わちゃぴの音楽教室

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作曲 #17【簡単にジャズっぽく】ディレイド・リゾルブ【使い方】

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今回は「ディレイド・リゾルブ」というものを紹介します。

 

 

ディレイド・リゾルブとは?

これは英語だと「Delayed Resolve」と書き、「遅れた解決」といった意味です。

解決といってもコード進行のことではなく、フレーズの中のある音に解決するために使います。

歌メロにはあまり向かないかもしれませんが、アドリブフレーズなどに使うとジャズっぽい感じになってかっこいいと思います。

テンションとかスケールを考えることなく面白いサウンドを出すことができるので、知っておくと便利です。

今回も「キーはC」で説明していきましょう。

 

まずはこの2つを理解しよう

「ディレイド・リゾルブ」を解説する前に理解しておきたいことが2つあります。

「クロマチックアプローチ」と「ダイアトニックアプローチ(スケールアプローチなどとも呼ばれる)」です。

 

「クロマチックアプローチ」というのは、文字通り「ある音に半音で解決する動き」のことです。

「コードがC」の上で「ミ」と「ソ」にそれぞれアプローチしてみましょう。

 

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このように半音上から、または半音下からアプローチします。

そのキーの音から外れることもありますが、「アプローチノート」ということで許されます。

 

「ダイアトニックアプローチ」は「ある音に対する上下のスケールトーンから解決する動き」です。

 

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見てもらうとわかる通り、スケールトーンが半音になることもあるのでそれは「クロマチックアプローチ」とも言えます。

 

基本のディレイド・リゾル

そして「ディレイド・リゾルブ」です。

これはある音に解決するためにその音の上下の音を両方弾いてから解決します。

  

基本的に4種類が考えられます。

1.半音上-半音下-ターゲットノートまたは半音下-半音上-ターゲットノート

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2.半音上-全音下-ターゲットノートまたは全音下-半音上-ターゲットノート

 

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3.全音上-全音下-ターゲットノートまたは全音下-全音上-ターゲットノート

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4.全音上-半音下-ターゲットノートまたは半音下-全音上-ターゲットノート

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いろんな例を出しましたが、少し不自然に聞こえてしまうものもありましたね。

「3」の例の「ミ」に解決するものや、「4」の「ミ」に解決するものは違和感がありますね。

全音上か下の音」を使うときはキーから外れない音の方が無難です。

しかし「3」の「ソ」に解決するような例では、どちらもキーの中の音なので「ディレイドリゾルブ」というより、ただスケール内の音でフレーズを作っただけのように聞こえてしまいます。

「2」の「ミ」に解決する例のように、全音と半音の組み合わせでもどちらもキーの中の音の場合、あまり「ディレイドリゾルブ」っぽい感じには聞こえませんが、違和感はないので大丈夫です。

 

まとめると・・・

全音上か下を使う場合はキーの中の音を使う

② 半音上か下を使う場合はキーの中にはない音を使う

 

この2つを守るとちょっとキーから外れたような、いかにも「ディレイドリゾルブ」といった効果を得ることができるということです。

 

先ほどの例でいうと「ミ」に解決するときによさそうなのはこれです。

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「ソ」に解決するときはこれらがよさそうです。

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そしてこれはどちらもキーの中の音なので「ディレイドリゾルブ」っぽくはないですが、使うのに問題はありません。

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フレーズに使ってみる

では実際のフレーズに使ってみましょう。

まずは元々あるフレーズを「ディレイドリゾルブ」を使って少し変化させてみましょう。

「コードがC」の上でのごく単純なフレーズです。

 

元のフレーズ

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「ディレイドリゾルブ」使用

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これは2拍目頭の「ド」の音を「♭レ」に変更して、【♭レ-シ-ド】という「ディレイドリゾルブ」にしてみました。

一瞬キーから外れたようでハっとしますが、ちゃんと解決しているように聞こえます。

少し外れたように聞かせるのが面白いところなのです。

 

次を見てみましょう。

これも「コードがC」の上での簡単なフレーズです。

 

 

 

元のフレーズ

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「ディレイドリゾルブ」使用

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まず一つ目は2拍目頭の「ソ」を「#ファ」に変えて【#ファ-ラ-ソ】という動きにしてみました。

これも「#ファ」からすぐ「ソ」にいけばただの「クロマチックアプローチ」となりごく普通のフレーズになるのですが、「ソ」を通り越して一旦「ラ」にいくのが意表をついて面白いと思います。

二つ目は「#ファ」から「♭ラ」にいって「ソ」に動いています。

「半音上下」でターゲットノートの「ソ」をはさんだ形ですが、どちらもキーの中の音ではないのでより意表をついていて面白いのではないでしょうか。

 

アドリブに使ってみる

では次はアドリブに使ってみましょう。

 

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いわゆる「1-6-2-5」と呼ばれるコード進行におけるアドリブフレーズです。

 

・1小節目の「C△9」ではいきなり「レ」と「シ」を経由して「ド」に進行しています。【全音上-半音下】からの解決ですね。

これはどちらもキーの中の音なので「ディレイドリゾルブ」っぽくは聞こえないかもしれません。

・「Am7」では「#ソ」と「シ」を経由して「ラ」に進行していますが、これは【半音下-全音上】からの解決です。

・「Dm9」でも「ミ」から「#ド」を経由して「レ」に進行しています。これは【全音上-半音下】からの解決です。

・「G9」では「♭ラ」から「#ファ」を経由して「ソ」に進行しました。これは【半音上-半音下】からの解決です。

・4小節目の4拍目から「♭ミ」と「ファ」を経由して最後の「C△7」の「ミ」の音に進行しています。これは【半音下-半音上】からの解決です。

 

この例では全て「ディレイドリゾルブ」からそのコードの「ルート音」に解決しています。

1拍目から【ルート】を弾くとコードにハマりすぎてどっぷりという感じがしてしまいますが「ディレイドリゾルブ」を使うと少し変化を与えられます。

たとえばこのような感じです。

 

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これは好みや人それぞれの感じ方にもにもよりますが「ディレイドリゾルブ」を使うほうがお洒落に聞こえる気がしませんか?

 

まとめ

というわけで今回は「ディレイドリゾルブ」を紹介しました。

歌メロには少し使いにくい感じですが、アドリブソロやインスト楽曲などに使ってみると面白いと思います。

 

今回の解説動画はこちら↓