「ひとつだけ覚えるアドリブフレーズ」今回は「ブルースフレーズ」の【Part9】です。
はじめに
今回はこのようなフレーズです。
これもブルースなどではよく聴かれるフレーズです。
左手は【Root-5th】と【Root-6th】を4分音符で交互に弾いています。
ブルースピアノの左手としてはよく聴かれる定番のパターンです。
コードは「C7」です。
「C7」といえばふつうは「Key=F」の【Ⅴ】である「ドミナント7thコード」です。
しかしブルースは少し特殊な音楽で、「トニック」も「サブドミナント」も「7thコード」にすることがほとんどです。
今回はブルースについての細かい説明は省きますが、この「C7」は「Key=C」の「トニック」、または「Key=G」の「サブドミナント」、または「Key=F」の「ドミナント」に使えます。
ということは、今回のこのフレーズも同じように「Key=C」のブルースの「トニック」、または「Key=G」のブルースの「サブドミナント」、または「Key=F」のブルースの「ドミナント」のときの「C7」に使えるということです。
フレーズの分析
ではフレーズを細かく見ていきましょう。
では音をひとつずつ見ていきましょう。
まずは1小節めです。
3拍めウラから入ってきます。
「C7」から見ると、【5th】の「ソ」から入って「5-6-1-2」というフレーズになっています。
これは「Cメジャーペントニック」のフレーズと考えるとわかりやすいと思います。
では、2小節め3小節めをいっしょに見てみましょう。
【♭3rd】である「♭ミ」から入って「♮ミ」に半音で上がって、それをまた繰り返します。
「ミ」がオクターブになっていますが、「♭ミ」が単音なのでそんなに難しくはないと思います。
この「♭ミ」がブルーノートなのでブルージーな雰囲気を出しています。
そのあとは、16分音符で「C7」の構成音である「ドミソ」を「ド-ミ-ド-ソ」という順番で弾きます。
リズム的には正確に16分音符で弾いてもいいですし・・・
最初の「ド」だけ少し長めにして、そのあと転がすような感じにしてもいいでしょう。
そのあと3小節めにかけて「4-5-3-1」と弾きます。
16分音符のまま「ド-ミ-ド-ソ-ファ」と下りてきて、最後に「C」のトライアドで「ソ-ミ-ド」と弾くと覚えてもいいと思います。
1小節めは「Cメジャーペンタトニック」といいましたが、この2小節めから3小節めにかけてのフレーズは「Cメジャーペンタトニック」と「Cマイナーペンタトニック」をミックスしたような感じです。
他のキーで見てみよう
では他のキーでも見てみましょう。
これを見てください。
これは「F7」のフレーズです。
【5th】の「ド」から入って「Fメジャーペントニック」を「ド-レ-ファ-ソ」と上がります。
そして【♭3rd】の「♭ラ」と【3rd】の「♮ラ」を交互に2回弾きます。
「♮ラ」だけオクターブにしましょう。
そのあと「Fトライアド」の構成音を「ファ-ラ-ファ-ド」と16分音符で弾き、そのまま【4th】の「♭シ」まで下りてきます。
そのあとはまた「F」のトライアドである「ド-ラ-ファ」と下がって終わりです。
これは「G7」のフレーズです。
【5th】の「レ」から入って「Gメジャーペントニック」を「レ-ミ-ソ-ラ」と上がります。
そして【♭3rd】の「♭シ」と【3rd】の「♮シ」を交互に2回弾きます。
「♮シ」だけオクターブにしましょう。
そのあと「Gトライアド」の構成音を「ソ-シ-ソ-レ」と16分音符で弾き、そのまま【4th】の「ド」まで下りてきます。
そのあとはまた「G」のトライアドである「レ-シ-ソ」と下がって終わりです。
覚えるための練習法
ひとつずつ順番に覚えるのもいいのですが、せっかくなのでこんな練習法をやってみてください。
これを時計回りに全部「7thコード」のまま進んでいきます。
これで12個全ての「7thコード」で今回のフレーズがマスターできるはずです。
キーが2小節ごとに変わることになりますが、あえて調号ではなく臨時記号で書いてあります。
今回は左手は【Root-5th】と【Root-6th】を4分音符で交互に弾いています。
難しければ4分音符で【Root-5th】の和音だけ弾いてもかまいませんし、オクターブで【Root】だけ弾いてもかまいません。
今回のフレーズは前の小節の3拍めウラから引っかけて入ってくるので、左手は3小節めの3拍めで止め、4拍めは空白にして右手の引っかけフレーズを目立たせます。
※ 「カラオケ音源」と「MIDIデータ」を貼っておきますのでご自由にダウンロードしてお使いください。
カラオケ音源↓
MIDIデータ↓
バリエーション
今回のフレーズを少し変えるだけでいろんなバリエーションが得られます。
1小節めや16分音符のところは少し音を変えてあります。
2小節めは「♭ミ」も「♮ミ」もオクターブにしてみました。
2小節めは1,2拍めを3連符にし、3拍めの16分音符はやめて8分音符にしました。
【♭5th】である「♭ソ」を入れてあります。
どちらも「C7」にたいするブルーノートなので、よりブルージーになっていると思います。
これはロックンロールという感じの8ビートにしてみました。
ブルースとロックンロールは使う音やコード進行などがほぼ同じなので、フレーズもリズムさえ変えれば同じものが使えます。
今回は8ビートにしましたが、ブルースのようにハネるロックンロールもありますし、ドラムやベースは8ビートなのにピアノの刻みだけ3連符だったりするものもあり、かなりのバリエーションがあります。
バリエーションを3つ紹介しました。
このように、音やリズムを少しだけ変えるだけでもいろんなバリエーションを得られるので、ぜひいろいろ試してみてください。
さいごに
というわけで、今回もブルースなどでよく使われるフレーズを紹介してみました。
今回もピアノっぽいフレーズでしたが、オクターブのところを単音に変えればいろんな楽器で使えると思います。
これもまた定番フレーズなので、ぜひ使ってみてください。
ブルースに限らず、ポップスやロック、ファンクなどにも幅広く使えると思います。
今回の解説動画はこちら↓