わちゃぴの音楽教室

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【Quick Lesson】ひとつだけ覚えるアドリブフレーズ【Ⅱ-Ⅴ・Part15】Benny Green 01【YouTube連動】

「ひとつだけ覚えるアドリブフレーズ」Ⅱ-ⅤのPart15です。

今回はBenny Greenのフレーズを紹介しましょう。

 

 

はじめに

このようなフレーズです。

 

 

かなり速いテンポなのであっという間に過ぎ去ってしまいますが、とてもセンスのいいフレーズだと思います。

これは「Key=Gm」の【 Ⅱ-Ⅴ 】です。

マイナーキーなので【 Ⅱ 】が「m7(♭5)」になっています。

わかりやすく「Key=Am」に移調して見てみましょう。

 

 

このようになります。

 

フレーズの分析

ではフレーズを細かく見ていきましょう。

まずは1小節めです。

 

 

この「Bm7(♭5)」は「Key=Am」の【 Ⅱ 】ですから「Bロクリアン」を使います。

 

 

それぞれの音がコードにたいしてどのような音になっているのか見てみます。

 

まず【Root】の「シ」から入って、「Bロクリアンスケール」を「1-2-3-2-1」と上がって下がったあと、さらに【7th】の「ラ」まで下がります。

そのあと【6th-Root】とありますが、【6th】の「#ソ」は「Bロクリアン」には含まれていません。

 

これは、1小節めの4拍めからちょっと早めに「E7」のフレーズを弾いたと解釈するのが自然です。

フレーズが先に次のコードのスケールを弾くというのは、Jazzのアドリブではよくあることです。

 

ではそれをふまえて2小節めを見てみましょう。

 

1小節めの4拍めから「E7」として度数を見ると、このようになっています。

【3rd-5th-7th-♭9th】と「E7(♭9)」の分散を弾いたあと、また【7th】を弾きます。

そのあと、度数で言うと【△7th】の音が出てきます。

 

しかしこれはこのように解釈します。

 

 

【△7th】の「#レ」と【#11th】の「#ラ」は、次の音に半音で進行するためのクロマチックアプローチです。

というわけでこの「#レ」と「#ラ」は、テンションとしては解釈しないほうがわかりやすいでしょう。

そして最後は【7th】の「レ」で終わります。

 

この「E7」でのスケールはオルタードスケールやコンディミと解釈することもできますが、ハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウと考えるのが簡単でしょう。

 

では3小節めです。

 

これもとてもシンプルなフレーズです。

【3rd】を弾いたあと、【Root】でオクターブトレモロをするだけです。

スケールで考える必要はありません。

トレモロのスピードは自分の好みでいいと思います。

速めと遅めでやってみましょう。

 

かなり雰囲気が変わりますね。

この真ん中ぐらいのスピードが一般的かもしれません。

 

他のキーで見てみよう

では他のキーでも見てみましょう。

 

まず【Root】の「ミ」から入って、「Eロクリアンスケール」を「1-2-3-2-1」と上がって下がったあと、さらに【7th】の「レ」まで下がります。

1小節めの4拍めから「A7」の【3rd-5th-7th-♭9th】と「A7(♭9)」の分散を弾いたあと、また【7th】を弾きます。

そのあとは【Root】に向かって半音下からアプローチ、そのあと【5th】に向かって半音下からアプローチします。

最後に【7th】の「ソ」を弾いたあと「Dm7」の【3rd】を弾き、【Root】でオクターブトレモロをして終わりです。

 

覚えるための練習法

全てのキーで覚えるのはなかなか大変なので【 Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ 】を連続させ練習してみましょう。

 

 

【D-G-C-F・・・】と5度下に進んでいきますが、これを【Dm7(♭5)-G7-Cm7】にして、そこから解決した【 Ⅰ 】である「Cm7」を弾いたあと、ルートはそのままに「Cm7(♭5)」を弾き、それを新たな【 Ⅱ 】と考え、【Cm7(♭5)-F7-B♭m7】という 【 Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ 】を作りつなげていきます。

サークルオブ5thを【Dm7(♭5)-G7】から始まり1周するパターンと、【Gm7(♭5)- C7】から始まり1周するパターンの2種類で12個全ての【 Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ 】が出てきます。

 

4小節めは音がないので、次の準備をしやすいと思います。

今回はオクターブトレモロがあり、完全にピアノのフレーズといった感じなのでピアノトリオにしてあります。

 

※カラオケ音源とMIDIデータを貼っておきますので、ご自由にダウンロードしてお使いください。

 

それではつなげて弾いてみましょう。

 

EX.1

まずは「Dm7(♭5)」から始まるパターンです。

 

 

カラオケ音源↓

 

MIDIデータ↓

 

EX.2

次は「Gm7(♭5)」から始まるパターンです。

 

 

カラオケ音源↓

 

MIDIデータ↓

 

バリエーション

慣れてきたら音やリズムを変えてみましょう。

 

バリエーション1

1小節めの3拍めから「E7」のフレーズにしました。

2小節めはクロマチックアプローチをたくさん使っています。

 

 

バリエーション2

ではもう1つ作ってみましょう。

 

ボサノバ系のリズムにしてみました。

これは今回のフレーズと同じで、1小節めの4拍めから「E7」のフレーズになっています。

2小節めはまたクロマチックアプローチを多めに使ってみました。

 

 

コードトーンから半音下がって、また半音上がってコードトーンに解決するというクロマチックアプローチを使ってみました。

 

さいごに

というわけで今回はBenny Greenが弾いたマイナーキーでの Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ フレーズを紹介しました。

シンプルながらとても小粋でおしゃれなフレーズだと思います。

オクターブトレモロをやめて、単音のロングトーンにすれば楽器を問わず使えます。

とても取り入れやすいので、ぜひ使ってみてくださいね。

 

今回の解説動画はこちら↓

 

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