複雑で難しそうなアドリブも、分析してみるといくつかの単純なパーツによってできていることがわかると思います。
今回は、アドリブに即戦力となる代表的な一つのパーツを12個のコードで弾いて覚えてしまおうと思います。
パーツ自体はとても簡単です。
それぞれのコードにたいして【Root-2-3-5】と弾いているだけです。
【2】はもちろん【9th】という解釈もできます。
そして「C」と「Cm7」では当然【3rd】は変わってきます。
このフレーズでは【7th】の音が入っていないので「C」も「C△7」も「C7」も同じになります。
他のコードでも見てみましょう。
とてもシンプルで弾きやすいと思います。
これは速いテンポでめまぐるしくコードが変わるときなどにとても有効です。
一つ一つモードを考えたりしなくても、とりあえずこれで乗り切れます。
ただし一つだけ注意しなければいけないのは、このフレーズには【2nd】の音、ようするに【9th】が入っていることです。
なので【9th】が使えないコードでは避けるべきです。
たとえば「Ⅲ」のマイナーなどは【9th】を入れてはいけません。
「Ⅲ」で使うべきモードの「フリジアン」には【9th】がないからです。
ではさっそく使ってみましょう。
今回は【Ⅱ-Ⅴ】や「サークルオブ5th」ではなく、実際にある曲のコード進行でやってみたいと思います。
これはコルトレーンの「Giant Steps」という有名な曲です。
コピーではないのでピアノ、ベース、ドラムはオリジナルとはちょっと違いますが、メロディーはそのまま弾いています。
検索などしてぜひ実際の演奏を聴いてみてください。
テンポが速く、そして難しいコード進行なので、アドリブは非常に難しいとされています。
しかし練習には最適な曲だと思います。
最初はテンポを落として練習してください。
この16小節を延々と繰り返しアドリブをやるのですが、終わるときはこのようになっています。
4段めの2小節め4拍めウラの「♭シ」とコードの「E♭」を延ばして最後の【C#m7-F#7】は弾かずに終わります。
EX.1
それではさっそくオリジナルキーでやってみましょう。
カラオケ音源↓
MIDIデータ↓
コードが2拍ずつ変わるところと1小節同じコードの部分があるので、そこはフレーズのリズムが少し違います。
オリジナル音源を聴けばわかると思いますが、コルトレーンもこの【1-2-3-5】というフレーズをかなり多用しています。
このフレーズが即座に弾けるとけっこう役立ちます。
そしてこの曲を4つのキーでやれば12個全ての「メジャートライアド」「セブンス」「マイナーセブンス」が出てきます。
4つのキーの「譜面」、「カラオケ音源」と「MIDIデータ」を貼っておきますのでご自由にダウンロードしてお使いください。
オリジナルと比べてかなりテンポを落としたカラオケにしてあるので、ぜひ挑戦してみてください!
EX.2
カラオケ音源↓
MIDIデータ↓
EX.3
カラオケ音源↓
MIDIデータ↓
EX.4
カラオケ音源↓
MIDIデータ↓
今回の解説動画はこちら↓