わちゃぴの音楽教室

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【天才たちのワンフレーズ】Shakatak Vol.1【YouTube連動】

「天才たちのワンフレーズ」シリーズ、今回は今までと少し毛色の違うShakatakのフレーズを紹介します。

Shakatakは80年代に日本でも大ヒットしたイギリスのFusionバンドで、ピアニストはBill Sharpeです。

 

 

今回のフレーズ

ではまず今回のフレーズを聞いてみてください。

 

これは『Invitations』という曲のピアノソロでのフレーズです。

とても爽やかなFusionといった感じです。

音域が高く見にくいのでオクターブ下げてみましょう。

 

特に難しい音を使っているような感じはしません。

今回はこの中の4、5小節めを解説したいと思います。

 

フレーズ分析

ではフレーズを細かく見ていきましょう。

この曲は「Key=Cm」なのですが、調号ではなく臨時記号で見ていきましょう。

 

とてもシンプルでかっこいいブルージーなフレーズです。

しかし、わざわざこのシリーズで紹介するほどのフレーズではないように思われるでしょう。

今回注目してほしいのは、フレーズというよりコードとの関係です。

 

使われている音はこれだけです。

トニックのマイナーペンタトニックであるCマイナーペンタトニック、それに加えブルーノートである【♭5】、そして1つだけ【9】が使われています。

今回この【9】はあまり重要ではありません。

 

マイナーペンタトニックに【♭5】を加えたこの6つの音だけで作られているフレーズと言ってよいでしょう。

 

ここでのコードはこのようになっています。

度数で言うと「 Ⅱ7-Ⅴ7-Ⅰm 」です。

「Cm9」は先ほどのマイナーペンタトニックと【♭5】でソロはとれますが、「D7(♭9)」と「G7(♭13)」ではスケールを変えるのが一般的です。

 

オルタードテンションが入っているので、例えばこのように「D7」ではコンディミ、「G7」ではオルタードなどがよく使われます。

しかし今回のフレーズは「D7」や「G7」を無視して、トニックのマイナーペンタトニックだけで押し通しているということになります。

これはブルースなどではよく使われるテクニックではありますが、今回のこの曲はブルースではありませんし、全くブルージーな曲でもありません。

 

コードだけ弾いてみるとブルースとは程遠い、△7系のおしゃれな進行になっています。

 

これをもう一度見てください。

フレーズを改めて見るとわかるように、1〜3小節めに先ほどのペンタトニックは全く使われていません。

 

このようにちゃんとコードに合わせたスケールが使われています。

理論通りのスケールを使っていたのに、最後だけは盛り上がってペンタトニックだけで押してしまうというのが面白いところです。

理性的なソロから、突然ワイルドなソロになってしまうのがとても勢いを感じてかっこいいと思います。

 

まとめ

今回のフレーズの使い方を簡単にまとめてみましょう。

使い方はとてもシンプルです。

「 Ⅱ7-Ⅴ7-Ⅰm 」という進行を、トニックのマイナーペンタトニック+【♭5】だけでフレーズを作るということです。

 

1. 「Key=Am」なら「B7-E7-Am」という進行になります。

2. トニックのペンタトニックであるAマイナーペンタトニックに【♭5】の「♭ミ」を加えます。

3. コードと関係なくその6つの音だけでフレーズを作ります。

 

ペンタトニックを使うまでのフレーズは、あえてブルージーさを感じさせないようにするほうがペンタトニックが引き立って面白いでしょう。

 

応用例

では応用例を見てみましょう。

 

これは「Key=Am」のフレーズです。

今回紹介したフレーズは「 Ⅱ7-Ⅴ7-Ⅰm 」でしたが、これは「 Ⅱm7(♭5)-Ⅴ7-Ⅰm 」の進行にマイナーペンタトニック+【♭5】を使ってみました。

1小節めから2小節めの「C△7」まではコードに合わせたスケールを使っているので、「F△7」から突然マイナーペンタトニックになったときのギャップがかなりあります。

 

これは「Key=C」の進行です。

このようにメジャーキーにも使えます。

この例では「G7」に「Cマイナーペンタトニック」と【♭5】の「#ファ」を使ってみました。

これも「G7」までは普通のスケールでアドリブしていたのに、急にブルージーになってしまうところが意表を突いて面白いと思います。

 

さいごに

というわけで今回はShakatakのワンフレーズを紹介しました。

おしゃれなフレーズが突然コード進行を無視してブルージーになってしまうという、少し変わったフレーズでした。

どちらかというとピアノよりはギタリストなどに多いテクニックのような気はしますが、楽器を問わず使えるのでぜひ試してみてください。

 

 

今回の解説動画はこちら↓

 

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