「天才たちのワンフレーズ」シリーズ、今回はBrian Setzerのフレーズを紹介します。
Brian Setzerはロックンロールバンド、Stray Catsのギター&ボーカルとして有名です。
1990年頃からはBrian Setzer Orchestraを率いて素晴らしいサウンドを聴かせてくれます。
このシリーズはJazz系が多かったのですが、今回は少し趣向を変えてロックンロールギターのフレーズを紹介しましょう。
今回のフレーズ
ではまず今回のフレーズを聞いてみてください。
これはStray Catsの『Fishnet Stockings』という曲でのギターソロです。
典型的なロックンロールナンバーで、「A7、D7、E7」のスリーコードで作られています。
この中の最初の2小節を紹介しましょう。
と言っても、1小節めと2小節めはまったく同じでただの繰り返しになっています。
フレーズ分析
ではフレーズを細かく見ていきましょう。
これは「Key=A」のトニックである「A7」でのフレーズです。
ロックンロールなのでブルースなどと同じように、トニックも「7th」というコードになります。
このようなフレーズです。
1、2拍めと3、4拍めはまったく同じで、とてもシンプルなフレーズです。
「A7」にたいしてこのような音になっています。
【9th】【♭3rd】【6th】そして【Root】が使われています。
【♭3rd】は「A7」にたいするブルーノートです。
このフレーズは「Aペンタトニック」に【♭3rd】を足すと考えるのが簡単だと思います。
または「Aペンタトニック」と「Amペンタトニック」を合わせたものと考えてもいいでしょう。
覚え方としては【9th】から入って【Root-6th】、次に【♭3rd】から入って、また【Root-6th】と弾き、それを繰り返すと考えればいいでしょう。
キーを変えてみる
ではキーを変えてみましょう。
コードは「C7」です。
【9th】の「レ」から入り、【Root-6th】である「ド-ラ」と弾きます。
そして【♭3rd】の「♭ミ」から入り、また同じように【Root-6th】である「ド-ラ」と弾きます。
それを繰り返すだけです。
コードは「F7」です。
【9th】の「ソ」から入り、【Root-6th】である「ファ-レ」と弾きます。
そして【♭3rd】の「♭ラ」から入り、また同じように【Root-6th】である「ファ-レ」と弾きます。
それを繰り返します。
まとめ
今回もシンプルなフレーズなので、まとめというほどのものはないのですが、簡単に言ってしまうと「トニックの7thコード」に「ペンタトニック+♭3」で反復フレーズを作るということになります。
単純ではあるのですが【9th】から入ったり、【6th】で終わったりするところはなかなかかっこいいですね。
応用例
では応用例を見てみましょう。
これは「C7」と「F7」に使ったサンプルです。
三連符ではなくハネる8分音符にしてみました。
使っている音は同じですが順番を変えてみました。
三連符の「2つどり」のような感じなので、リズム的にも面白いと思います。
さいごに
というわけで今回はBrian Setzerのワンフレーズを紹介しました。
ブルースやロックンロールでは「マイナーペンタトニック」一辺倒になってしまう人も多いと思います。
それは別にいけないわけではないですし、演奏も楽でいいのですが、たまには「メジャーペンタトニック」も混ぜて使ってみるのも変化がついておもしろいと思います。
今回紹介したのはギターのフレーズでしたが、他の楽器でもじゅうぶん使えるのでぜひ試してみてください。
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