わちゃぴの音楽教室

初心者向けの作曲方法を紹介しています♪

作曲 #14【♭9th・#9th・#11th・♭13th】オルタードテンション【YouTube連動】

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さて今回は今まで紹介していないテンションを学んでいきたいと思います。

キーは「C(ハ長調)」で説明していきますが、いくつか黒鍵が入ってしまいます。

そのかわりこれさえ覚えておけばジャズが全くわかっていなくても、ある程度わかっているように聞こえるので、本格的にジャズをやるというより自分のオリジナルにちょっとだけ取り入れてみたいという方にはおすすめです。

 

 

 テンションについてはこちら↓

 

オルタードテンションとは?

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これまでに紹介したテンションは・・・

【9th】【11th】【F△7における#11th】そして【13th】でした。

これは「キーC」のときには全て白鍵になるテンションです。

一般的に【9th】【11th】【13th】はナチュラルテンション、

そしてそれに「♭」や「#」がついた【♭9th】【#9th】【#11th】【♭13th】は「オルタードテンション」と呼ばれます。

今回紹介するのはオルタードテンションです。

ジャズっぽい雰囲気を出したいときにはナチュラルテンションよりも有効なテンションです。

 

オルタードテンションの使い方の基本1:同時にふたつ使わない

まず決まりとして【9th系】を同時にふたつ使うことはできません。

【9th】と【♭9th】が同時に入ったり【♭9th】と【#9th】が同時に入ることはまずないと思って大丈夫です。

【11th】と【#11th】、または【13th】と【♭13th】も同様に同時に使うことはありません。

 

オルタードテンションの使い方の基本2:ドミナント7thコードにしか使えない

そしてこれらのオルタードテンションは【ドミナント7thコード】、ようするにキーがCのときの「G7」にしか使えません。

C△7(♭9)やAm7(#9)などということはありえないのです。

例外としてⅣのメジャー7thコード(キーCにおけるF△7)には#11thのみ使えます。

 

となると今回覚えるのは「G7」における【♭9th】【#9th】【#11th】【♭13th】の4つの音だけです。

この4つのオルタードテンションは全て黒鍵になってしまうのですが、今までのテンションを理解していればそれを半音上げたり下げたりするだけなのでそれほど難しいものではありません。

そう考えればできそうな気がしませんか?

 

Gオルタードスケールを覚えよう

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コードに黒鍵を入れるということは、メロディーにもその黒鍵が含まれるスケールを使わなければなりません。

いままで使ってきた白鍵だけの「Cメジャースケール」ではオルタードテンションが使えないのです。

オルタードテンションを使うためのスケールはいくつかあるのですが、一度に覚えるのは大変なので今回は一つだけ覚えて下さい。

それがこのオルタードスケールというものです。

今回は「G7」で使用したいので「Gオルタードスケール」を紹介します。

 

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この3つのスケールの譜面は全て同じ音です。

スケールとしては「1」の書き方が正しいのですが、「2」や「3」のほうが見やすいのでこのように書くこともあります。

たとえば(#9)は「♭シ」で書いてあったり「#ラ」で書いてあったりしますが、

「9がシャープしたもの」と考えると「#ラ」のほうが理解しやすいかもしれませんね。

 

このスケールは【♭9th】【#9th】【#11th】【♭13th】というすべてのオルタードテンションが含まれています。

なので今回解説するオルタードテンションの入ったコードのどれにでも使用できる便利なスケールです。

このスケールもかなりジャズっぽい雰囲気を持っており、普通のポップスにはあまり出てこないかもしれません。

しかし、これを一つ覚えておけばオリジナルにジャズっぽい雰囲気を持ち込んだりできますし、間奏のアドリブソロなどにも簡単にジャズっぽい雰囲気を出せます。

 

Gオルタードスケールは「5th」が入っていない

ただこのスケールには「5th(G7でいうとレの音)」が含まれていません。

それなので、オルタードスケールを使うときには厳密にはコードにも「5th」を入れない方がよいです。

そもそも「5th」という音はルートとともにもっとも省略されやすい音なので、今回オルタードテンションを入れる「G7」のときにはコードからもメロディーからも「5th」を省いて説明していきます。

(しかしコードに「5th」が入っている場合にもかまわずオルタードスケールを使ってしまうということも多々あります)

 

オルタードテンション:【♭9th】 

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ではさっそくサウンドを聴きながらすすめていきましょう。

さきほど言ったようにすべて「G7」の上に足していきたいと思います。

 

まずは【♭9th】からです。

【♭9th】は文字通り【9th】がフラットしたもの、ようするに【9th】が半音下がった音です。

これは「ルートの半音上の音」になるのでそう考えたほうが見つけやすいと思います。

 

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「G7♭9」はこのようなサウンドです。

 

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【♭9th】を入れるときは右手はルートを省くのが一般的です。

そうするとルートを弾いていた指を半音上にずらせば、自然にルートが省かれそのかわりに【♭9th】が付加されることになりますね。

この考え方が1番簡単だと思います。

 

これだけではわかりにくいので、コード進行の中で使ってみましょう。

【9th】と【♭9th】を聞き比べてみます。

 

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【♭9th】を入れたほうがよりジャズっぽい響きに聞こえますね。

これにメロディーをのせる場合は当然【♭9th】の音をメロディーにも使うのが自然に聞こえます。

このような感じですね。

 

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いかにもジャズという雰囲気ですね。

  

オルタードテンション:【#9th】

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では次は【#9th】を見て行きましょう。

これも文字通り【9th】がシャープしたものです。

 

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サウンドはこのような感じです。

 

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【#9th】の場合もルートは省きます。

この【#9th】という音は【♭3rd】と同じ音です。

ブルーノートを解説したときに、メジャーコードの上でメロディーに【♭3rd】を使うということを言いました。

しかし今回の【#9th】はコードの構成音として使うものなので、メロディーに使うブルーノートとはまた意味が違います。

とは言っても音は同じなのでこのコードサウンドはやはりブルースっぽく感じますね。

先ほどと同じコード進行の中で【#9th】を使ってみましょう。

 

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【#9コード】は「【3rd】を1番下にして【#9th】を1番上に持ってくる」

というこのボイシングで弾くことが非常に多いので丸ごと覚えてしまうといいと思います。

メロディーを入れてみます。

 

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【♭9th】とはまた違ったジャジーな響きです。

  

オルタードテンション:【#11th】

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それでは次は【#11th】です。

【9th】や【13th】などのナチュラルテンションを解説したときに「F△7」にも入れました。

「F△7」の【#11th】というのは「シ」の音になるので白鍵でしたが、今回は「G7」に入れるので黒鍵になります。

見つけ方としては「【5th】の半音下」と考えると楽なのではないでしょうか。

 

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【11th】を入れるときは【3rd】を省きますが、【#11th】を入れるときは【3rd】は入れたままで【5th】を省くほうがきれいに響きます。

このような感じです。

コード進行の中で使ってみましょう。

 

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メロディーを入れてみましょう。

 

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これもまた独特な響きが面白いですね。

 

オルタードテンション:【♭13th】

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さて最後に【♭13th】を紹介しましょう。これも見たとおりで【13th】がフラットしたものです。

これは「【5th】の半音上」の音なので見つけやすいと思います。

ピアノの左手や他の楽器が【5th】の音を弾いていないときは「#5」と表記することもありますが、【5th】が鳴ってるいる場合には「♭13」と表記します。

 

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サウンドはこのような感じになります。

 

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ただこの【♭13th】は【♭9th】または【#9th】とセットで使われることが非常に多いので、今回はセットで覚えてしまいましょう。

 

「♭9」と「♭13」の組み合わせ

まずは「♭9」と「♭13」の組み合わせです。

こんなサウンドになります。

 

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コード進行の中で鳴らすとこのような感じになります。

 

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ジャジーでゴージャスな響きですね。

メロディーを入れてみましょう。

 

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ジャズやボサノバなどの雰囲気が欲しいときにはとても合うのではないでしょうか。

 

「#9」と「♭13」の組み合わせ

次に「#9」と「♭13」の組み合わせです。

 

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コード進行で聴いてみます。 

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メロディーを入れてみます。 

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「♭9♭13」と似たサウンドですが、こちらもジャジーで渋い雰囲気がありますね。

  

オルタードテンション【使用例】

ここまでオルタードテンションをいろいろ紹介してきましたがちょっと難しく聞こえたかもしれません。

使う機会がないと思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ちょっと次の譜面を見てください。

 

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これは白雪姫の挿入歌「いつか王子様が」の一節です。

とてもわかりやすく綺麗なメロディーですね。

ジャズなどでは「キーがB♭」で演奏させる場合が多いのですが、今回は「キーC」にしてみました。

しかし、「2小節目のE7」と「4小節目のA7」はキーがCのダイアトニックコードではありません。

一時的転調ということになるのですが、難しくなりますので今回は参考程度にしておいてください。

このメロディーをこのようにハーモナイズしてみます。

 

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オルタードテンションがいっぱい含まれていますが、そんなに難しくは聞こえないのではないでしょうか。

 

2小節目はメロディーが【♭13th】の音になっているので、当然コードも【♭13th】を含めなくてはいけません。

【♭9th】も入れてよりゴージャスにしてみました。

3小節めの1拍目はコードに対して【#11th】の音になっているのでコードもそのようにしました。

これは以前やった「F△7」における【#11th】ということで音は「キーC」の中の音です。

そして4小節目のメロディーは「A7」に対して【ルート】の音なのですが、内声に【#11th】を入れてみました。

 

弾くには難しくないのでぜひ弾いてみてください。

理論的に説明すると難しそうですが、弾いてみるとわかりやすく聴きやすいと思います。

このように使い方次第ではポップスなどにも応用できると思いますので、ぜひ挑戦してみてください。

 

まとめ

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さて今回はちょっと難しい話になってしまいました。

しかし最も手軽にジャズの雰囲気を出せるのは、オルタードテンションとその上で使うオルタードスケールです。

最初は慣れないと思いますが、コードの押さえ方を丸覚えしてしまうことを推奨します。

テンションを一つずつ理解するのも大切ですが、それだけでは実践的ではありません。

手の形で覚えてしまうのが1番簡単に使える方法です。

最初のうちは今回紹介した「G7」でだけ使えればいいのです。

それから徐々に弾けるコードを増やしていきましょう!

 

こちらの動画では今回の【オルタードテンション】を解説しています↓

 

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