「作曲を学びたいけどわからない言葉が多い・・・」
「用語をいちいち調べるのが面倒」
という人に向けて
作曲やアレンジをする際にはもちろん、記事を読んでいく上でも知っておくと理解しやすい用語をまとめました。
今回は基本編ということで、簡単な用語だけをまとめてあります。
いわゆる辞書的な用語集ではなく、作曲やアレンジを初心者でも楽しめるレベルで解説していますのでご了承ください。
「それはもう知っている」という人もおさらいを兼ねて確認してみると理解が深まると思います。
ハーモニー
【ハーモニー】とは調和、または和声のこと。
複数の音がバランスよく組み合わさることを意味します。
音楽の三大要素である「メロディ」「リズム」「ハーモニー」のうちの1つですね。
食リポでも「ワインとチーズの絶妙なハーモニーが・・」などと表現することがあるように、バランスの良さ、それぞれが対立せずまとまることが重要な意味を持ちます。
音楽では、2つ以上の音程の異なる音によってハーモニーが生み出されます。ハーモニーが崩れると音楽がつまらなくなったり耳障りな曲に感じてしまうこともあるでしょう。
三大要素にもなっている通り、作曲やアレンジをする際に重要視するべき要素の1つ。クラシックではもちろん、ロックでもジャズでもポップスでもハーモニーは大事です。
メジャー/マイナー
【メジャー/マイナー】とは、簡単に言うとメジャーは明るい感じ、マイナーは暗い感じという意味です。
「この曲はマイナーな感じでかっこいいね」とか「メジャーからマイナーに転調している」のように使われます。
このように曲全体を見て明るい感じ、暗い感じという表現も使われますが、以下で説明するコードやキー、音階(スケール)でもメジャー、マイナーという言葉が出てきます。
コード
【コード】とは和音のこと。
複数の音が同時に鳴ったものをコードと呼びます。一般的には3つ以上の音の重なりを指すことが多いです。
例えば「ド・ミ・ソ」という和音なら、「C」というコードネームがつけられています。
「ドミソ」と呼ばずに「C」と言えば通じるので大変便利です。
ポップス曲などの譜面にはコードネームが書かれていることがありますが、演奏家はコードネームだけで伴奏や弾き語りをすることができます。
いちいち音符を読まなくても演奏できるなんて便利ですよね。
ぜひコードネームを覚えて作曲や演奏に活かしてみてください。
なんで「ド・ミ・ソ」は「C」なの?
そもそもなぜ「ド・ミ・ソ」が「C」なのか疑問に思う方もいるかもしれません。
日本では音階を「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」と言いますが、英語では「C・D・E・F・G・A・B・C」と呼びます。
「ド」にあたるところが「C」ですので、コードネームは「C」です。
「じゃあCEGじゃないの?」という声もありそうですが、コードネームは「C」で表します。
「C」はコードネームでもあり、「ド」という音でもあると言うとわかりやすいでしょうか。
AmとかGmとかの「m」ってなに?
マイナーコードは少し暗い感じに聴こえる和音です。
マイナーの対比となるのがメジャーですが、メジャーコードには「M」や「major」がつけられることも。省略も可能です。(マイナーは省略できません。)
コード進行
【コード進行】とは、コードを並べたもの。つまり、和音を並べたものをコード進行と呼びます。
コード進行に著作権はないので、同じコード進行が違う曲に使われることは一般的です。
例えばこんなコード進行があるんですが、順番は「C G Am F」となっていますね。
このようにコードネームを並べて表します。
日本のポップス曲では王道と呼ばれるコード進行が多用されたり、ビートルズなどのビッグアーティストが生み出したコード進行などもたくさん使われています。
コード進行はコードを並べたものなので誰でも作ることはできますが、ほぼ出尽くしているのが現状。なので、新しく自分だけのコード進行をつくるぞ!と頑張るのも良いんですが、既存のコード進行を真似してみるという方法もよく取られます。
(「いいコード進行できたー」と思っても実はすでにあるコード進行だったりします。)
現に王道進行と呼ばれる「F G Em Am」はスピッツの「ロビンソン」、ELTの「Fragile」など数多くのヒット曲を生み出しているのが特徴。
どんなに使い古されたコード進行でも、メロディはオリジナルで作らなくてはなりませんし、さまざまなアレンジもできますから、多様な曲が作れるのは明白です。
このブログでも既存のコード進行に合わせてメロディをつける方法などをさまざまなパターンで紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
キー
【キー】とは調のこと。簡単に言うと音階の高さのことです。
カラオケで「キーをちょっと下げて歌う」とか、「原曲キーで歌う」といった場面があると思います。このキーと同じ意味です。
またクラシックピアノを習ったことがある人はわかると思いますが、(学校でも習いますが)ハ長調とかイ短調などと曲の調を表記することがありますよね。これと同じ意味です。
キー=音階の高さ。
音階とは「ドレミファソラシド」など音の並びのことですが、この高さとはどういうことかというと、ちょっと話がややこしくなるので簡単に解説します。
(スケールやマイナーキーについては一部割愛。別記事で解説しますね。)
ソから始まるドレミファソラシドもある
「ドレミファソラシド」が「ド」から始まるのは当然ですね。
しかし、「ソ」から始まる「ドレミファソラシド」もあるんです。厳密には「ソラシドレミファ#ソ」なのですが、実際に聴いてみるとわかりやすいと思います。
↓まずこちらが普通の 「ドレミファソラシド」
↓次にソから始まる「ドレミファソラシド」(「ソラシドレミファ#ソ」)
どうでしょうか?
どちらも「ドレミファソラシド」に聴こえますよね。
なぜかというと、「ドレミファソラシド」と同じ間隔で音を並べたからなんです。
同じ間隔で並べるとドからでもソからでも、全部の音から「ドレミファソラシド」が作れるということ。
その間隔というのが、全音、半音の話になっていくんですが。
・・・長くなるので別の記事で詳しく書きますね。
ここではキーが音階の高さによって決まるということをまず理解しましょう。
「キー=C」「Key=C」「Key of C」の意味
ポップス曲などの楽譜に記してある「キー=C」「Key=C」「Key of C」の意味は、「キーはCになっている」ということ。
原曲キーを移調し、弾きやすいキーにしていることはよくあります。カラオケで高い声が出ないからキーを下げるのと同じ感じですね。
以下で詳しく説明します。
キーには名前がある
前項の説明で間隔の話はさておき、どの音からでも「ドレミファソラシド」が作れることはわかったと思います。
どの音から「ドレミファソラシド」を始めたかを示しているのがキーの名前です。
例えばドから始めたら「C」、レからなら「D」、ミからなら「E」といった感じになります。
つまり、「ドレミファソラシド」は「キー=C」、「ソラシドレミファ#ソ」は「キー=G」です。
「ドレミファソラシド」の和名「ハニホヘトイロハ」 で表現すると「ハ長調」、「ト長調」となります。
【3つの意味を理解しよう】音名・コードネーム・キーの名前
コードについての説明を読んだ人はわかると思いますが、「C」には3つの意味があるんですね。(「ド」という意味、コードネーム「C」の意味、キー「C」の意味)
使用される場面によって意味合いが変わるのでややこしく感じますが、
「キーをCに変えて」とか、「CからFにいくコード進行」などの表現の意味がわかってくるのではないでしょうか。
またコード進行について説明する際に、「キーをCにした場合はこうなります」のように表現することがあります。
「これはCに移調すると・・」という意味です。
このように3つの意味がありますが、ここまで読んだ人は違いがなんとなく理解できるのではないでしょうか。
ルート音
【ルート音】とはコードの一番低い音のこと。単にルートとも。日本語では根音(こんおん)とも言います。
コードが「C」つまり「ドミソ」なら、ルート音は「ド」です。
コードの話になってしまいますが、「ドミソ」は「ミソド」という展開系コードにもなるんですね。
この展開系においてもルート音の「ド」を鳴らすことで響きや雰囲気が「ドミソ」と同じになります。
先にも少し触れたように、「ドミソならCEGじゃないの?」という問いに対して、コードネームは「C」と説明しました。
これはルート音が「C」なので、コードネームは「C」なのです。(ルート音=コードネームということです。)
ルート音はコードを知る上で重要な要素となるので、しっかりと理解しましょう。
音楽用語【基本】のまとめ
【ハーモニー】は音楽の三大要素の1つで、調和を意味する。作曲における重要な要素でもある。
【メジャー/マイナー】は、メジャーは明るい感じ、マイナーは暗い感じ。コードネームでは「m」がマイナーという意味になっている。
【コード】は和音。基本的に3つ以上の音の重なりです。英語名の「ドレミファソラシド」=「CDEFGABC」で表したものがコードネーム。
【キー】とは調のこと。音階の高さによって呼び方が変わる。
【ルート音】とはコードの一番低い音のこと。ルート音によってコードネームが決まる。
以上、作曲・アレンジに関する音楽用語の基本編を解説しました。
一部割愛したところもありますが、なんとなく用語の意味が理解できましたか?
ぜひ音楽活動にお役立てください。