まずはこの譜面をみてください。
「E♭△7」を転回させたものです。
上の4つは全て「1オクターブ内におさまったボイシング」になっています。
このように全ての音が1オクターブ内におさまるボイシングを「クローズボイシング」といいます。
ピアノなどで片手でコードを弾く場合は、ほとんど「クローズボイシング」になります。
一方、下のボイシングは1オクターブを超えています。
「オープンボイシング」の代表的なものにはドロップ2、ドロップ3、ドロップ2&4というものがあるのですが、今回はその中で「Drop3 Voicing」を紹介します。
では例を見ていきましょう。
これは全部「F△7」です。
左は【ファ-ラ-ド-ミ】という「クローズボイシング」を【ラ-ファ-ド-ミ】に、
右は【ラ-ド-ミ-ファ】という「クローズボイシング」を【ド-ラ-ミ-ファ】に積み替えてあります。
どちらも上から3番めの音を1オクターブ下げるという方法で「オープンボイシング」にしてあるのですが、これが「ドロップ3」といわれるものです。
上から3番めの音を下げるということで「ドロップ3」と呼ばれます。
こうすることによりピアノの1番下の音がルートではなくなってしまうので、ベースでルートを弾いています。
元のボイシングからは響きがずいぶん変わりました。
「クローズボイシング」よりもかなり広がりのあるサウンドになっているのがよくわかると思います。
マイナーコードでも見てみましょう。
「Cm7」を「ドロップ3」にしてみました。
これもルートはベースで弾いています。
メジャーコードもマイナーコードも特に変わりはありません。
では次はテンションコードを見てみます。
これはピアノでルートを弾いていないためベースが重要になります。
「A7(♭9)」はルートがないと「C#dim」でしかないですし、「Fm9」もピアノで弾いているのは「A♭△7」です。
ベースがルートを弾いてはじめて「A7(♭9)」になり「Fm9」 になるのです。
最後にこれを見てください。
同じ「C△7」の転回形を「ドロップ3」と「ドロップ2」にしたものです。
「ドロップ3」の場合はトップに【2度】が形成されています。
「ドロップ3」にするとトップが【2度】になる場合が多々あるのですが、その場合は「ドロップ2」にするほうがよいという理論もあります。
しかし今は【2度】でもふつうに使う場合が多いので、こういう考え方もあるということだけ理解しておくといいでしょう。
今回は「ドロップ3」の紹介でした。
いろんな場面で使えるはずですので、ぜひ覚えておきましょう。
今回の解説動画はこちら↓