「天才たちのワンフレーズ」シリーズ、今回はHampton Hawesのフレーズを紹介します。
今回のフレーズ
ではまず今回のフレーズを聞いてみてください。
これは『Hamp's Blues』という曲でのアドリブです。
タイトル通り、12小節のブルース形式の曲になっています。
「Key=B♭」です。
今回はこの1〜4小節めのフレーズを紹介したいと思います。
フレーズ分析
では装飾音を省略して4小節だけを書きだしてみましょう。
コードはずっと「B♭7」です。
「B♭7」から見た度数を書くとこのようになります。
臨時記号が多く、かなり複雑に見えます。
3、4小節めはオルタードスケールっぽい感じです。
しかし実はかなり単純な造りになっています。
3、4小節めは1、2小節めを平行に半音上げただけのフレーズです。
使っている音を並べてみるとこうなります。
1、2小節めは「B♭ミクソリディアン」の【1-3-4-5-6】
3、4小節めは「Bミクソリディアン」の【1-3-4-5-6】
です。
このフレーズには【7th】が含まれていませんが、コードが「B♭7」なので一応「ミクソリディアン」とします。
そのまま半音上げるだけなので、3、4小節めも「Bミクソリディアン」としましょう。
3、4小節めはコードが「B♭7」なのに「Bミクソリディアン」を使うわけですから、当然アウトフレーズということになります。
キーを変えてみる
キーを変えてみてみましょう。
「G7」だとこのようになります。
1、2小節めは「G7」の【1-3-4-5-6】
3、4小節めは「G7」が半音上がって「A♭7」の【1-3-4-5-6】です。
もう1つ見てみましょう。
「E♭7」だとこのようになります。
1、2小節めは「E♭7」の【1-3-4-5-6】
3、4小節めは「E♭7」が半音上がって「E7」の【1-3-4-5-6】です。
まとめ
今回のフレーズを簡単にまとめてみましょう。
1.「C7」が4小節続くコード進行があるとします。
2. 1、2小節めはそのまま「C7」、3、4小節めは「C7」を半音上げた「D♭7」を想定します。
3.「C7」には「Cミクソリディアン」「D♭7」には「D♭ミクソリディアン」を適用します。
ということになります。
「D♭ミクソリディアン」を使うときも、あくまでもコードは「C7」のままです。
応用例
ではさっそく実際に他の曲に使ってみましょう。
今回のフレーズと同じように「B♭7」が4小節続くサンプルです。
1、2小節めはブルーノートが入った一般的な「B♭7」のフレーズです。
3、4小節めはそれを平行に半音上げています。
このようにブルーノートが入っているようなフレーズでも問題なく使えます。
ではもう1つ見てください。
これは「C△7」が続く中で今回の手法を使ってみました。
フレーズとしては3小節めが「Cペンタトニック」、4小節めが「D♭ペンタトニック」になっています。
5小節めでまたインサイドに戻ってきます。
さいごに
今回のフレーズは「B♭7」という7thコードでのフレーズでしたが、「△7」や「m7」にも使えます。
同じコードが続くときには非常に効果的です。
最初に弾いたフレーズをそのまま半音上げるだけなので、とても使いやすいと思います。
ただし、アウトしているということは理解しておきましょう。
今回の解説動画はこちら↓
PREMIER SOUND FACTORY(プレミア サウンド ファクトリー) PIANO Premier "at first light"【シリアルメール納品】【DTM】【ピアノ音源】 価格:15,378円 |