
「ひとつだけ覚えるアドリブフレーズ」Ⅱ-ⅤのPart22です。
今回はRed Garlandのフレーズを紹介しましょう。
はじめに
このようなフレーズです。

これはMiles Davisのアルバムの中の『Bye Bye Blackbird』という曲の中でのアドリブフレーズです。
この演奏はRed Garlandの中でも代表的な名演とされているもので、取り上げるのが遅すぎたかもしれません。
かなり極端なアクセントがついているので、今回は表記してみました。

1小節めは、このように16分音符で記譜してもいい感じの微妙なリズムになっています。
アクセントも含め、ぜひ実際の演奏を聴いてみてください。

ちなみに3小節めの「F」は、このように次の小節を含めターンバックのようなコードを左手で弾いているのですが、フレーズは「F」そのものなので今回はただのトニックとして解説します。
フレーズの分析
ではフレーズを細かく見ていきましょう。
オリジナルは「Key=F」ですが、わかりやすく「Key=C」に移調して分析していきたいと思います。

では1小節めです。

まずは【Root】から入ります。
3〜4拍めはフレーズの中に【△7th】から【7th】という半音下行が聞こえるクリシェのようなフレーズを弾いています。

そしてそれが次の小節の「シ」まできれいにつながっています。

スケールでいうと「 Ⅱm 」なのでDorianということになりますが、もちろん【△7th】は含まれないので一応「+△7」と書いておきました。
では2小節めです。

【3rd】から入って【♭9th】を含むアルペジオを弾いています。
この形はピボットアルペジオと呼ぶこともあります。
※ピボットアルペジオの解説記事はこちらにあります。

【♭9th】が含まれていて、さらに【5th】があるスケールは「Hmp5↓」または「コンディミ」ということになります。
最後の「#レ」の音は次の小節の「ミ」に向かうアプローチノートなので、【#5th】や【♭13th】などとは解釈しないほうがよいでしょう。
では3小節めです。

これは解説する必要はないほどシンプルなフレーズです。

ペンタトニックと解釈するとわかりやすいと思います。
他のキーで見てみよう
では「Key=B♭」にしてみましょう。

「Cm7」の【Root】から入り、「5-1」と弾いたあと【△7h】の「シ」が「♭シ」と下行するラインが聞こえるフレーズを弾きます。
2小節めの「F7」は【3rd】から入り、【♭9th】を含めたピボットアルペジオを弾いたあと、16分音符などを交えながら3小節め「B♭」の【3rd】にクロマチックアプローチします。
そしてペンタトニックっぽいフレーズを弾いて終わります。
覚えるための練習法
全てのキーで覚えるのはなかなか大変なので【 Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ 】を連続させ練習してみましょう。

【D-G-C-F・・・】と5度下に進んでいきますが、これを「Dm7-G7-C」にして、そこから解決した【 Ⅰ 】である「C」を弾いたあと、ルートはそのままに「Cm7」を弾き、それを新たな【 Ⅱ 】と考え、「Cm7-F7-B♭」という【 Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ 】を作りつなげていきます。
「サークルオブ5th」を「Dm7-G7」から始まり1周するパターンと、「Gm7- C7」から始まり1周するパターンの2種類で12個全ての 【 Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ 】が出てきます。
最後の小節に和音がありますが、トップノートだけでも問題はありません。
アクセントも記譜してあります。
サンプルで使ったギターの音源にはあまりアクセントがつきませんでしたが、皆さんが演奏するときはぜひ大げさにつけてみてください。
それではつなげて弾いてみましょう。
EX.1
まずは「Dm7」から始まるパターンです。

カラオケ音源↓
MIDIデータ↓
EX.2
次は「Gm7」から始まるパターンです。

カラオケ音源↓
MIDIデータ↓
バリエーション
慣れてきたら音やリズムを変えてみましょう。
今回のポイントは「 Ⅱm 」のときのクリシェ的フレーズと「 Ⅴ7 」の【♭9th】です。
バリエーション1

「Dm7」から「G7」にかけて今回のフレーズと同じ「レ-#ド-ド-シ」というラインを作ってあります。
「G7」は【♭9th】を加えたフレーズにし、これまた今回のフレーズと同じように「レ-#レ-ミ」と「C△7」にかけてクロマチックアプローチしてみました。
バリエーション2
もう1つ作ってみましょう。

ボサのリズムにしてみました。
同じように「Dm7」から「G7」にかけてクリシェラインを作りました。
そして「G7」では【♭9th】を含むフレーズを弾いています。
さいごに
というわけで今回はRed Garlandの名演の中から「 Ⅱ-Ⅴ 」フレーズを紹介しました。
ガーランドらしい転がるようなとても洒落たフレーズです。
難しい音は使われていないのでとても応用しやすいと思います。
ぜひ一度弾いてみてください。
今回の解説動画はこちら↓
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鍵盤楽器がとにかくたくさん入った素晴らしい音源です!!
ブログやYouTubeで使っているRhodesの音は全てこのKeyscapeを使用しています。
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