ピアノトリオなどでテーマやアドリブを弾くときの「左手」をマスターするための練習法です。
今回はナチュラルテンションを覚えましょう。
はじめに
Jazzピアノを演奏するときは右手でテーマやアドリブを弾き、左手でバッキングをするというのが一般的です。
このように左手がときどき入るだけで、ハーモニーとグルーブ感を同時に加えることができます。
簡単に解説しましょう。
※ここではかなり簡単に解説します。詳しくはこちらの「ジャズピアノの左手」の記事を参考にしてください。
ボイシング
音域としてはセンターの「ド」付近で弾くのが一般的です。
では、テンションを含む4声のコードを一般的な音域で見てみましょう。
そうすると【9th】を含むコードは
【3-5-7-9】
【7-9-3-5】
というボイシングになります。
【5】を【13】に変えたコードは
【3-13-7-9】
【7-9-3-13】
というボイシングになります。
もちろんほかにもいろんなボイシングがありますが、まず最初は【3rd】から積むのか【7th】から積むのかのどちらか2種類だと覚えておけばいいでしょう。
「G7(♭9,♭13)」を【7-9-3-13】と積んでみました。
次に、先ほど言ったもう1種類の【3-13-7-9】と積んでみると、オクターブ上げても下げても音域がいまいちです。
では「D7(♭9,♭13)」を同じように【7-9-3-13】と積んでみました。
するとちょっと高すぎるようなので、オクターブ下げてみます。
すると今度は低すぎるようです。
先ほどの「G7」とは逆に【3-13-7-9】と積んだほうがいいサウンドになりました。
というふうに、コードによって【7-9-3-13】のほうがいいのか【3-13-7-9】のほうがいいのかは変わってきます。
はっきりと決まっているわけではないですが、弾いてみて音域が良くないと感じたら積み方を変えてみましょう。
リズム
リズムはこのように、8分ウラに入れることが多いです。
そしてコードの変わり際は、半拍早く次のコードを弾くと覚えておくとよいでしょう。
例えば1小節め2拍ウラの左手のコードは、本来3拍めアタマのコードである「A7」です。
弾いて覚える
ではさっそく、左手のバッキングを覚えるためのフレーズを紹介しましょう。
今回はナチュラルテンションが入った【 Ⅴ 】をマスターしましょう。
左手を覚えるためなので、右手は簡単にしてあります。
※オルタードテンションが入った【 Ⅴ 】をマスターするための記事はこちら↓
今回もサークルオブ5thに沿って時計回りに進行していきます。
まず「Dm7-G7-C△7」と【 Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ 】を弾きます。
そして「C△7」から同じ【Root】の「C7」に進行し、そこからドミナントモーションで「Fm7」に進行します。
その「Fm7」をまた新たな【 Ⅱ 】と考え、そこから【 Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ 】を作り、つなげていきます。
「Dm7-G7」から始まるパターン、「Gm7-C7」から始まるパターン、「Cm7-F7」から始まるパターンの3種類で全ての【 Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ 】がマスターできます。
練習用の譜面にはテンションは表記しませんが、ここで説明しておきましょう。
【 Ⅱ 】と【 Ⅰ 】には【9th】、【 Ⅴ 】には【9th、13th】というナチュラルテンション、
【 Ⅰ7 】にだけはオルタードテンションである【♭9th】を付加しています。
リズムのポインントは【 Ⅰ 】【 Ⅰ7 】、そして3小節めからの【 Ⅱ 】が半拍前から入ってきているということです。
【 Ⅰ 】だけは少し長めの音価になっています。
それでは実際に見ていきましょう。
※ 「カラオケ音源」と「MIDIデータ」を貼っておきますのでご自由にダウンロードしてお使いください。
EX.1
まずは「Dm7-G7」から始まるパターンです。
カラオケ音源↓
MIDIデータ↓
EX.2
「Gm7-C7」から始まるパターンです。
カラオケ音源↓
MIDIデータ↓
EX.3
「Cm7-F7」から始まるパターンです。
カラオケ音源↓
MIDIデータ↓
さいごに
コードというのは覚えるまで弾くしかありません。
ボイシングやテンションなどをリアルタイムに考えながら演奏することはほぼ不可能です。
コードネームを見たとたん弾けるようになるまで繰り返し弾くことをおすすめします。
今回の解説動画はこちら↓
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