「ひとつだけ覚えるアドリブフレーズ」今回は「ブルースフレーズ」の【Part8】です。
はじめに
今回はこのようなフレーズです。
これもブルースなどではよく聴かれるフレーズです。
左手は4分音符で「1-3-5-6-♭7-6-5-3」と単音で弾きます。
これも、ブルースのベースなどでもよく聴かれる定番のパターンです。
コードは「C7」です。
「C7」といえばふつうは「Key=F」の「Ⅴ」である「ドミナント7thコード」です。
しかしブルースは少し特殊な音楽で、「トニック」も「サブドミナント」も「7thコード」にすることがほとんどです。
今回はブルースについての細かい説明は省きますが、この「C7」は「Key=C」の「トニック」、または「Key=G」の「サブドミナント」、または「Key=F」の「ドミナント」に使えます。
ということは、今回のこのフレーズも同じように「Key=C」のブルースの「トニック」、または「Key=G」のブルースの「サブドミナント」、または「Key=F」のブルースの「ドミナント」のときの「C7」に使えるということです。
今回のフレーズを典型的なブルースのフォームで使ってみましょう。
このように、ただ移調しながら繰り返すだけでもけっこう形にはなると思います。
フレーズの分析
ではフレーズを細かく見ていきましょう。
まずは1小節めです。
ほとんど2音でハモっているフレーズです。
難しそうに見えますが分解してみると、2音で弾く音は【♭3rd-♭5th】と【3rd-5th】の2つだけです。
しかも必ず【♭3rd-♭5th】はそのまま平行で半音上がって【3rd-5th】に進行するだけなので、とても簡単だと思います。
【3rd-5th】のあとに必ず【Root】が入りますが、単音なのでそんなに難しくないはずです。
では2小節めを見てみましょう。
これも全て2音でハモったフレーズです。
臨時記号などがあって難しそうですが、最初の【3rd-5th】が【2nd-4th】まで平行に半音で2つ下がって【Root-3rd】で終わります。
他のキーで見てみよう
では他のキーでも見てみましょう。
これを見てください。
これは「D7」のフレーズです。
【♭5th-♭3rd】である「#ソ-#ミ」がそのまま平行で半音上がって、【5th-3rd】である「ラ-#ファ」に進行します。
そしていったん「レ」を弾いたあと、また同じことを少しリズムを変えてくりかえします。
2小節めは【5th-3rd】である「ラ-#ファ」を平行に半音で「ソ-ミ」まで下行させたら、最後に【3rd-Root】である「#ファ-レ」で終わります。
これは「B♭7」のフレーズです。
「ミ-#ド」がそのまま平行で半音上がって「ファ-レ」に進行します。
そしていったん「♭シ」を弾き、また同じことをくりかえします。
2小節めは「ファ-レ」を平行に半音で「♭ミ-ド」まで下行させ、最後に「レ-♭シ」で終わります。
覚えるための練習法
ひとつずつ順番に覚えるのもいいのですが、せっかくなのでこんな練習法をやってみてください。
これを時計回りに全部「7thコード」のまま進んでいきます。
これで12個全ての「7thコード」で今回のフレーズがマスターできるはずです。
キーが2小節ごとに変わることになりますが、あえて調号ではなく臨時記号で書いてあります。
今回は左手を単音で「1-3-5-6-♭7-6-5-3」と4分音符で弾いています。
難しければ4分音符で【Root-5th】の和音だけ弾いてもかまいませんし、オクターブで【Root】だけ弾いてもかまいません。
※ 「カラオケ音源」と「MIDIデータ」を貼っておきますのでご自由にダウンロードしてお使いください。
カラオケ音源↓
MIDIデータ↓
バリエーション
今回のフレーズを少し変えるだけでいろんなバリエーションが得られます。
使っている音は今回紹介したフレーズと全く同じですが、リズムを少し変えて、半音の動きを1つ増やしてみました。
2小節めはまったく同じです。
これは、先ほどの半音の動きを1つ増やしたものを少しリズムを変えて、2小節めは上行で終わっています。
これはシャッフルではなく、ふつうの8ビートにしてみました。
使っている音は全く同じですが、2小節め最初の音をシンコペーションさせています。
このように、音やリズムを少しだけ変えるだけでもかなりいろんなバリエーションを得られるので、ぜひいろいろ試してみてください。
さいごに
というわけで、今回もブルースなどでわりとよく使われるフレーズを紹介してみました。
今回もピアノのフレーズでしたが、2音使っているところを単音に変えればいろんな楽器で使えます。
これもまた定番フレーズなので、ぜひマスターして使ってみてください。
ブルースに限らず、ポップスやロックなどにも使えると思います。
今回の解説動画はこちら↓