Thelonious Monkというジャズピアニストがいました。
数々の伝説を残して1982年に亡くなりました。
彼が作曲した『Round Midnight』や『Blue Monk』などの名曲は、多くのジャズミュージシャンにカバーされています。
作曲家としての才能はもちろんのこと、演奏においても素晴らしいピアニストでした。
彼の演奏はOscar Petersonなどのようなピアニスティックで華麗なテクニックを見せるタイプではありません。
しかし、それとは別の誰にも真似できない独特な魅力がたくさんあります。
その魅力について例を挙げればキリがないのですが、今回はその中でもクラスターについてちょっと話してみようと思います。
クラスターとは密集和音のことです。
※クラスターについてはこちらの記事でくわしく解説しているので参考にしてください↓
まずこんな曲を見てください。
最初から出てくるクラスターがすさまじいですね。
録音が古く、内声の音は聞こえにくいですがこのような感じだと思います。
これは汽車の汽笛を模したと言われています。
コードネームはつけませんでしたが、1番下の「♭レ」をルートとして無理矢理表すなら「D♭7(#9,11,13)」といったところでしょうか。
【7th】の音は入っていませんが【#9th】【11th】【13th】が同時に入るのは7thコード以外にないので「D♭7」というコードネームにしてあります。
このようにたくさん音をぶつけるクラスターの他に、2音をぶつけるボイシングもよく使います。
このようにモンクは半音や全音など、2度でぶつけるのが好きなようでいろんな曲に使われています。
この曲ではいきなり2度をぶつけるボイシングから始まります。
「A7」で【3rd】と【#11th】をぶつけて、それが半音で下りてきます。
4小節めの左手などもトップの2度がすごく効いていると思います。
この2度も【3rd】と【#11th】です。
9小節めの右手で2度が平行に半音で下りてくるのは、1小節めと同じです。
これもまたすごく変わったイントロです。
8分音符がハネたりハネなかったりしているので、Swingマークはつけませんでした。
最初から最後まで2度のオンパレードといった感じですね。
「B♭△7」では【△7】と【Root】を、「D♭7」では【Root】と【9th】を、「G♭7」と「F7」では【Root】と【7th】をぶつけています。
というわけで理論的にはごく普通の音を使っているだけなのですが、あえて2度でぶつけることによって独特な味を出しているわけです。
今回紹介した2度クラスターをまとめてみましょう。
「C7」で表すとこのようになります。
理論的にはとてもシンプルで、応用しやすいと思います。
というわけで今回はThelonious Monkのクラスターについて話してみました。
ぜひオリジナル曲やアドリブなどに取り入れてみてはいかでしょう。
今回の動画はこちら↓
一部を除き、ほとんどこちらのピアノ音源を使用しています。
音がいいわりに動作が軽いので気に入っています。
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