「天才たちのワンフレーズ」シリーズ、今回はRichard Teeのフレーズを紹介します。
今回のフレーズ
ではまず今回のフレーズを聞いてみてください。
これは『Storokin'』という曲のライブでのフレーズです。
コードで押すタイプのアドリブですが、グルーブ感がすごいですね。
この中の最初の2小節を解説してみたいと思います。
フレーズ分析
ではフレーズを細かく見ていきましょう。
この曲は「Key=B♭」です。
そしてこのフレーズは「B♭7」ワンコードということになります。
「B♭7」はドミナント7thコードではありますが、この曲ではあえてトニックに【7th】を入れてブルージーにしてあります。
右手と左手が複雑に絡み合ってるように見えますが、これを見てください。
ドラムのパラディドルのようなパターンになっています。
右手と左手が1回も同時に鳴ることはありません。
1小節めと2小節めはまったく同じリズムパターンです。
まずこのLとRの組み合わせを覚えてしまえば、とても弾きやすくなります。
右手は全てトライアドのコードになっています。
「B♭」「Gm」「Fm」「E♭」の4つが転回されながら使われていることがわかります。
度数でいうと
【Ⅰ】【Ⅵm】【Ⅴm】【Ⅳ】
ということになります。
では、このコードひとつひとつの構成音が「B♭7」にたいしてどのような音になっているのか見てみましょう。
オルタードテンションは1つもありません。
これらの音を並べるとこのようになります。
これは「B♭ミクソリディアン」です。
左手はずっとオクターブです。
2小節めの最後に「ファ-ソ」と少し動いていますが、これは「B♭7」からの度数で言うと【5th-6th】です。
それ以外はほぼ【Root】の「♭シ」を弾いてるだけです。
というわけで、このフレーズは特に変わった音を使っているわけではなく、左手と右手のコンビネーションによるグルーブを聴かせるものと言ってよいでしょう。
まとめ
今回のフレーズをまとめてみましょう。
他のキーでも使えないと意味がないので、次は「G7」で考えてみます。
使うスケールは「Gミクソリディアン」です。
右手で使うコードは
【Ⅰ】 G
【Ⅵm】 Em
【Ⅴm】 Dm
【Ⅳ】 C
ということになります。
左手はオクターブでほぼ【Root】で、最後に少し【5th-6th】と動きます。
これを右手とかぶらないように組み合わせます。
今回のフレーズと全く同じリズムにすると、このようになります。
応用例
では応用例を見てみましょう。
「C7」では右手で「C」「Am」「Gm」「F」
「F7」では「F」「Dm」「Cm」「B♭」
「G7」では「E♭」「Dm」「Cm」「F」
を使ってみました。
「G7」で使ったトライアドは今回のフレーズとは違って、Vol.1で紹介したフレーズなのでぜひ参考にしてみてください。
※Vol.1の動画はこちら
16分音符がハネるリズムにしてみました。
右手のコードは【Ⅰ】の「E♭」、【Ⅳ】の「A♭」、【Ⅴm】の「B♭m」となっています。
左手は【Root】しか弾いていませんが、単音でオクターブを上下してみました。
今回のフレーズと同じように右手と左手は重ならないようになっています。
さいごに
というわけで今回は、Richard Teeのワンフレーズを紹介しました。
これぞRichard Teeといったフレーズでとてもかっこいいのですが、なかなか応用しづらいかもしれません。
しかしワンコードでのアドリブにはとても効果的ですし、盛り上がること間違いありません。
単音で弾くアドリブもいいですが、このようにコードで押していくのもまた違ったかっこよさがあるので、ぜひ試してみてください。
今回の解説動画はこちら↓
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