「ひとつだけ覚えるアドリブフレーズ」Ⅱ-ⅤのPart14です。
今回はKeith Jarrettのフレーズを紹介しましょう。
はじめに
このようなフレーズです。
これは4小節のフレーズになっていますが、今回は【 Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ 】を覚えたいということで4小節めはカットしてこのようにしましょう。
そして「Key=C」に移調して見てみましょう。
コードは「Dm7-G7- C△7」ということになります。
フレーズの分析
ではフレーズを細かく見ていきましょう。
まずは1小節めです。
この「Dm7」は「Key=C」の【 Ⅱ 】ですから「Dドリアン」を使います。
それぞれの音がコードにたいしてどのような音になっているのか見てみます。
まず【Root】の「レ」から入ってドリアンスケールを【1-2-3】と上行したあと、また【Root】を弾きます。
では2小節めです。
このフレーズはオルタードスケールでできています。
では1音ずつ分析してみましょう。
いきなり【#11th】の「♭レ」から入り、オルタードスケールを【#11th-♭13th-7th】と上行し、また【#11th】を弾きます。
しかしこれではややこしいので、もうちょっと簡単に考えましょう。
まず「G7」の裏コードである「D♭7」を考えます。
そして「D♭7」の【Root】から【1-2-3-1】と弾くだけです。
一見1小節めからそのままフレーズごと平行に半音下がっているようですが、3つめの音はそのままなので注意してください。
では3小節めです。
これもとてもシンプルなフレーズです。
これはアイオニアン、ようするにメジャースケールです。
では1音ずつ分析してみます。
【5th】の「ソ」から入り【5-6-7-9】と上行します。
次は【△7th】の「シ」から【7-1-5-3】と弾きます。
3拍めから4拍めの【7-1-5-3】は「C△7」の構成音を並び変えただけです。
他のキーで見てみよう
では他のキーでもすぐ弾けるようにするため、いくつかのキーで見てみましょう。
これは「Key=G」の【 Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ 】です。
まず1小節めは【Root】の「ラ」から入って「Aドリアンスケール」を【1-2-3】と上行したあと、また【Root】を弾きます。
2小節めは「D7」の裏コードである「A♭」の【Root】から【1-2-3-1】と弾きます。
3小節めは「G△7」の【5th】の「レ」から入り【5-6-7-9】と上行したあと、【△7th】の「#ファ」から【7-1-5-3】と弾きます。
ではもう一つ見てみましょう。
これは「Key=B♭」のフレーズです。
まず1小節めは【Root】の「ド」から入って「Cドリアンスケール」を【1-2-3】と上行したあと、また【Root】を弾きます。
2小節めは「F7」の裏コードである「B7」の【Root】から【1-2-3-1】と弾きます。
3小節めは「B♭△7」の【5th】の「ファ」から入り【5-6-7-9】と上行したあと、【△7th】の「ラ」から【7-1-5-3】と弾きます。
覚えるための練習法
全てのキーで覚えるのはなかなか大変なので【 Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ 】を連続させ練習してみましょう。
【D-G-C-F・・・】と時計回りに「5度下」に進んでいくのですが、これを【Dm7-G7-C△7】にして、そこから解決した【 Ⅰ 】である「C△7」からルートは同じマイナーコードである「Cm7」を弾き、それを新たな【 Ⅱ 】と考え【Cm7-F7-B♭△7】という 【 Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ 】を作りつなげていきます。
サークルオブ5thを【Dm7-G7】から始まり1周するパターンと、【Gm7- C7】から始まり1周するパターンの2種類で、12個全ての【 Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ 】が出てきます。
4小節めは音が延びているだけなので次の準備をしやすいと思います。
それではつなげて弾いてみましょう。
※カラオケ音源とMIDIデータを貼っておきますので、ご自由にダウンロードしてお使いください。
EX.1
まずは「Dm7」から始まるパターンです。
カラオケ音源↓
MIDIデータ↓
EX.2
次は「Gm7」から始まるパターンです。
カラオケ音源↓
MIDIデータ↓
バリエーション
慣れてきたら音やリズムを変えてみましょう。
1〜2小節めは少し音を増やしリズムも変えましたが、フレーズの作り方は同じです。
3小節めは2小節めからさらに半音下がるようなイメージで作りました。
ボサノバ系のリズムにしてみました。
これも少し音を増やしてありますが、1〜2小節めのフレーズの作り方は同じです。
3小節めは元のフレーズと音の並びは全く違いますが、使っている音はほぼ同じです。
さいごに
というわけで今回はKeith Jarrettが弾いた Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ フレーズを紹介しました。
オルタードテンションを使いながらも【 Ⅱ 】と【 Ⅴ 】が同じ音型というのがおしゃれだと思います。
とても見つけやすく使いやすいフレーズなのでぜひ試してみてください。
今回の解説動画はこちら↓
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