わちゃぴの音楽教室

初心者向けの作曲方法を紹介しています♪

編曲 #34 【4thもいいけど5thもイイ!!】Perfect 5th Build【YouTube連動】

Perfect 4th Buildというのはよく聞くと思いますが、今回はPerfect 5th Buildを紹介しましょう。

コードボイシングの幅が広がるのでぜひ最後までご覧ください。

 

 

はじめに

Perfect 5th Buildとはコードボイシングの1つで、全ての音が完全5度で積まれたものです。

 

ポップスでもジャズでもこのような3度積みのコードが一般的です。

ジャズ理論などは3度積みを基本にして作られています。

コードは3度で積んだときに表れる【Root-3rd-5th-7th】をもって判断します。

 

3度積みのコードを展開すると完全4度も表れますが、コードの【Root-3rd-5th】は含まれています。

 

これは完全4度と完全5度でそれぞれ音を3つ積んだものです。

一番下の「ド」の音を【Root】にすると、コードにとって大事な【3rd】が含まれていません。

そのため浮遊感のある独特なサウンドが生まれます。

 

ちなみに5つ積むとPerfect 4th Buildでは4つめにm3rdが、そしてPerfect 5th Buildでは5つめにM3rdが出てきます。

このように音を積めば積むほど使えるコードが限られてくるので、今回は応用しやすいように3つ積むボイシングを紹介していきたいと思います。

 

※Perfect 4th Buildについてはこちらで詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

 

・編曲#11【Cool&Hip!!】パーフェクト4thビルドってなに?【基礎編】完全4度堆積/Perfect 4th Build

・編曲 #12【Cool&Hip!!】パーフェクト4thビルドってなに?【実践編】完全4度堆積/Perfect 4th Build

【相性バツグン】ペンタに4th【すぐ使える!】

・【3分で解説】4thビルド【弾いて覚える】【練習用MIDIデータあり】

 

完全4度と完全5度の関係

完全4度と完全5度はこのような関係です。

完全4度で積まれた2つの音を入れ替えると完全5度になります。

 

完全4度と完全5度、それぞれ3つ積むとこのようになります。

完全4度は「レ-ソ-ド」、完全5度は「ド-ソ-レ」となり、「ド」と「レ」が入れ替わっているのがわかると思います。

 

 

ちなみに「ド」から完全4度と完全5度でずっと積んでいくと、どちらも12個で「ド」に戻ります。

 

 

サークルオブ5thを時計回り、または逆回りしているだけなので当然ですね。

 

Key=Cで使えるPerfect 5th Build

では「Key=C」の中で使えるPerfect 5th Buildを見つけましょう。

 

Cメジャースケールの音にそれぞれPerfect 5th Buildで3つ積んでみました。

「Key=C」ですから、この中に出てきた「#ファ」と「#ド」は使えません。

それらが入ったものは除外します。

 

残ったのはこの5つになります。

しかしこの5つがダイアトニックコード全てに使えるかというと、そうではありません。

これは後で解説します。

 

ダイアトニックコードに使えるPerfect 5th Build

これまではPerfect 5th Buildの一番下の音を【Root】として見てきました。

 

 

しかしPerfect 5th Buildで積まれた3つ以外の音(この例だと「ド」「ソ」「レ」)を【Root】とすることもできます。

 

例えばこのような感じです。

 

「ド-ソ-レ」というPerfect 5th Buildですが、【Root】を「ラ」にすることで「Am7(11)」というコードになります。

※あえて「Am11」と表記しないのは【9th】が含まれていないからです。

 

【Root】を含めて考えると、4つの音全てが完全5度で積まれているわけではありませんが、これでもじゅうぶんそのサウンドは出せます。

 

ではこれはどうでしょう。

 

【Root】は「E」です。

そしてPerfect 5th Buildの中に【3rd】の「ソ」と【7th】の「レ」が含まれているので「Em7」と言いたいところですが、アボイドである【♭13th】の「ド」が含まれているので「Em7」のときには使えないということになります。

あくまでもこのボイシング自体がだめというわけではありません。

「Cadd9」の転回形としてなら使っても大丈夫です。

しかし「Em7」と表記されているところでこのボイシングを使うのはやめたほうがよいでしょう。

 

 

先ほど導き出したこの5つのPerfect 5th Buildが「Key=C」のダイアトニックコードそれぞれにたいしてどのような音になっているのかを一覧にしました。

黒い音符がアボイドです。

 

【C△7】

 

【Dm7】

 

【Em7】

 

【F△7】

 

【G7】

 

【Am7】

 

【Bm7(♭5)】

 

この中からアボイドを含まないものを並べるとこのようになります。

 

それぞれのコードにたいしてこの中のどのPerfect 5th Buildを使ってもかまいません。

もちろんテンションは入ってきますが、アボイドは含まれていないのでサウンド的におかしくなることはありません。

 

使用例

では実際にコード進行で使ってみましょう。

「Key=C」の【 Ⅰ-Ⅵ-Ⅱ-Ⅴ 】です。

 

これが3度積みを基本にしたボイシングです。

テンションは加えてありますが、ごく一般的なものです。

ではこのコード進行にPerfect 5th Buildを使ってみましょう。

 

これは全てのコードをPerfect 5th Buildにした少しおおげさな例ですが、3度積みとは違った独特なサウンドになっているのがわかると思います。

他にもいろんなボイシングが使えるので、先ほどの一覧から選んで組み合わせてみてください。

 

ちなみにPerfect 4th Buildを使うとこのような感じです。

ほぼ同じような音を使っているのに、4度と5度ではかなり違うサウンドになります。

 

応用例1

すべてのボイシングをPerfect 5th Buildにしなければいけないわけではありません。

 

これは「Am」ワンコードですが、3度・4度・5度といろんなボイシングを使ってバッキングをした例です。

わかりやすく上物をミュートしてみましょう。

 

 

このように自由に組み合わせて使うと、ワンコードが続く場合でもかなりのバリエーションが得られます。

3度積みだけ、5度積みだけなど、1種類の積み方で作るよりも面白いサウンドになると思います。

 

応用例2

バッキングだけでなくこのように使うこともできます。

 

Perfect 5th Buildにより、3度積みにはない独特な広がりが出ているように感じます。

これも少し大げさに完全5度だけを使いましたが、3度や4度を混ぜてもいいと思います。

 

さいごに

今回はPerfect 5th Buildについて紹介しました。

JazzなどではPerfect 4th Buildがよく取り上げられますが、Perfect 5th Buildが取り上げられることは意外と少ないように思います。

Perfect 5th Buildもなかなか面白いのでぜひ試してみてください。

 

今回の解説動画はこちら↓

 

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