かっこいいアドリブのための「モチーフの展開」、今回はPart2です。
今回も素晴らしいピアニストたちのフレーズを紹介していきます。
- はじめに
- Israel/Bill Evans
- Autumn Leaves/Herbie Hancock
- Solar/Brad Mehldau
- Little Peace In C For U ①/Michel Petrucciani
- Little Peace In C For U ②/Michel Petrucciani
- さいごに
はじめに
モチーフとは音楽の中の最小単位のようなものです。
詳しい説明はPart1を参考にしてください。
では、さっそく実際に演奏されたフレーズを見ていきましょう。
※今回もモチーフの展開に重点を置いているので1つずつの音については解説しませんが、コードにたいしてどのような音が使われているのかも考えながら見ていただくといいと思います。
Israel/Bill Evans
これはBill Evansのフレーズです。
かなりテンポも速く、とても複雑に聞こえるフレーズです。
Bill Evansにもモチーフを展開していくアドリブが多く見られます。
これはこのように3拍のモチーフが展開されていると解釈することもできますが、次のように解釈したほうがわかりやすいはずです。
これは「8分音符の3つ取り」と解釈するモチーフです。
3つ取りのモチーフなので4拍子の曲に使うとどんどんずれていき、かなりトリッキーに聞こえます。
1小節めから3小節めにかけて、同じモチーフが8回繰り返されています。
下行する音型もずっと同じままです。
4小節めはリズムも音型も変わっていますが、モチーフの発展のようには聞こえるのではないでしょうか。
Autumn Leaves/Herbie Hancock
これはHerbie Hancockのフレーズです。
これまで紹介してきたものと少し違って、コードが動いても音が変わっていません。
音が2つしかないという、なんともシンプルなモチーフです。
このモチーフを違うフレーズと組み合わせながら展開していきます。
こんな簡単なモチーフをとてもセンスよく聴かせるのはさすがです。
Solar/Brad Mehldau
Brad Mehldauもモチーフを展開させるアドリブが多く、素晴らしいソロを聴かせてくれます。
このアドリブも単純なモチーフを展開させているのですが、リズムのずらしかたが絶妙です。
そしてこれも先ほどのハービーと同じで、コードが変わっても音は変えません。
モチーフとしてはこの3つと言ってよいでしょう。
3つともとても簡単でシンプルなものです。
これがいろんなリズムに変化しながら展開されています。
Little Peace In C For U ①/Michel Petrucciani
これはMichel Petruccianiのフレーズです。
これもまたコードが変わってもモチーフの音を変えません。
しかもこれはリズムすら変えていません。
このような3拍フレーズがずっと繰り返されます。
3拍フレーズを休符がないまま繰り返すので、だんだんずれていくのが面白いと思います。
ペトルチアーニはこのように、コードが変わっても1つのフレーズで押すという手法をよく使います。
こちらの記事でもその究極とも言えるすごいフレーズを紹介しているので、ぜひごらんください。
Little Peace In C For U ②/Michel Petrucciani
これもMichel Petruccianiが先ほどと同じ曲の中で弾いたフレーズです。
使われているモチーフはこうなります。
コードがいくら変わっても「ド」だけをただオクターブで弾き続けます。
これほどシンプルなモチーフもなかなかないでしょう。
これ以上シンプルにするとなると1つの音を弾き続けることしかないですが、そうなるともうモチーフとは言えないかもしれませんね。
さいごに
というわけでPart2は5つのアドリブソロを紹介しました。
シンプルなモチーフを展開させるだけで、素晴らしいアドリブソロが作れることがよくわかったと思います。
Part3では実際にモチーフを展開させ、ソロを作ってみようと思います。
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