わちゃぴの音楽教室

初心者向けの作曲方法を紹介しています♪

編曲 #31 Bill Evansに学ぶ「メロディーがルートのときのかっこいいハーモニー」YouTube連動

 

 

はじめに

メロディーがそのコードのルートの場合、かっこいいハーモナイズがなかなか作りにくいのではないでしょうか。

そのようなときは、メロディーがルートにならないようにリハーモナイズしてしまうことのほうが多いでしょう。

とくにドミナント7thコードは、ナチュラルテンション、オルタードテンションといろいろ付加できるはずなのに、メロディーがルートにいってしまうと9th系などをどう使っていいのか迷ってしまいます。

たとえばこのようなときです。

 

「G7」でメロディーが「ソ」になっています。

 

「G7」に【7th】の「ファ」を入れるとメロディーと2度になってしまい、あまり綺麗ではないので、あえてトライアドにしました。

このようにごく普通にハーモナイズしてもいいのですが、ちょっと面白みに欠けます。

Bill Evansはメロディーがルートであるにもかかわらず、とてもおしゃれでかっこいいハーモニーを聞かせてくれます。

そこで今回は、特に「ドミナント7thコードのときにメロディーがルートになっている場合」のハーモナイズを紹介しましょう。

全てBill Evansが実際に行ったハーモナイズです。

左手ではRootを弾いてないものもありますが、Bassが必ずRootを弾いていると思ってください。

譜面が煩雑になりそうなので、コードネームにはテンションは表記しません。

 

Bill Evansのハーモニー

では見ていきましょう。

 

トップノートが【Root】になっています。

左手では【Root】は弾いていません。

どのようなテンションが入っているのか分析してみます。

 

コードネームでいうと「D7(♭9,♭13)」になります。

これをドミナントモーションで解決させてみましょう。

 

「Gm7」に解決してみました。

もちろん「G△7」に解決してもかまいません。

 

これは右手が4声になっています。

左手では【Root-3rd-7th】を弾いています。

 

右手に【9th】【#11th】【13th】が入っています。

右手だけ見ると「E7」になっているのが面白いですね。

これもドミナントモーションさせてみましょう。

 

今度は「G△7」に解決させてみました。

 

これは左手で【Root】を弾いていません。

 

右手に【13th】、左手に【9th】が入っています。

 

これも「G△7」に解決させてみました。

 

次は「E7」です。

これは右手で4つの音を弾いています。

 

左手は【Root-3rd-7th】と弾いているだけです。

右手には【♭9th】【#11th】【♭13th】とオルタードテンションが3つも入っています。

 

これも「Am7」に解決させてみました。

「E7」が7声なので「Am7」も7声にしてみました。

 

 

次は「G7」です。

これも右手で4つの音を弾いています。

 

左手に【13th】が入っています。

右手には【♭9th】【#11th】【♮13th】が入っています。

 

【♮13th】が入っていると、「C」や「C△7」のようにメジャーコードに解決するほうが自然なのですが、これはあえて「Cm7」に解決させてみました。

 

 

これはまた6声のハーモニーです。

 

左手は【Root-3rd-7th】と弾いています。

右手には【♭9th】【#11th】が入っています。

 

これは「Cm6」に解決させてみました。

 

次は「A7」です。

これはまた7声のハーモニーです。

右手が9度も開いています。

 

左手にも右手にも【♭13th】が入っています。

右手の下の3つの音と左手は全く同じ音です。

 

これは「Dm7」に解決させてみました。

 

これはまた8声のハーモニーです。

 

左手に【#9th】と【♭13th】、右手には【♭13th】だけが入っています。

 

これは「D△7」に解決させてみました。

「A7」と同じように「D△7」も8声にしました。

 

まとめ

比べやすくするため全部「G7」にしました。

トップノートは全て「ソ」です。

左手も右手も、3声になったり4声になったりします。

そして右手と左手が同じ音を弾くことも多いです。

普通のバッキングでは、左手で弾いている音を右手から省いたほうがスッキリします。

しかし今回の例でのBill Evansのハーモニーは、スッキリさせることより重厚感や豊かなハーモニーを選択したということでしょう。

 

さいごに

というわけで今回はBill Evansのハーモニーをいくつか紹介しました。

ドミナントコードでメロディーが【Root】になる場合は、裏コードにするなどのリハーモナイズをしてしまいそうですが、今回の例のようにそのままのコードでもかなりかっこいいハーモニーが作れます。

選択肢の一つとして持っておくと何かと役に立つと思います。

 

今回の解説動画はこちら↓

 

 

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