今回は鍵盤のテクニックについて紹介していきたいと思います。
「はったり」などと少々刺激的なタイトルをつけましたが、ようするに「少ない労力でよりかっこよく聴かせよう」ということです。
言い方を変えれば「たいしたことをやっていないのにすごいことをやっているように聞こえる」といったところでしょうか。
鍵盤を弾くのがあまり得意でない人やDTMでのピアノを生っぽく聴かせたい人にも効果的です。
一聴するととても難しく聞こえたり玄人っぽく聞こえたりするのですが、弾いてみるとそうでもないといったフレーズをいくつか見ていきたいと思います。
3音パターン
それではさっそく一つめのフレーズです。
なんだか難しそうに聞こえますね。
しかし、仕組みがわかればそんなに大変ではありません。
まず音を見ると「コードの構成音だけ」を弾いているのがわかると思います。
「C」なら「ドミソ」、「Am」なら「ラドミ」しか弾いていません。
そしてそれを「両手で交互に」弾いているだけです。
旗が「下向きの音符は左手」で、「上向きの音符は右手」で弾きましょう。↓
最初から速く弾くのは大変なので、遅いテンポからだんだん速くしていくといいと思います。
3音パターンのサンプル
さてこれはこれでかっこいいのですが、これだけでは曲に応用することができないかもしれません。
そこでこのようなサンプルを作ってみました。
先ほどと同じ動きをところどころ取り入れてみました。
ピアノだけをテンポを落として聴いてみましょう。
2小節目の「E」の3拍目の裏からかけ上がり、
4小節目の「G」の2拍目の裏からかけ下りて、
また最後の「C」でかけ上がって終わっています。
これも3連符のところに限っては「下向きの旗の音符を左手」、「上向きの旗の音符を右手」で弾きましょう。
3小節目の「Am」は動いているようでうが、少しずつ転回しているだけで弾いているのは「ラドミ」だけです。
それをふまえてもう一度聴いてみましょう。
最初の例のように、全ての小節で同じようにかけ上がったりかけ下りたりし続ける必要はありません。
このようにポイントで使えば自然で、そして豪華に聞こえていいと思います。
6音パターン
では次のパターンを聴いてみてください。
かなり速く弾いていることもあって、最初のものよりさらに豪華に聞こえますね。
これも譜面を見てもらえばわかるように、難しいことはやっていません。
「左手でドミソ」、その「1オクターブ上のドミソを右手」で・・・
この「6つの音を1組」としてオクターブずつ上げていっているだけです。
最初のものより左手の移動する距離が短いので、より速く弾けると思います。
次のようにだんだん速く弾けるように練習するとよいでしょう。
最初は「6音1組」をゆっくり確実に弾き、そしてそれぞれの「6音1組」をつなげて弾く練習をするのがいいと思います。
サスティーンペダルは踏んだままにしてください。
6音パターンのサンプル
ではこれを曲に使ってみましょう。
これを聴いてみてください。
ちょっとクラシカルな感じもあります。
難しそうでかなりピアノが弾ける人という感じがしますが、これも実はたいしたことはやっていません。
ゆっくり聴いてみましょう。
これも3和音の構成音を順番に弾いているだけです。
まず1拍目でコードを弾き、そのあとでかけ上がります。
そして3拍目で弾き延ばします。
4拍目に左手でルートだけオクターブで弾きました。
ではもう一度ノーマルの速さで聴いてみましょう。
これも慣れれば難しくないので、ぜひ弾いてみてください。
メロディーに音を加える
では次はまたちょっと違ったパターンです。
まずこれを聴いてください。
なんてことはないフレーズですね。
ちょっとメロディーが味気ない感じがしますね。
これをちょっと変えていきましょう。
メロディーに音を加える(パターン1)
まずはこんな感じです。
先ほどの4分音符だけだったメロディーの「8分裏」に音を足してみました。
「Am」も「E」も構成音に「ミ」の音があるので、ずっと「ミ」の音を弾いてみました。
ベースが入っているので「左手はコードを転回してちょっと高い音域で」弾いています。
これは弾いてみるとわかりますが、かなり簡単に速く弾けると思います。
メロディーに音を加える(パターン2)
ではこれをもうちょっと豪華にしてみましょう。
今度は3連符にしてみました。
「Am」のところには「ミとド」、「E」のところには「ミとシ」を加えてあります。
これも慣れれば弾きやすく、かなりの速さで弾けるのではないでしょうか。
オルガンソロなんかにもよく使われるテクニックです。
先にやった「8分音符のパターン」とこの「3連符のパターン」をミックスしたり、16分音符にしたり・・・いろいろバリエーションを増やしやすいパターンだと思います。
装飾音を使う
では今回の最後のパターンです。
まずこれを聴いてみてください。
これもピアノでメロディーを弾いてみました。
もちろんこのままでもいいのですが、一工夫してもうちょっとピアノが弾ける風な感じにしてみましょう。
これは「装飾音」をところどころに入れるパターンです。
2小節目はメロディーの「ファ」に半音下の「ミ」からアプローチして、
3小節目の「G7」ではメロディーの「ラ」の音に全音下の「ソ」からアプローチしています。
そして最後の「C」にはメロディーの「ミ」の音に半音上の「ファ」からアプローチしてみました。
どこに装飾音をつけるかは自由なので、いろんなところに「半音上下または全音上下」からアプローチして自分が1番しっくりくるところを探していけばいいと思います。
まとめ
いかがでしたか?
少しこういうテクニックを入れるだけでうまく聞こえたり、打ち込みのピアノが生っぽく聞こえたりするので、ぜひ活用してみてください。
次回はさらに派手に聞こえるはったりテクニックを紹介しますのでお楽しみに!
(※実際の紹介例とは異なります)
今回の解説動画はこちら↓