「ハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウスケール」について簡単に説明しましょう。
「HmP5↓」「HMP5↓」「hmp5↓」などと表記されることもあります。
はじめに
「パーフェクト5thビロウ」というのは「完全5度下」という意味なのですが、これは「ハーモニックマイナーの完全5度下のスケール」ということではなく、「完全5度下のハーモニックマイナーと音が同じスケール」ということです。
「Aハーモニックマイナースケール」と「Eハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウスケール」の構成音は全く同じです。
「Eハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウスケール」を見つけるには・・・
「E」の完全5度下の音は「A」である。
その「A」をルートとする「ハーモニックマイナースケール」を見つける。
そしてその「ハーモニックマイナースケール」の5番めの音から並び替える。
と理解すればよいでしょう。
これがハーモニックマイナー上のダイアトニックコードです。
5番めから並び替えるということは、コードも「Ⅴ」のコードが対応します。
「Eハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウスケール」は「E7」のときに使うスケールというわけです。
スケールの分析
では、スケールの構成音がコードにたいしてどのような音になっているか見てみましょう。
特徴的な音は【♭9th】と【♭13th】という2つのオルタードテンションです。
テンションが入っていないただの「E7」というコードにももちろん使えますが、このように【♭9th】や【♭13th】を含むコードのほうが、いかにもそれっぽいサウンドを出せます。
ほかのドミナント7thコードに使える、いくつかのスケールと比べてみましょう。
「ミクソリディアン」との違いは、【9th】と【13th】が「♮」か「♭」ということだけです。
「オルタード」にも【♭9th】と【♭13th】はありますが、さらに【#9th】と【#11th】が含まれます。
「ハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウスケール」に含まれる【4th】がオルタードスケールには含まれません。
実際の使用例
では、実際の使用例を見てみましょう。
フレーズとしてはこのようなメタル系のギターソロにも多用されます。
また、このようなJazzっぽいマイナーキーの【Ⅱ-Ⅴ】フレーズに使用されることもあります。
メジャーキーの【Ⅱ-Ⅴ】に使うこともできます。
さいごに
今回は「ハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウスケール」を紹介しました。
名前は長くてややこしいのですが、意外とよく使われるスケールなので、ぜひマスターしておきましょう。
今回の解説動画はこちら↓