わちゃぴの音楽教室

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【天才たちのワンフレーズ】Michael Brecker Vol.1【YouTube連動】

「天才たちのワンフレーズ」シリーズ、今回はMichael Breckerのフレーズを紹介します。

 

 

今回のフレーズ

ではまず今回のフレーズを聞いてみてください。

 

これは『Invitation』という曲でのアドリブフレーズです。

アウトフレーズがいかにもMichael Breckerらしくてかっこいいと思います。

さて今回は、この中の3〜4小節「B♭7」でのフレーズを分析していきたいと思います。

 

フレーズ分析 その1

ではフレーズを細かく見ていきましょう。

ここからはピアノの音にします。

 

この曲は「Key=Cm」で始まりますがどんどん転調をしていきます。

今回紹介する「B♭7」のフレーズは「E♭m7」に解決しています。

しかしこのフレーズはどんなドミナント7thコードにも使えます。

メジャーコードに解決するドミナント7thコードでも、マイナーコードに解決するドミナント7thコードにも使えるので応用しやすいと思います。

 

わかりやすく「G7」に移調して見てみましょう。

 

そしてそれぞれの音が「G7」にたいしてどのような音になっているのか見てみましょう。

 

いきなり【#9th】の音から入り、オルタードテンションを多く使うフレーズになっているのがわかります。

 

ほとんどこの「Gオルタードスケール」の中に含まれている音です。

ただ1小節めの4拍めに「G7」にたいする【△7th】である「♭ソ(#ファ)」が使われています。

ドミナント7thコードにおける【△7th】は最も使ってはいけないアボイドノートです。

 

フレーズ分析 その2

このフレーズは少し考え方を変えればそれほど難しくはありません。

さっきとは少し違う考え方を紹介しましょう。

 

元のコードである「G7」を裏コードである「D♭7」にします。

そしてその「D♭7」を「A♭m7-D♭7」という【Ⅱ-Ⅴ】に分割します。

 

※「Ⅱ-Ⅴの分割」に関してはこちらの動画でくわしく解説しています。

 

そして「そのコードに合わせてフレーズを作る」というわけです。

今回のフレーズはこのように考えたほうが簡単で応用しやすいはずです。

 

 

 

スケールは「A♭m7」には「A♭Dorian」、「D♭7」には「D♭Lydian7th」を使います。

「D♭Lydian7th」は「G Altered」と全く同じ構成音でできています。

 

裏コードには「Lydian7th」を使うのが一般的です。

 

※「Lydian7th」に関してはこちらの動画を参考にしてください。

 

今回のフレーズを「A♭m7-D♭7」というコード進行として見てみましょう。

 

1小節めが「A♭m7」、2小節めが「D♭7」ということです。

それぞれのコードにたいしてどのような度数になっているか見てみます。

 

まず「A♭m7」の【9th】から入って【11th】を弾いたあと、【3-5-7-9】とアルペジオを弾きます。

そして「D♭Lydian7th」を【5th】から1オクターブ上の【5th】まで上行するだけです。

ただし、コードを「A♭m7-D♭7」としてフレーズを作りましたが、あくまでもここでのコードは「G7」です。

他の楽器やベースが「G7」として演奏しているところに、ソリストだけが勝手に「A♭m7-D♭7」という動きを乗せてしまうということになります。

 

コードが「G7」のときに「A♭ドリアン-D♭リディアン7th」を使うというアプローチなのですが、そんなややこしいことをせずに「Gオルタードスケール」だけを使えばいいのではないかという考え方もあるとは思います。

比べてみると音の違いは「A♭ドリアン」に含まれる「♭ソ」だけです。

しかしただ「G7」と解釈して作るフレーズと「A♭m7-D♭7」を想定して作るフレーズは当然違ってきます。

いつも「Gオルタード」ばかり使っていて代わり映えしないなと思っているのなら、このように考え方の違うアプローチはかなり有効です。

 

キーを変えてみる

裏コードを使うので、元のコードが「G7」や「D7」のように簡単であるほど裏コードにしたときは臨時記号が多く、譜面上は難しくなってしまいます。

 

たとえばこのように、元のコードが「D♭7」だとすると、想定する【Ⅱ-Ⅴ】は「Dm7-G7」となり、とても弾きやすくなります。

 

「F#7」では「Gm7-C7」を想定することになります。

「F#7」と言われるとちょっと身構えてしまうかもしれませんが、「Gm7-C7」だと思うと簡単ですね。

 

まとめ

では今回のフレーズの作り方をもう一度説明しましょう。

今回のフレーズは「ドミナント7th」に使うフレーズです。

「A♭7」で作ってみましょう。

 

1.「A♭7」の裏コードである「D7」を想定します。

2.「D7」を「Am7-D7」という【Ⅱ-Ⅴ】に分割します。

3.「Am7」には「A Dorian」、「D7」には「D Lydian7th」を適用します。

 

そして「Am7」の【9th】から入って【11th】を弾いたあと、【3-5-7-9】と「Am9」のアルペジオを弾きます。

そして「DLydian7th」を【5th】の「ラ」から1オクターブ上の「ラ」まで上行します。

「Am7」や「D7」を想定してはいますが、後ろで演奏されているコードはあくまでも「A♭7」のままであることに注意しましょう。

 

応用例

では応用例を見てみましょう。

 

「Key=A♭」の【 Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ 】ですが、あえて調号ではなく臨時記号で記譜しました。

ドミナントである「E♭7」で「Em-A7」のようなフレーズを使っています。

 

これは「Key=Am」のサンプルです。

「E7」のときに「Fm7-B♭7」のようなフレーズを使ってみました。

 

さいごに

というわけで今回は、Michael Breckerのワンフレーズを紹介しました。

ドミナントのときにはいつでも使えます。

オルタードスケールだけでフレーズを作るのに少し飽きてきた人には、有効なアプローチです。

スケールアウトになってしまう音もありますが、うまく使えばとてもかっこいいフレーズが作れるのでぜひ試してみてください。

 

今回の解説動画はこちら↓

 

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