「ひとつだけ覚えるアドリブフレーズ」Ⅱ-ⅤのPart13です。
今回はTommy Flanaganのフレーズを紹介しましょう。
はじめに
このようなフレーズです。
そして今回も理解しやすいように「Key=C」で説明していきましょう。
コードは【Dm7-G7-C△7】ということになります。
フレーズの分析
ではフレーズを細かく見ていきましょう。
まずは1小節めです。
この「Dm7」は「Key=C」の【Ⅱ】ですから「Dドリアン」を使います。
それぞれの音がコードにたいしてどのような音になっているのか見てみます。
まず【3rd】の「ファ」から入って【Root】の「レ」を弾き、「ドリアンスケール」を「1-2-3-4」と上行するだけです。
2拍めウラから入るところがいいですね。
では2小節めです。
このフレーズは「オルタードスケール」または「コンディミ」ということになります。
【13th】が入っていないので、どちらか特定はできません。
では1音ずつ分析してみましょう。
いきなり【♭9th】の「♭ラ」から入りますが、1小節めが「ソ」で終わっているので、そこから半音上がっただけです。
そして「オルタード」または「コンディミ」をスケール通りに【#9th-3rd-#11th】と上行します。
そして次はまたスケールを順番に【#9th-♭9th-Root-7th】と下行します。
では3小節めです。
これもとてもシンプルなフレーズです。
これは「アイオニアン」、ようするにメジャースケールです。
では1音ずつ分析してみます。
【3rd】の「ミ」から入り、【5th-2nd-Root】である「ソ-レ-ド」と下行します。
次は【△7th】を弾いたあと、トライアドの「ド-ミ-ソ」と弾くだけです。
他のキーで見てみよう
では他のキーでもすぐ弾けるようにするため、いくつかのキーで見てみましょう。
これは「Key=A」の【Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ】です。
まず1小節めは【3rd】の「レ」から入って【Root】の「シ」を弾いたあと、「ドリアンスケール」を「1-2-3-4」と上行するだけです。
2小節めは【♭9th】の「ファ」から入り、「オルタード」または「コンディミ」を【#9th-3rd-#11th】である「ソ-#ソ-#ラ」とスケールにそって上行します。
そして次は、またスケールを順番に【#9th-♭9th-Root-7th】である「ソ-ファ-ミ-レ」と下行します。
3小節めは【3rd】の「#ド」から入り、【5th-2nd-Root】である「ミ-シ-ラ」と下行します。
次は【△7th】の「#ソ」を弾いたあと、トライアドの「ラ-#ド-ミ」と弾いて終わりです。
ではもう一つ見てみましょう。
これは「Key=F」のフレーズです。
まず1小節めは【3rd】の「♭シ」から入って【Root】の「ソ」を弾いたあと、「ドリアンスケール」を「1-2-3-4」と上行します。
2小節めは【♭9th】の「♭レ」から入り、「オルタード」または「コンディミ」を「♭ミ-ミ-#ファ」とスケールの通りに上行します。
そして次は、またスケールの通り、順番に「♭ミ-♭レ-ド-♭シ」と下行します。
3小節めは【3rd】の「ラ」から入り、【5th-2nd-Root】である「ド-ソ-ファ」と下行します。
次は【△7th】の「ミ」を弾いたあと、トライアドの「ファ-ラ-ド」と弾いて終わりです。
覚えるための練習法
全てのキーで覚えるのはなかなか大変なので【Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ】を連続させ練習してみましょう。
【D-G-C-F・・・】と時計回りに「5度下」に進んでいくのですが、これを【Dm7-G7-C△7】にして、そこから解決した【Ⅰ】である「C△7」からルートは同じマイナーコードである「Cm7」を弾き、それを新たな【Ⅱ】と考え【Cm7-F7-B♭△7】という 【Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ】を作りつなげていきます。
サークルオブ5thを【Dm7-G7】から始まり1周するパターンと、【Gm7- C7】から始まり1周するパターンの2種類で、12個全ての【Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ】が出てきます。
3小節単位だとつながりが悪いので【Ⅰ】を2小節として4小節単位にしましょう。
4小節めにはフレーズがないので、次の準備をしやすいと思います。
※カラオケ音源とMIDIデータを貼っておきますので、ご自由にダウンロードしてお使いください。
それではつなげて弾いてみましょう。
EX.1
まずは「Dm7」から始まるパターンです。
カラオケ音源↓
MIDIデータ↓
EX.2
次は「Gm7」から始まるパターンです。
カラオケ音源↓
MIDIデータ↓
バリエーション
慣れてきたら音やリズムを変えてみましょう。
1小節めも2小節めも少し音を増やしましたが、スケールは同じです。
ボサノバ系のリズムで、16分音符主体のメロディーにしてみました。
これも音を増やしてありますが、スケールは変えていません。
さいごに
というわけで今回は、Tommy Flanaganが弾いた【Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ】フレーズを紹介しました。
オルタードテンションがセンスよく使われていて、おしゃれだと思います。
慣れないとつい1拍めから弾かなければいけないような気がしてしまいますが、今回のフレーズの1小節めのように、スペースを空けるのもまた小粋でかっこいいと思います。
今回のフレーズもぜひ試してみてください。
今回の解説動画はこちら↓
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