わちゃぴの音楽教室

初心者向けの作曲方法を紹介しています♪

【Quick Lesson】ひとつだけ覚えるアドリブフレーズ【Ⅱ-Ⅴ・Part5】

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ひとつだけ覚えるアドリブフレーズ」今回は「Ⅱ-Ⅴ」の【Part5】です。

 

 

はじめに

このようなフレーズをマスターしましょう。

 

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これもJazzなどでよく聞かれるフレーズです。

今回も【Ⅱ-Ⅴ】だけではなく【Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ】のフレーズにしてみました。

メロディーとピアノを想定した3段譜になっています。

右手のコードはテンションが入っているのでルートは省略し、そのぶん左手で弾いています。

メロディーはシンコペーションして前の小節の4拍めウラから入っていますが、一緒にコードをシンコペーションする必要はありません。

もちろん一緒にシンコペーションしてもかまいません。

セッションでのアドリブソロでこのフレーズを使うときは、他の楽器がシンコペーションしていてもしていなくても全く気にする必要はありません。

 

フレーズの分析

ではフレーズを細かく見ていきましょう。

 

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まずは1小節めです。

 

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この「Dm7」は「Key=C」の【Ⅱ】ですから、使うスケールは「Dドリアン」です。

 

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それぞれコードにたいしてどのような音になっているのか見てみます。

 

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【9th】から入って、そのままコードトーンを【7-5-3】とアルペジオのように下がります。

この【3-5-7-9】は「F△7」の構成音にもなっています。

最後の「♭ミ」は一見すると「D」にたいする【♭9】のようですが、これは次の小節の「G7」のフレーズがシンコペーションしているだけなので「Dm9」では分析しません。

 

では2小節めです。

 

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このフレーズは「オルタードスケール」です。

 

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これもそれぞれどのような音になっているのか分析してみます。

 

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1小節めの4拍めウラから【♭13】で入ります。

そのまま【3-♭9-7】と下行します。

これは単に「G7(♭9,♭13)」の構成音だけをアルペジオのようにしたものです。

そしてそのまま同じ音で上がっていきます。

最後の「レ」は、これも次の小節の「C△9」で分析するべき音です。

 

では3小節めです。

 

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トニックですから当然「アイオニアン」になります。

 

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それぞれの音を見てみましょう。

 

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これも「C△9」のアルペジオになっています。

2小節めの4拍めウラから【9th】で入り【△7-5-3】と下行して、またそのまま【9th】まで上がって終わりです。

 

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トップノートがこのように【ミ-♭ミ-レ】と半音で下行しているので、横の流れがきれいだと思います。

 

他のキーで見てみよう

では他のキーでもすぐ弾けるようにするため、いくつかのキーで見てみましょう。

 

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これは「Key=B♭」の【Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ】です。

「Cm9」は【9th】の「レ」の音から入り【9-7-5-3】と下行し、また上行します。

【7th】の「♭シ」まで上行したら4拍めウラで次のコードである「F7(♭9,♭13)」の【♭13】の「♭レ」を弾きます。

そのまま「F7(♭9,♭13)」の構成音を下行、そして同じ音で上行します。

次のコードである「B♭△9」の【9th】である「ド」を4拍めウラから弾き、そのまま「B♭△9」をアルペジオで下行し、また【9th】の「ド」まで上行します。

 

ではもう一つ見てみましょう。

 

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これは「Key=G」の【Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ】です。

「Am9」は【9th】の「シ」の音から入り【9-7-5-3】と下行し、また上行します。

【7th】の「ソ」まで上行したら4拍めウラで次のコードである「D7(♭9,♭13)」の【♭13】の「♭シ」を弾きます。

そのまま「D7(♭9,♭13)」の構成音を下行、そして同じ音で上行します。

次のコードである「G△9」の【9th】である「ラ」を4拍めウラから弾き、そのまま「G△9」をアルペジオで下行し、また【9th】の「ラ」まで上行します。

 

覚えるための練習法

全てのキーで覚えるのはなかなか大変なので【Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ】を連続させ練習してみましょう。

 

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【D-G-C-F・・・】と時計回りに「5度下」に進んでいくのですが、これを【Dm9-G7(♭9,♭13)-C△9】という【Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ】と考え、その【Ⅰ】である「C△9」からルートは同じマイナーコードである「Cm9」を弾き、それを新たな【Ⅱ】と考え、【Cm9-F7(♭9,♭13)-B♭△9】という新たな【Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ】を作りつなげていきます。

3小節単位だとつながりが悪いので、【Ⅰ】を2小節として4小節単位にしましょう。

4小節めにはフレーズがないので、次の準備をしやすいと思います。

サークルオブ5thを【Dm9-G7(♭9,♭13)】から始まり1周するパターンと【Gm9- C7(♭9,♭13)】から始まり1周するパターンの2種類で12個全ての【Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ】が出てきます。

 

※カラオケ音源とMIDIデータを貼っておきますので、ご自由にダウンロードしてお使いください。

 

ではつなげてみましょう。

 

EX.1

まずは「Dm9」から始まるパターンです。

 

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カラオケ音源↓

 

MIDIデータ↓

 

EX.2

次は「Gm9」から始まるパターンです。

 

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カラオケ音源↓

 

MIDIデータ↓

 

バリエーション

慣れてきたらこのようにリズムを変えてみても面白いと思います。

 

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音の並びはほぼ同じで、リズムだけを変えてみました。

最後の「シ」の音だけ足しています。

 

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このようにハネないリズムでも使えます。

上行と下行を入れ替えてみました。

 

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リズムを変え、音の並びも少しだけ変えてあります。

2小節めは音を一つ減らし、スペースをあけてみました。

 

さいごに

というわけで今回はJazzなどでよく使われる「Ⅱ-Ⅴ-Ⅰフレーズ」を紹介してみました。

今回のフレーズも楽器を問わず使えるのでぜひ試してみてください。

これもよくある定番フレーズなので自分の曲のアドリブやセッションなどにそのまま使ってみてください。

 

今回の解説動画はこちら↓