「ひとつだけ覚えるアドリブフレーズ」今回は「ブルースフレーズ」の【Part7】です。
はじめに
今回はこのようなフレーズです。
これもブルースなどではよく聴かれるフレーズです。
左手は【Root】を4分音符で4つ弾きます。
それに合わせて【Root】の上で【5th-6th-7th-6th】という音を重ねます。
これもまた、よく聴かれる定番のパターンです。
コードは「C7」です。
「C7」といえばふつうは「Key=F」の「Ⅴ」である「ドミナント7thコード」です。
しかしブルースは少し特殊な音楽で、「トニック」も「サブドミナント」も「7thコード」にすることがほとんどです。
今回はブルースについての細かい説明は省きますが、この「C7」は「Key=C」の「トニック」、または「Key=G」の「サブドミナント」、または「Key=F」の「ドミナント」に使えます。
ということは、今回のこのフレーズも同じように「Key=C」のブルースの「トニック」、または「Key=G」のブルースの「サブドミナント」、または「Key=F」のブルースの「ドミナント」のときの「C7」に使えるということです。
フレーズの分析
ではフレーズを細かく見ていきましょう。
まずは1小節めです。
1拍めから3拍めまでは3連符でできたフレーズです。
一見難しそうですが、これを見てください。
分解してみると、「ド」とオクターブ上の「ド」の間に「♭ミ」から「ソ」まで半音ずつ上がり、最後に「ファ」に下行するラインがあることがわかると思います。
まず【Root】から入り【♭3rd】である「♭ミ」を弾き、また【Root】を弾きます。
この【♭3rd】はブルーノートなので、とてもブルージーなサウンドがします。
そして次は下に「ミ」、上に「ド」の2音を同時に弾きます。
これは【3rd-Root】という和音です。
その和音の【Root】はそのままに、【3rd】が【4th-♭5th-5th】と変わっていきます。
そしてその間に【Root】をはさんでいきます。
【5th】から【4th】に進行するときは【Root】をはさみません。
リズムとしては下の「ド」が2拍3連で、和音がその2拍3連のウラに入ります。
と言うと難しそうですが、この譜面のように3連符を2つどりして、上の音と下の音を別々に考えるとリズムは理解しやすいと思います。
では2小節めです。
これはとても簡単です。
【♭3rd】を装飾音にして【3rd】を弾きます。
そしてその【3rd】を延ばしたまま、上に【Root】を重ねます。
他のキーで見てみよう
では他のキーでも見てみましょう。
これを見てください。
これは「F7」のフレーズです。
【Root】の「ファ」から入り、【♭3rd】である「♭ラ」を弾き、また【Root】を弾きます。
そのあとはオクターブの【Root】の内声に【ラ-♭シ-シ-ド-♭シ】というラインを作ります。
2小節めはブルーノートの装飾音の「#ソ」を引っかけて「ラ」を弾き、延ばしたまま「ファ」を弾いて終わりです。
※ 2小節めの装飾音の「#ソ」はブルーノートということで「♭ラ」と解釈したほうがいいのですが、譜面を見やすくするためあえて「#ソ」にしてあります。
これは「G7」のフレーズです。
【Root】の「ソ」から入り、【♭3rd】である「♭シ」を弾き、また【Root】を弾きます。
そのあとはオクターブの【Root】の内声に【シ-ド-#ド-レ-ド】というラインを作ります。
そして装飾音の「#ラ」を引っかけて「シ」を弾き、延ばしたまま「ソ」を弾きます。
※ 2小節めの装飾音の「#ラ」はブルーノートということで「♭シ」と解釈したほうがいいのですが、譜面を見やすくするためあえて「#ラ」にしてあります。
覚えるための練習法
ひとつずつ順番に覚えるのもいいのですが、せっかくなのでこんな練習法をやってみてください。
これを時計回りに全部「7thコード」のまま進んでいきます。
これで12個全ての「7thコード」で今回のフレーズがマスターできるはずです。
キーが2小節ごとに変わることになりますが、あえて調号ではなく臨時記号で書いてあります。
今回は左手を【Root-5th】【Root-6th】【Root-7th】【Root-6th】と4分音符で弾いています。
難しければ【Root-5th】だけでもかまいませんし、オクターブで【Root】だけ弾いてもかまいません。
※ 「カラオケ音源」と「MIDIデータ」を貼っておきますのでご自由にダウンロードしてお使いください。
カラオケ音源↓
MIDIデータ↓
バリエーション
今回のフレーズを少し変えるだけでいろんなバリエーションが得られます。
使っている音は今回紹介したフレーズと全く同じですが、リズムを変えてみました。
2小節めは3連符をやめて全部和音にしてあります。
トップノートはずっと「ド」のままです。
3小節めは3連符にしてみました。
いきなり和音から入っています。
休符を入れてリズミックな感じにしてみました。
リズムは同じなのですが、これは内声を下行させてあります。
上行でも下行でもブルージーな感じは変わりません。
このように、音やリズムを少しだけ変えるだけでもかなりいろんなバリエーションを得られるので、ぜひいろいろ試してみてください。
さいごに
というわけで、今回はブルースなどでよく使われるフレーズを紹介してみました。
今回もピアノのフレーズでしたが、2音使っているところを単音に変えればいろんな楽器で使えます。
これもまた定番フレーズなので、ぜひマスターして使ってみてください。
ブルースに限らずポップスやロックなどにも使えると思います。
今回の解説動画はこちら↓