
コンピングだけに特化した「Learn Comping」シリーズ、今回はRed Garlandを取り上げてみたいと思います。
今回のコンピング
ではまず今回取り上げる曲を聴いてみてください。

これはArt Pepperの『You'd Be So Nice To Come Home To』です。
Red Garlandの名演の1つでありアドリブソロも有名です。
今回は、この中のArt Pepperの2コーラスめのアドリブのアタマ8小節を取り上げます。
ソリストの邪魔をすることなく、とてもクールでJazzのコンピングのお手本のような演奏だと思います。
分析
では細かく見ていきましょう。
まずは1〜5小節めです。

左手はずっと【Root】を弾いています。
2小節めの「Gm」では左手は【Root】、右手は「3-5-7」を弾きますが、右手だけすぐ転回します。
このように同じコードを転回するのは簡単でありながら、少しの変化がつけられるのでよく使われます。
3小節めの「D7」は【♭9th】が付加されています。
本来は3拍めから「D7」なのですが、8分音符早く弾いています。
そして4小節めの「Gm」も同じように8分音符1つぶん前になっています。
Jazzのコンピングの定番ですね。
4〜5小節めは「Gm」が続くのですが、「Cdim7」から「Gm」という動きをつけています。
「Cdim7」は「D7(♭9)」の代理と解釈するとわかりやすいでしょう。
しかし毎コーラスやっているわけではなく、「Gm」が2小節続くときもあります。
このようにかなり即興で自由にリハーモナイズしているようなので、ベースとぶつかっているところもたくさんありますが、そんな細かいところは気にしないのがJazzです。
5小節め2拍めウラからは「F#m」を弾いていますが、これは次の小節「Fm7」へのクロマチックモーションです。
このクロマチックモーションもピアノだけが即興で勝手にやったようで、ベースは「F#m」を全く弾いていません。
では全体でいうと6〜9小節にあたる次の4小節を見てみましょう。

1小節めのコードは「Fm7」と書きましたが、トライアドしか弾いていません。
このように1小節に1回コードを弾くだけでもじゅうぶんです。
そして2小節めは「B♭7」なのですが、1拍めは「Fm7」を弾いています。
「Fm7」が「B♭7」まで食い込んだ形です。
そして次は一応「Fm/B♭」と書きましたが、不完全なコードなのでいろんな解釈ができると思います。
4拍めは「B♭7(#5)」ですが、これは【♭13th】と解釈してもかまいません。
3小節めは【9th】が付加されています。
4小節めの1拍めは3小節めと同じコードを弾いていますが、そのあと上の2声だけを動かして変化をつけています。
同じコードが続く場合にはとても効果的です。
さいごに
というわけで今回はRed Garlandのコンピングを紹介しました。
今回の例ではソリストのフレーズに応えたり、逆に仕掛けたりなどということはあまりなく、わりと淡々とした演奏だったと思います。
しかし、たった8小節のなかにJazzのコンピングの基本がたくさんつまっています。
ぜひ参考にしてみてください。
今回の解説動画はこちら↓
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