わちゃぴの音楽教室

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【ちょっとマニアックなリハーモナイズ#1】12音すべての音にファンクションをつける

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今回は「12音すべての音にファンクションをつけ、それを利用してリハーモナイズする」という少しマニアックな方法を紹介します。

ファンクションいうのは、トニック(T)、サブドミナント(S)、ドミナント(D)という機能のことです。

 

 

ファンクション別に音を分ける

まずこれを見てください。

 

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これは「Key=C」において「ド」から半音で順番に「シ」まで並べたものです。

これまではコードで「C△7」がトニック、「F△7」がサブドミナント、「G7」がドミナントと説明してきました。

今回はこれを単音にもあてはめてみます。

そうすると当然「ド」はトニック、「ファ」はサブドミナント、「ソ」はドミナントになります。

 

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次は先ほどの「ド」「ファ」「ソ」の減5度上の音、ようするに裏コードのルートの音に同じファンクションをつけます。

 

裏コードというのは「ドミナント7thコード」に使うものです。

 

ドミナント7thコード」にたいする裏コードについては下記を参照してください。

 

しかし、今回の動画での「裏」というのはサークルオブ5thの図で対角線上にある音のことを示しています。

 

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必ずしもコードのことではないので注意してください。

「C」の対角線上には「F#」があり

「F」の対角線上には「B」

「G」の対角線上には「D♭」

があります。

対角線上にあるものは同じファンクションにします。

 

というわけで「ド」と「#ファ」がトニック、「ファ」と「シ」がサブドミナント、「ソ」と「♭レ」がドミナントということになります。

 

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次は「ド」「ファ」「ソ」をそれぞれキーのトニックとした場合、その平行調にあたるキーのトニックを同じファンクションにします。

 

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例えば「ド」は「Key=C」のトニックです。

「Key=C」にたいする平行調は「Key=Am」なので「ラ」を「ド」と同じトニックとします。

「ファ」もいったん「Key=F」のトニックと考えます。

「Key=F」にたいする平行調は「Key=Dm」なので「レ」を「ファ」と同じサブドミナントとします。

「ソ」は「Key=G」のトニックと考えます。

「Key=G」にたいする平行調は「Key=Em」なので「ミ」を「ソ」と同じドミナントとします。

 

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そしてさきほど平行調から見つけた「ラ」「レ」「ミ」の減5度上の音、ようするに裏コードのルートにまた同じファンクションをつけます。

 

「ラ」の裏は「♭ミ」

「レ」の裏は「♭ラ」

「ミ」の裏は「♭シ」

となります。

というわけで12音全てにファンクションがつきました。

これは「Key=C」での話なので、キーが変われば全部変わってきます。

 

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「Key=F」ではこうなります。

 

ではもう一度「Key=C」の譜面を見てください。

 

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ファンクションを見ると「TDSTDS・・・」と規則正しく並んでいます。

これを覚えたら見つけやすいですね。

 

ではファンクション別に並べてみましょう。

 

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3つのグループに分かれました。

これはこのような並びになります。

 

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トニックグループは「Cdim7」の構成音

ドミナントグループは「D♭dim7」の構成音

サブドミナントグループは「Ddim7」の構成音になっています。

ようするに短3度の間隔で同じファンクションになるということです。

 

コードにしてみる

これをコードにしてみましょう。

 

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これでわかるように、「C」というコードは「E♭」や「F#」や「A」というコードに置き換えても、そのファンクションは変わらないのです。

機能はそのままで、元のキーとは違うカラーを持ち込むのにはとても面白い考え方だと思います。

たとえばそれがマイナーコードであっても変わりません。

 

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短3度の間隔で並んでいるコードは、同じファンクションです。

 

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「7thコード」でも同じことです。

 

具体的なコード進行に使ってみる 1

ではこの「7thコード」を使ってもう少し具体的にやってみましょう。

 

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これは一般的な「C」のブルースのコード進行です。

ブルースはトニックもサブドミナントドミナントも、「ドミナント7thコード」にすることがほとんどです。

このTSDのファンクションを守ったまま先ほどの考え方により、コードを置き換えてみましょう。

 

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元はトニックの「C7」が4小節続くところを「C7」と「E♭7」を2小節ずつにしました。

5小節めの「F7」を「B7」に、8小節めの「C7」を「A7」に、9小節めの「G7」を「B♭7」、10小節めの「F7」を「A♭7」にしました。

コードは大きく変わっていますが、ファンクションは変わっていません。

 

もちろんフレーズはコードに合わせて変えるべきです。

このテクニックは、メロディーと関係なくコードに関してだけのものです。

メロディーはそのままでコードを変えてしまうと当然ぶつかる場合もでてきます。

 

具体的なコード進行に使ってみる 2

では次はブルースではなく、もっと一般的なコード進行でやってみましょう。

 

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これはいわゆる【Ⅰ-Ⅵ-Ⅱ-Ⅴ】というコード進行です。

これをファンクションが同じコードに置き換えてみましょう。

 

※ m7コードは2つのファンクションを持ちますが、今回はあえて機能の強いほうだけを表記してあります。

 

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1小節めはそのままですが、2小節めの「Am7」を同じファンクションである「F#m7」と「E♭m7」を使い2拍ずつにしてみました。

3小節めも1、2拍めは元の「Dm7」なのですが、3、4拍めは同じファンクションの「Bm7」に置き換えました。

「G7」も2拍ずつ「B♭7」と「E7」で置き換えてあります。

先ほどのブルース例と同じく、メロディーはそれに合わせて変えてあります。

 

さいごに

これをどう感じるかは人それぞれです。

全くブルースには聞こえないと言う人もいるでしょうし、新しいブルースだと感じる人もいるでしょう。

いろいろな感じ方があって当然だと思います。

これはかなりマニアックな考え方であり、ふつうのポップスやロックなどにはまず出てきませんし、ジャズでもなかなか出てくるものではありません。

使う使わないは別として、このような考え方があるということだけでも覚えておくといつか役に立つかもしれません。

 

今回の解説動画はこちら↓