わちゃぴの音楽教室

初心者向けの作曲方法を紹介しています♪

【Quick Lesson】ひとつだけ覚えるアドリブフレーズ【Ⅱ-Ⅴ・Part10】

f:id:wachapi-music:20201002165855j:plain

ひとつだけ覚えるアドリブフレーズ」今回は「Ⅱ-Ⅴ」の【Part10】です。

 

 

はじめに

このようなフレーズをマスターしましょう。

 

これもまたJazzのアドリブなどでよく聞かれるフレーズです。

今回はマイナーキーにおける【Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ】です。

マイナーキーの場合【Ⅱ】を「m7(♭5)」にします。

今回も「Key=Am」で説明していきましょう。

コードは【Bm7(♭5)-E7-Am7】ということになります。

 

フレーズの分析

ではフレーズを細かく見ていきましょう。

 

まずは1小節めです。

 

この「Bm7(♭5)」は「Key=Am」の【Ⅱ】でもあり、「Key=C」の【Ⅶ】でもあるので、使うスケールは「Bロクリアン」です。

 

 

それぞれの音がコードにたいしてどのような音になっているのか見てみます。

 

最初の「#ド」は次の「レ」に向けてのクロマチックアプローチなので、テンションとは解釈しません。

【3rd】の「レ」からオクターブ上の【Root】までただ「ロクリアンスケール」を上行するだけです。

 

では2小節めです。

 

このフレーズは「ハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウ」と解釈するのがよいでしょう。

 

 

ではスケールから分析してみましょう。

 

【7th】の音から入りクロマチックで【5th】の「シ」まで下行します。

この「#ド」もクロマチックアプローチなのでテンションとは考えません。

次の「ド」はスケール内にあるので【♭13th】と表記しましたが、フレーズ的にはテンションというより「レ」から「シ」までクロマチックアプローチを3回続けたと解釈するほうが簡単かもしれません。

そして「シ-ラ-#ソ」と「ハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウ」を下行し、また「シ」を弾いたあと【♭9th】である「ファ」を弾きます。

最後の「#レ」は次の小節の「ミ」へのクロマチックアプローチです。

 

もしくは解決先の「ミ」を半音上下ではさんだ「ディレイドリゾルブ」という解釈もできます。

 

「ディレイドリゾルブ」の記事はこちら↓

 

コードにテンションを入れたい場合、【♭9th】【♭13th】などのオルタードテンションを入れるといいでしょう。

 

では3小節めです。

 

このフレーズは【6th】も【7th】も入っていないので、スケールの特定はできません。

ここでは「エオリアン」で見てみます。

 

 

これもスケールにたいしてそれぞれどのような音になっているのか分析してみましょう。

 

まず前の小節最後の「#レ」から半音上がって【5th】の「ミ」から入ります。

そして【9th】の「シ」から【4th】の「レ」、また「シ」と弾き、最後の【3rd】の「ド」で終わります。

こう説明すると難しそうですが、「ミ-シ」と「レ-シ」を取りだして考えれば音型も同じなので簡単です。

 

他のキーで見てみよう

では他のキーでもすぐ弾けるようにするため、いくつかのキーで見てみましょう。

 

これは「Key=Bm」の【Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ】です。

1小節めは【3rd】の「ミ」に半音下からアプローチします。

そして「C#ロクリアンスケール」を【Root】まで上行します。

2小節めは【7th】の「ミ」から入り、半音3つを連続で下がって【5th】の「#ド」まで下がったらそのまま【5-4-3】と下行し、また【5th】の「ド」を弾きます。

3小節め最初の音の「#ファ」に向かって半音上下からアプローチします。

「#ファ-ド」「ミ-ド」と同じ音型で弾いたあと【3rd】の「レ」で終わります。

 

ではもう一つ見てみましょう。

 

これは「Key=Dm」のフレーズです。

1小節めは【3rd】の「ソ」に半音下からアプローチします。

そして「Eロクリアンスケール」を【Root】まで上行します。

2小節めは【7th】の「ソ」から入り、半音3つを連続で下がって【5th】の「ミ」まで下がったらそのまま【5-4-3】と下行し、また【5th】の「ミ」を弾きます。

3小節め最初の音の「ラ」に向かって半音上下からアプローチします。

「ラ-ミ」「ソ-ミ」と同じ音型で弾いたあと【3rd】の「ファ」で終わります。

 

覚えるための練習法

全てのキーで覚えるのはなかなか大変なので【Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ】を連続させ練習してみましょう。

 

f:id:wachapi-music:20210710212831p:plain

 

【D-G-C-F・・・】と時計回りに「5度下」に進んでいくのですが、これを【Dm7(♭5)-G7-Cm】という【Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ】と考え、その【Ⅰ】である「Cm」の【5th】を半音下げて「Cm7(♭5)」にして、それを新たな【Ⅱ】と考え、【Cm7(♭5)-F7-B♭m】という新たな【Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ】を作り、つなげていきます。

 

サークルオブ5thを【Dm7(♭5)-G7】から始まり1周するパターンと【Gm7(♭5)-C7】から始まり1周するパターンの2種類で12個全ての【Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ】が出てきます。

3小節だと中途半端なので、最後のトニックを2小節にしました。

調号で書くと4小節おきにキーが変わって読みにくいので、臨時記号で書いてあります。

 

※カラオケ音源とMIDIデータを貼っておきますので、ご自由にダウンロードしてお使いください。

 

それではつなげて弾いてみましょう。

 

EX.1

まずは「Dm7(♭5)」から始まるパターンです。

 

 

カラオケ音源↓

 

MIDIデータ↓

 

EX.2

次は「Gm7(♭5)」から始まるパターンです。

 

 

カラオケ音源↓

 

MIDIデータ↓

 

バリエーション

慣れてきたらこのようにリズムを変えてみても面白いと思います。

 

使っている音はほぼ同じですが、リズムを変えてあります。

2小節めの1拍めはクロマチックアプローチをやめて、シンプルなフレーズにしました。

 

2小節めのクロマチックアプローチを増やしてみました。

16分音符や3連符が混在しています。

 

1小節めは音を少し変え、2小節めは3連符のクロマチックアプローチを多めにしました。

3小節めもクロマチックアプローチを使いました。

 

さいごに

というわけで今回もマイナーキーの【Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ】フレーズを紹介してみました。

クロマチックアプローチやディレイドリゾルブを使ったフレーズでした。

今回のフレーズは和音がないのでどんな楽器にも合うと思います。

ぜひ一度試しに弾いてみてください。

 

今回の解説動画はこちら↓