「天才たちのワンフレーズ」シリーズ、今回はMichel Camiloのフレーズを紹介します。
今回のフレーズ
ではまず今回のフレーズを聞いてみてください。
これは『From Within』という曲でのアドリブフレーズです。
この曲は「Key=Dm」なのですが、この中の3小節め、セカンダリードミナントである「E7」のフレーズを分析していきたいと思います。
この曲のなかではセカンダリードミナントのときのフレーズとして使われていますが、どんなドミナント7thコードにも使えるので応用しやすいと思います。
フレーズ分析
ではフレーズを細かく見ていきましょう。
まずは理解しやすくするために臨時記号で書き直します。
とても難しそうですが、実はこのフレーズの大半は同じ法則によって作られています。
このように最初の2つの音を除くと、あとはすべて完全4度の関係にある2音をバラバラに弾いているだけです。
バラバラで弾いている音を2つずつ縦に積むとこのようになっています。
少し見にくいので1オクターブ下げてみました。
実は最後の「#ド-#ファ」は、次のコードである「A7」でのフレーズがちょっと早めに出てきているだけと考えるほうが自然です。
そこで、最後の「#ド-#ファ」を除いてトップノートだけを並べるとこのようになります。
これは4つの音でできているのがわかると思います。
並び替えるとこのように「Edim7」の構成音になっています。
今回のフレーズは最初の2音と最後の2音を除くと、「Edim7」の4つの構成音にそれぞれ完全4度下の音を組み合わせ、それを上から弾いたり下から弾いたりしているだけということです。
ちなみにスケールでいうと「コンディミ」ということになります。
※この場合も最後の2音は除いて考えます
今回のフレーズはスケールアウトのように聞こえますが、全て「コンディミ」の構成音なのでアウトしているわけではありません。
まとめ
今回のフレーズの作り方をまとめてみましょう。
「G7」で考えてみます。
1. 「G7」と同じルートのディミニッシュコードである「Gdim7」を想定する。
2.「Gdim7」を1音ずつに分解。
3.それぞれの音に完全4度下の音を組み合わせる。
4.セットになった2音を上下から弾く。
ということになります。
応用例
では応用例を見てみましょう。
「Key=Cm」のサンプルです。
「G7」で今回のフレーズを使ってみました。
全て完全4度の関係にある2音を組み合わせたものです。
「Key=Gm」のサンプルです。
ドミナントである「D7」､セカンダリードミナントの「A7」に今回のフレーズを使っています。
「D7」には3連符がありますが、2音ずつの組み合わせになっています。
さいごに
というわけで今回は、Michel Camiloのワンフレーズを紹介しました。
アウトサイドに聞こえますが、コンディミしか使っていません。
ドミナント7thコードにいつでも使えるので、ぜひお試しください。
今回の解説動画はこちら↓
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