わちゃぴの音楽教室

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【Quick Lesson】ひとつだけ覚えるアドリブフレーズ【Ⅱ-Ⅴ・Part9】

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ひとつだけ覚えるアドリブフレーズ」今回は「Ⅱ-Ⅴ」の【Part9】です。

 

 

はじめに

このようなフレーズをマスターしましょう。

 

Jazzのアドリブなどでよく聞かれるフレーズです。

今回はマイナーキーにおける【Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ】です。

マイナーキーの場合【Ⅱ】を「m7(♭5)」にします。

 

今回は「Key=Am」で説明していきましょう。

コードは【Bm7(♭5)-E7-Am】ということになります。

 

フレーズの分析

ではフレーズを細かく見ていきましょう。

 

まずは1小節めです。

 

この「Bm7(♭5)」は「Key=Am」の【Ⅱ】でもあり「Key=C」の【Ⅶ】でもあるので、使うスケールは「Bロクリアン」です。

 

 

それぞれの音がコードにたいしてどのような音になっているのか見てみます。

 

 

ロクリアンスケールと書きましたが、今回のフレーズはスケールで分析するよりコードの構成音から見た方が簡単です。

 

使っている音は「ファ」「レ」「シ」だけです。

これは「Bm7(♭5)」の構成音である【5th】【3rd】【Root】です。

【5th】の音から「5-3-5-3-1」とアルペジオのように弾くと考えれば簡単です。

 

では2小節めです。

 

このフレーズは「オルタードスケール」と考えるのがいいでしょう。

 

 

コードにテンションを入れたい場合、【♭9th】【#9th】【♭13th】などのオルタードテンションを入れるといいでしょう。

 

このフレーズも、スケールにたいしてそれぞれどのような音になっているのか分析してみます。

 

【#11th】の「♭シ」の音から入ります。

いきなり【#11th】というと難しそうですが、1小節めの最後の音から半音下がっているだけなので、つなげて弾けば簡単だと思います。

そして「♭シ」の音から半音で「♭シ-ラ-#ソ」と下がります。

この「ラ」の音はオルタードスケールにはありませんが、単にクロマチックアプローチと考えます。

そして最後にちょっと跳躍してオクターブ上の「ファ」を弾きます。

これは「E7」にたいしての【♭9th】です。

 

では3、4小節めです。

 

これはいくつかのスケールが考えられますが、「ジャズマイナースケール」と考えるのがわかりやすいと思います。

 

 

スケールにたいしてそれぞれどのような音になっているのか分析してみましょう。

 

これも3小節めは、単にコードトーンのアルペジオと考えれば簡単です。

「Am」の【5th】【3rd】【Root】である「ミ」「ド」「ラ」を順番に弾いているだけです。

この「5-3-5-3-1」という動きは、1小節めと全く同じです。

 

4小節めは、【△7】である「#ソ」から半音で「#ソ-ソ-#ファ」と下がります。

この「ソ」は「Aジャズマイナースケール」には含まれませんが、これもクリシェのようなクロマチックアプローチだと考えるのがよいでしょう。

【6th】の音で終わるのがいかにもJazzっぽく聞こえます。

 

他のキーで見てみよう

では他のキーでもすぐ弾けるようにするため、いくつかのキーで見てみましょう。

 

これは「Key=Gm」の【 Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ 】です。

1小節めは【5th】の「♭ミ」から入って「5-3-5-3-1」である「♭ミ-ド-♭ミ-ド-ラ」と「Am7(♭5)」をアルペジオのように弾きます。

そして最後の「ラ」の音から半音下がって、2小節めの「♭ラ」につなげます。

そのまま半音で「D7」の【3rd】まで下がったら【♭9th】の「♭ミ」まで飛びます。

そこから半音下がって3小節めにつなげます。

3小節めは1小節めと同じ動きの「5-3-5-3-1」と「Gm」の構成音を弾きます。

そしてまた半音下がって4小節めにつなげたら、そのまま半音で【6th】の「ミ」まで下がって終わりです。

 

ではもう一つ見てみましょう。

 

これは「Key=Em」のフレーズです。

1小節めは【5th】の「ド」から入って「5-3-5-3-1」と「F#m7(♭5)」のアルペジオを弾きます。

そして最後の「#ファ」の音から半音下がって、2小節めの「ファ」につなげます。

そのまま半音で「B7」の【3rd】まで下がったら【♭9th】の「ド」まで飛びます。

そこからまた半音下がって3小節めにつなげます。

3小節めは1小節めと同じ動きで「5-3-5-3-1」と「Em」のアルペジオを弾きます。

そしてまた半音下がって4小節めにつなげたら、そのまま半音で【6th】の「#ド」まで下がって終わりです。

 

覚えるための練習法

全てのキーで覚えるのはなかなか大変なので【Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ】を連続させ練習してみましょう。

 

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【D-G-C-F・・・】と時計回りに「5度下」に進んでいくのですが、これを【Dm7(♭5)-G7-Cm】という【Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ】と考え、その【Ⅰ】である「Cm」の【5th】を半音下げて「Cm7(♭5)」にして、それを新たな【Ⅱ】と考え、【Cm7(♭5)-F7-B♭m】という新たな【Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ】を作り、つなげていきます。

 

サークルオブ5thを【Dm7(♭5)-G7】から始まり1周するパターンと【Gm7(♭5)-C7】から始まり1周するパターンの2種類で12個全ての【Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ】が出てきます。

調号で書くと4小節おきにキーが変わって読みにくいので、臨時記号で書いてあります。

 

※カラオケ音源とMIDIデータを貼っておきますので、ご自由にダウンロードしてお使いください。

 

それではつなげて弾いてみましょう。

 

EX.1

まずは「Dm7(♭5)」から始まるパターンです。

 

 

カラオケ音源↓

 

MIDIデータ↓

 

EX.2

次は「Gm7(♭5)」から始まるパターンです。

 

 

カラオケ音源↓

 

MIDIデータ↓

 

バリエーション

慣れてきたらこのようにリズムを変えてみても面白いと思います。

 

使っている音は全く同じですが、数を少し減らして4分音符を多く使うリズムにしてみました。

 

音を少し増やして、最初のアルペジオ的なフレーズからスケール的なフレーズにしました。

今回のクロマチックな動きはそのまま使ってあります。

 

ボサノバのリズムにしてみました。

このようにハネなくても使えます。

 

さいごに

というわけで今回もマイナーキーの【Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ】フレーズを紹介してみました。

今回はスケールというより、コードの分散をクロマチックでつなげたようなフレーズでした。

今回のフレーズも楽器は問いませんので、ぜひ一度弾いてみてください。

 

今回の解説動画はこちら↓