「天才たちのワンフレーズ」シリーズ、今回はKenny Kirklandのフレーズを紹介します。
今回のフレーズ
ではまず今回のフレーズを聞いてみてください。
これは『Solar』という曲でのアドリブフレーズです。
アウトしてるような、してないような絶妙な感じがとてもかっこいいと思います。
さて今回はこの中の3〜4小節め「Cm6」でのフレーズを分析していきたいと思います。
フレーズ分析
ではフレーズを細かく見ていきましょう。
この曲は「Key=Cm」なので、この「Cm6」はトニックです。
左手に一瞬【6th】の音が入っていたので「Cm6」と書きましたが、このフレーズは「Cm」でも「Cm7」でも使えます。
わかりやすく「Key=Am」に移調してみました。
そしてそれぞれの音が「Am6」にたいしてどのような音になっているのか見てみましょう。
いきなり【6th】の音から入って半音で【m3rd】の音まで下行します。
そして【5th】から【△7th】【9th】と弾きます。
この「5-△7-9」は「Am」にたいするドミナントである「E」のトライアドです。
そして「1-5-4」と下行します。
【4th】の「レ」から半音で【m3rd】の「ド」まで下行したあと【5th】を弾いて終わります。
このように、このフレーズはクロマチックな動きがとても多くなっています。
とくに1拍めから4拍めまでは半音下行だけでできているので、わりと弾きやすいと思います。
マイナーコードでは最もぶつかるであろう【M3rd】の「#ド」が使われていますが、音価も短く、クロマチックアプローチなので気にする必要はありません。
まとめ
今回のフレーズもまとめるというほどではないのですが、もう一度作り方を説明しましょう。
今回のフレーズはトニックマイナーで使うフレーズです。
コードが「Gm」なら【6th】である「ミ」から【m3rd】の「♭シ」まで半音下行。
ドミナントの「D」のトライアドの分散を弾いたあと、「Gm」の「1-5」と弾き、【4th】から【m3rd】まで半音下行。
最後に【5th】で終わります。
応用例
では応用例を見てみましょう。
「Key=Am」の【 Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ 】です。
トニックの「Am」に今回のフレーズのように【6th】から【m3rd】、そして【4th】から【m3rd】へのクロマチックフレーズを使ってみました。
これは「Em」のワンコードです。
これも【6th】の音からクロマチックフレーズになっていますが、ただ半音下行するだけではなくディレイドリゾルブのような形で下行していきます。
さいごに
というわけで今回はKenny Kirklandのワンフレーズを紹介しました。
クロマチックスケールはどんなコードのときにも使えます。
うまく使うことによりアドリブにかなりの幅を持たせることができるので、ぜひ試してみてください!
【天才たちのワンフレーズ】Kenny Kirkland Vol.1はこちら↓
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