「天才たちのワンフレーズ」シリーズ、今回はOscar Petersonのフレーズを紹介します。
Oscar Petersonは他にもかっこいいフレーズはたくさんあるのですが、コード進行を限定してしまうものが多いので、今回は一つのコードに対応するフレーズを紹介します。
今回のフレーズ
ではまず今回のフレーズです。
これは『The Shadow of Your Smile』という曲でのアドリブです。
日本では『いそしぎ』と呼ばれたりします。
有名な曲なので、タイトルでピンとこない方もテーマを聴けばわかるのではないでしょうか。
Oscar Petersonはテーマをボサノバで、そしてアドリブは4ビートで演奏しています。
今回は5小節めの「Em」でのフレーズを紹介したいと思います。
フレーズ分析
このようなフレーズです。
3和音だけでできているフレーズです。
では細かく見ていきましょう。
この小節のコードは「Em」ですが、フレーズにもこのように「Em」のトライアドが一つおきに出てきます。
そしてその「Em」がひとつずつ転回しながら上がっていきます。
そして「Em」ではないところは、全て「D#m」のトライアドです。
ようするにただ「Em」に向けて、半音下から平行にアプローチしているだけです。
聴くと難しそうですが、実はすごくシンプルな作りになっていると言えるでしょう。
弾くのもかなり難しそうに見えるのですが、このように分解するとそうでもありません。
これを右手で弾きます。
そしてこれを左手で弾きます。
これならかなり楽に弾けるのではないでしょうか。
さすがに今回のフレーズほどテンポが速いとかなり難しいので、最初は遅いテンポで練習しましょう。
まとめ
その小節のコードをトライアドで弾き、それを転回させながら上行させます。
この例では「Cm」です。
そしてそのトライアドに、半音下のトライアドからそれぞれアプローチします。
この例では「Cm」の半音下である「Bm」のトライアドからアプローチするということです。
応用例
「Key=Am」のフレーズです。
このように16ビートでも使えます。
「Am」のトライアドに半音下の「G#m」からアプローチしています。
Oscar Petersonはトニックマイナーに使っていましたが、このようにメジャーコードにも使えます。
ここでは「ドミナント7th」に使ってみました。
ただし【7th】の音は使っていません。
もちろん【7th】を入れても大丈夫です。
これはコードが「Em9」です。
今までは3和音でしたが、これは4和音になっています。
ルートを省略したボイシングにして、それにそれぞれ半音下から平行にアプローチした例です。
このように、4声のコードやテンションを含むコードでも、今回のフレーズは同じように使えます。
さいごに
というわけで今回は、Oscar Petersonの『The Shadow of Your Smile』でのワンフレーズを紹介しました。
かなり応用のしやすいフレーズなので、いろんなコードで使ってみてください。
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