わちゃぴの音楽教室

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【天才たちのエンディング】Oscar Peterson Vol.1【YouTube連動】

「天才たちのエンディング」シリーズ、今回はOscar Petersonのフレーズを紹介します。

 

 

今回のフレーズ

ではまず今回のフレーズを聞いてみてください。

 

これは『Cheek To Cheek』という曲でのエンディングです。

今回はフレーズというよりもコードの流れがとても参考になると思います。

4小節めの左手は、Oscar Petersonのようにかなり手が大きくないと弾けないでしょう。

しかしこのシリーズの趣旨としてはコピーが目的ではないので、この通りでなくてもいいと思います。

 

フレーズ分析

ではフレーズを細かく見ていきましょう。

 

この曲は「Key=A♭」ですから、基本的にはこのように【Ⅱ-Ⅴ- Ⅰ 】で終わるのが普通でしょう。

しかし今回のフレーズはこのような進行になっています。

 

03の音と譜面

【Ⅴ】からすぐ【 Ⅰ 】には解決せずに【♭Ⅱ△7-♭Ⅴ7】と進行してから【 Ⅰ 】に解決します。

 

ではまず1、2小節めの【Ⅱ-Ⅴ】だけを見てみましょう。

左手は基本的なコードや「ルートと5th」などしか弾いていないため、今回は右手だけを解説します。

 

「B♭m7」の【5th】から入り、半音下がってまた戻ります。

「♮ミ」 は調性外の音ですが、これはただのクロマチックアプローチと解釈します。

次に【3rd】から入り、半音下がって戻ります。

そして2小節めの1、2拍も「B♭m7」です。

【Root】を弾いたあと【5th-7th】と弾きます。

そのあとの「ド」は「E♭9」の【13th】と解釈するほうがいいでしょう。

そして「E♭」の【Root-3rd】と弾いたあとの「♭ラ」は、次の「A△7」の【△7th】と解釈するとよいでしょう。

 

では3〜5小節めを見てみましょう。

 

この3小節は全てコードになっています。

「A△7」のトップノートの「#ソ」が元のキーのトニックである「♭ラ」と同じなので、メロディーは素直に解決していると言えるでしょう。

しかしコードが【♭Ⅱ△7】なので、少し変わったサウンドになっています。

 

この「A△7」には「Aリディアン」を使います。

トニックの代わりにいったん【♭Ⅱ△7】に解決するというのは、わりとよく使われる手法です。

しかし今回のサンプルは、そこから【♭Ⅴ7】である「D9(#11,13)」に進行します。

 

これはスケールでいうと「リディアン7thスケール」ということになります。

 

ちょっとややこしいボイシングになっていますが、右手は「C△7(#5)」を弾くと考えると簡単かもしれません。

 

積み方は少し変わりますが、ハーモニー的には「E/D7」というふうに、「アッパーストラクチャートライアド」を使ったものと考えるのもいいでしょう。

 

キーを変えてみる

では他のキーでも使えるように違うキーで見てみましょう。

 

これは「Key=C」です。

まず【Ⅱ】である「Dm7」の【5th】から半音下を弾き、また【5th】に戻ります。

それと全く同じ形で【3rd】からも下がって戻ります。

「G7」では【13th-Root-3rd】と弾き、「Key=C」のトニックである「ド」を弾いたあと、そのまま「ド」をトップノートにして【♭Ⅱ△7】である「D♭△7」を弾きます。

そして次は「G♭9(#11,13)」を弾きます。

 

これは「A♭/G♭7」を考えると楽だと思います。

そして【 Ⅰ 】に解決して終わりです。

 

まとめ

今回のフレーズのポイントは【Ⅱ-Ⅴ】ではなく、その次の小節からの【♭Ⅱ△7-♭Ⅴ7】と進行してから【 Ⅰ 】に解決するというところです。

2小節めの3拍めから【Ⅴ】になっていますが、別に2小節めのアタマから【Ⅴ】にしてもかまいません。

テンション、ボイシングもそれほど気にすることはないと思います。

 

これは「Key=E♭」です。

【 Ⅱ-Ⅴ 】のあと【♭Ⅱ△7-♭Ⅴ7- Ⅰ】と進行します。

 

【♭Ⅴ7】を今回のサンプルと同じようにするなら、このような「アッパーストラクチャートライアド」を使うのが簡単です。

「分母のコードの全音上のトライアドを積む」と考えましょう。

 

応用例

では応用例を見てみましょう。

 

「Key=C」です。

【Ⅱ-Ⅴ】は単音のフレーズにしました。

そしてそこからの【♭Ⅱ△7-♭Ⅴ7】は2拍ずつにしてみました。

 

【♭Ⅱ△7-♭Ⅴ7】のところも単音のフレーズにしてみました。

スケールは「Eリディアン」と「Aリディアン7th」です。

 

さいごに

というわけで今回は、Oscar Petersonのエンディングを紹介しました。

素直にトニックに解決するのではなく、回り道をしながら解決するというフレーズでした。

コードの動きだけならすぐに応用できると思いますので、ぜひ試してみてください。

 

今回の解説動画はこちら↓

 

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