わちゃぴの音楽教室

初心者向けの作曲方法を紹介しています♪

作曲 #11【ピアノでおしゃれ作曲】テンションを使おう!【11thを使った作曲】

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前回に引き続き「テンション」について学びましょう。

今回は「テンション」の中の【11th】について紹介したいと思います。

もちろん白鍵だけで進めていきますよ!

 

(飛ばさずに上から順に読んでいただけると理解しやすいと思います!)

 

9thについてはこちら↓

 

11thを覚えよう

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前回の【9th】と同様に【11th】の場所は「メジャースケールの11番目の音」になります。

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4声のコードに【11th】を加えたものがこちら↓

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【9th】のときもそうでしたが、やはり11個も数えるのは大変ですよね。

しかし、簡単な見つけ方があります!

 

【11th】は【4th】の音と同じです。

なので「4番目の音を探せばよい」ということになります。

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前回の【9th】は2番目の音、すなわち「ルートの全音上の音」でした。

3和音は「Root・3rd・5th」ですので、

4番目の音は【3rd】から考えれば簡単に見つけられそうですね。

 

しかし、「メジャーコードの【3rd】」と「マイナーコードの【3rd】」はルートからの距離が違います。

とうことは【4th】までの距離も違うのです。

そのため、メジャーコードとマイナーコード、それぞれで【11th】の場所を見つけていく必要があります。

 

【メジャーコード】11thの音と場所

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ではまずメジャーコードの【11th】の場所を見てみましょう。見つけ方は簡単です!

譜面を見てください。 

 

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キーがCの中に出てくるメジャーコード、

ようするに「C」「F」「G」における【4th】は「【3rd】の半音上の音」になります。

 

「C」だと「ファ」の音

「F」だと「♭シ」の音

「G」だと「ド」の音

 

になりますね。(「F」の場合は黒鍵になってしまいますが後ほど説明します。)

 

しかしながらメジャーコードに【11th】というテンションは一部にの例外をのぞきほぼ使いません。

なぜなら【11th】もしくは【4th】の音はメジャーコードの【3rd】とぶつかってしまうからです。

 

メジャーコードで【11th】を使いたいときは・・・

では、たとえば「C」というメジャーコードに【11th】の「ファ」の音を入れたいときはどうすればよいのでしょうか。

答えは簡単!

 

【3rd】の音を取ってしまえばいいのです。

しかし、その場合は【11th】とは言わず【sus4】(サスフォー)と呼びます。

音を聴いてみてください。

 

 

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<【3rd】を取らずに【11th】を加えたもの・【3rd】を取ったもの・転回型>

 

【3rd】を取らずに【11th】を加えたものはちょっと違和感があると思います。

基本的に「テンション」というのは「Root-3rd-5th-7th」の構成音の上に加える音ですが、メジャーコードにおける【3rd】と【11th】は同時に使うことはほとんどありません。

ですから、「【11th】を加えた」というより「【3rd】を【4th】に変えたもの」と考えることが一般的です。

 

ついでに・・・【sus4】のよくある使い方

ちょっと「テンション」の話からは外れますが、せっかく先程出てきたので【sus4】のよくある使い方を見てみましょう。

 

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聞いたことありませんか?

【4th】の音が【3rd】に音に半音で動くことにより解決感がありおしゃれですよね。

そのときはもちろんメロディーもコードトーンに合わせて【3rd】にするか【4th】にするか考えなければいけません。

 

また【4th-3rd-2nd】というようにコードトーンを動かすこともよくあります。

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こんな動きもよく耳にしますよね。

 

【#11th】を説明する理由

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「【#11th】って黒鍵が入るんじゃないの?」と思う人も多いでしょう。

しかし、実は白鍵だけのコードも存在します。

それはなぜなのか、解説していこうと思います。

簡単に解説したいのですが、ちょっと難しい話をしなくてはいけません・・・

 

【♭9th】【#9th】は黒鍵が入るので説明しませんでした

前回「テンション」には【♭9th・9th・#9th・11th・#11th・13th・♭13th】があると説明しましたね。

しかし【9th】のとき【♭9th】【#9th】は説明しませんでした。

 

なぜかというと、「G7」における

【♭9th】は「♭ラ」

【#9th】は「#ラ」

というふうに黒鍵になってしまうからです。

 

【♭9th】【#9th】は一部の例外を除き、「7thコード(例えばG7、A7、B♭7など)」でしか使いません。

「△7」や「m7」では使えないのです。

キーが「C」でいうと【♭9th】【#9th】を使えるのは「G7」だけです。

しかし二つとも黒鍵になってしまうため「Cメジャースケールの中には存在しない音」ということになります。 

そのため前回は説明しなかったのです。

 

【#11th】を使えるコードは3つだけ

【#11th】を使えるコードは「メジャー7thコード」と「7thコード」だけで「マイナー7thコード」には使いません。

キーが「C」の中に出てくる「メジャー7thコード」と「7thコード」は「C△7」「F△7」「G7」の3つだけですね。

それぞれ見てみましょう。

 

「C△7」における【#11th】は「♯ファ」

「F△7」における【#11th】は「シ」

「G7」における【#11th】は「♯ド」です。

 

「C△7」でも「G7」でも【#11th】は黒鍵になってしまうので今はまだ使わないほうが無難です。

 

キーが「C」のときの「F△7」には【#11th】が使える

上記の三つの中で【#11th】が白鍵になる場合が1つだけありましたね。

 それが「F△7」です。

「ダイアトニックコード」の4番目に出てくる「メジャー7thコード」には【#11th】が使えます。

すなわちキーが「C」でいうと「F△7」ということになります。

「キーが「C」のときの「F△7」には【#11th】が使える」

と丸覚えしてしまえばいいと思います。

 

いちおう譜面でも説明してみましょう。

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【11th】は「メジャーコードの【3rd】の半音上の音」と説明しました。

「F」でいうと【3rd】は「ラ」、その半音上は「♭シ」です。

これが【11th】ですね。

 

【#11th】は「11thに#をつける」、すなわち「半音上げる」ということなので、

「♭シ」を半音上げて「ナチュラルのシ」になります。

 これは当然白鍵なので「Cメジャースケールに存在する音」ということになります。

 

これが【♭9th】【#9th】は説明しなかったのに【#11th】だけはいま説明していることの理由です。

 

 実際に「F△7」に【#11th】を入れると

とういうわけで「F△7」のときにのみ【#11th】を使いましょう!

実際に「F△7」に【#11th】を入れるとこのような感じになります↓

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ちょっとJazzっぽい響きですね。

 

【マイナーコード】11thの音と場所

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ではマイナーコードにおける【11th】を見ていきましょう。

マイナーコードで【11th】を見つける方法は「【3rd】の音の全音上」を考えるのが一番簡単でしょう。

 

例えば 

「Dm」なら【3rd】の「ファ」の音の全音上→「ソ」の音が【11th】になります。

「Bm7♭5」も同じです。【3rd】の「レ」の全音上→「ミ」が【11th】です。

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マイナーコードはメジャーコードと違って【11th】をテンションとして使うことができます。

【3rd】と【11th】が同時に使えるということです。

もちろん実際に曲中で使う場合は【3rd】を弾いても省いてもかまいません。

メロディーとぶつからないように柔軟にやっていけばいいと思います。

 

11thを入れたときのコードネーム

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次はコードネームを見ていきましょう。

【11th】を入れるコードにもいろいろな書き方があり、それぞれ構成音も変わってきます。

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・「7」と「11」が書いてるものは「3声のコードに【7th】と【11th】を加える」

・「11」と書いてあるものは「11」の下に「【9th】と【7th】がある」という意味なので「3声のコードに【7th】【9th】【11th】を加える」

・「9」と「11」が書いているもは「【9th】の下に【7th】もある」という意味なので「3声のコードに【7th】【9th】【11th】を加える」(Dm11と同じ構成音)

 

【7th】も【9th】も必要なく「3声のコードに【11th】の音だけを加えたい場合」コードネームはどう書けばいいのでしょうか。

これは「m(add11)」と書くしかありません。あまり見かけないコードネームですが覚えておくといいでしょう。

 

ピアノでの11thの弾き方

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ところで「Dm9,11」と「Dm11」のふたつは構成音が6つになってしまうので、当然片手では弾けませんね。

そういうときは【9th】のときにも言いましたが、音を省けば大丈夫です。

 

まず、左手はルートを弾くので、右手のルートはいりません。

 その次に真っ先に省いていいのは【5th】の音なのです。

【5th】の音というのはルートを弾いたときに倍音でも鳴っているので、弾かなくてもコードのサウンドは保持できます。

 

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<右手ルート省く・【5th】省く→転回型・転回型・転回型>

もちろん「♭5」や「#5」など【5th】が特殊な音の場合は、省いてしまうとそのサウンドが消えてしまうので必ず弾いてくださいね。

 

ちなみに・・・「Dm7,11」のボイシング

蛇足ですが下記のボイシングを見てください。

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あえて3声にしてあります。

構成音は下から【11th】【7th】【3rd】となっています。

この3つの音はまったく同じ間隔(完全4度)で積んであります。

これは「4度ボイシング」または「パーフェクト4thビルド」などと呼ばれます。

 

 音を聴いてみてください。

Jazzなどによく使われており、独特な響きがとてもかっこよくないですか?

 

【11th】から【3rd】に動くのもおしゃれ

少し話がそれてしまいました。

さて、マイナーコードの【3rd】と【11th】は同時に使えるのですが、【sus4】のときのように【11th】から【3rd】に動くのもまたおしゃれです。

同じコードであっても「テンションをコードトーンに解決」させればハーモニーに動きを与えることができます。

 

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例えばこんな感じとか・・・

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11thを曲に使ってみよう

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それでは【11th】でメロディーを作ってみましょう。

【9th】のときも言いましたが、メロディーとコードはいつも同時に考えなくてはいけません。

メロディーが【3rd】のときにコードが【11th】をトップに持ってきた場合、またはその逆の場合はやはりぶつかって聞こえることが多いはずです。

そのあたりを注意して作ってみましょう。

 

↓動画では今回の解説+作曲例を紹介しています。


作曲⑪【テンションで簡単おしゃれ作曲】11thを覚えよう(白鍵のみ)サンプル曲&楽譜あり