」は「Key=C」の「 Ⅱ 」ですから、Dドリアンを使います。

では、それぞれの音がコードにたいしてどのような音になっているのか見てみます。

「×」マークで書いた音は、度数で分析しても意味のない音です。
まず【4th(11th)】の「ソ」から入り、【3rd】の「ファ」までクロマチックに下行します。
間に入る「#ファ」は「ファ」へのクロマチックアプローチなので、【△3rd】とは解釈しません。
そして「3-5-3-2」と弾いたら、その【2nd(9th)】である「ミ」から次の小節の「G7」の【4th】である「ド」までまたクロマチックに下行します。
このあたりも度数で考える必要はありません。
では2小節めです。

スケールはミクソリディアンが使われています。

では度数を見てみましょう。

「4-2」の「ド-ラ」と弾いたら、次は「3-5-7-9」である「シ-レ-ファ-ラ」と「G9」のアルペジオを弾きます。
そのあと「♭ラ-#ファ」とミクソリディアンにない音が出てきますが、これも【♭9th】や【△7th】とは解釈しません。
次の小節の「ソ」に向けてのディレイドリゾルブです。
解決する音を半音上と半音下ではさんでから進行するというテクニックです。
実は小節アタマの「ド-ラ-シ」もディレイドリゾルブという解釈ができます。
アボイドの【4th】の「ド」が【3rd】の「シ」にも【5th】の「レ」にも解決しないまま【2nd】の「ラ」に進行してから、【3rd】の「シ」に解決しています。
これは解決先の「シ」を半音上と全音下の音ではさんだディレイドリゾルブと解釈してもよいでしょう。
※ディレイドリゾルブに関してはこちらの記事で詳しく解説しています。
他のキーで見てみよう
では違うキーでも見てみましょう。

これは「Key=F」です。
まず【4th(11th)】の「ド」から入り、【3rd】の「♭シ」までクロマチックに下行します。
そして「3-5-3-2」と弾いたら、その【2nd(9th)】である「ラ」から次の小節の「C7」の【4th】である「ファ」までまたクロマチックに下行します。
「C7」では「4-2」の「ファ-レ」と弾いたら、次は「3-5-7-9」である「ミ-ソ-♭シ-レ」と「C9」のアルペジオを弾きます。
そのあと「♭レ-シ」とディレイドリゾルブで、次の小節の「ド」に解決して終わります。
覚えるための練習法
全てのキーで覚えるのはなかなか大変なので【 Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ 】を連続させ練習してみましょう。

【D-G-C-F・・・】と5度下に進んでいきますが、これを「Dm7-G7-C」にして、そこから解決した【 Ⅰ 】である「C」を弾いたあと、ルートはそのままに「Cm7」を弾き、それを新たな【 Ⅱ 】と考え、「Cm7-F7-B♭」という【 Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ 】を作りつなげていきます。
「サークルオブ5th」を「Dm7-G7」から始まり1周するパターンと、「Gm7- C7」から始まり1周するパターンの2種類で12個全ての 【 Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ 】が出てきます。
それではつなげて弾いてみましょう。
EX.1
まずは「Dm7」から始まるパターンです。

カラオケ音源↓
MIDIデータ↓
EX.2
次は「Gm7」から始まるパターンです。

カラオケ音源↓
MIDIデータ↓
バリエーション
慣れてきたら音やリズムを変えてみましょう。
バリエーション1

「Dm7」は「ソ」から次の小節の「ド」まで、ずっとクロマチックで下行しています。
そして「G7」では、同じ音型で下行しながら今回のフレーズと同じディレイドリゾルブで終わってみました。
バリエーション2
もう1つ作ってみましょう。

いきなり「♭シ-#ソ-ラ」というディレイドリゾルブで始めてみました。
「G7」の最後は今回のフレーズのディレイドリゾルブと同じ音ですが、音型を逆にしてみました。

このようにターゲットノートには「半音上-半音下」とはさんでから解決してもいいですし、逆に「半音下-半音上」とはさんでから解決してもかまいません。
さいごに
というわけで今回はClifford BrownのⅡ-Ⅴフレーズを紹介しました。
クロマチックとディレイドリゾルブをうまく使ったおしゃれなフレーズです。
どんな楽器にも使えるのでぜひ一度弾いてみてください。
今回の解説動画はこちら↓
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ブログやYouTubeで使っているRhodesの音は全てこのKeyscapeを使用しています。
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