【9th】【11th】に続いて今回は【13th】を解説していきたいと思います。
今回もハ長調、白鍵のみで使えるように進めていきましょう!
【9th】【11th】についてはこちら↓
13thの音と場所
もう想像がつくでしょうが【13th】というのはメジャースケールの中の13番目の音です。
ではキーがCのダイアトニックコードに【13th】をそれぞれ入れてみましょう。
ここでは「白鍵だけで作曲しようという」のが大前提なので【13th】が黒鍵になってしまったものは除外します。
残ったものはこの4つだけです。
これだけならすぐ覚えられそうですね!ちょっとサウンドを聴いてみてください。
三和音から「△7」「△9」「△13」と順番に弾いてみました。
テンションが増えるたびに豊かな響きになっていくのがわかると思います。
13thの簡単な見つけ方
さて、ではいつものように【13th】の簡単な見つけ方を説明しましょう。
13番目の音は最初のメジャースケールを見てもらえばわかりますが、6番目の音と同じです。
6番目の音は【5th】の全音上の音になります。
実際に使うときにはいろんな転回をするのでなにも【13th】がトップノートである必要はありません。
なのでいつも【5th】の音から探して大丈夫なのです。
しかし6番目なのか13番目なのかを区別しなければいけないときがあります。
それはコードネームを書くときです。
テンションというのは基本的に【7th】の上にある音ですから、
三和音(7thの含まれないコード)に【13th】の音だけを入れた場合は「6」
と表記するのです。
そして「6thコード」に【9th】を入れる場合もあります。
また話がそれてしまいましたが【6th】も【13th】も見つけ方は同じなので、「6thコード」もついでに覚えてしまうとよいでしょう。
13thを含むコードネームと構成音
では【13th】を含むコードの種類をいくつか紹介しましょう。
ちょっと【13th】は今までの【9th】【11th】よりややこしい話になってしまいます。
前に「C△9」「G9」「Dm9」などと書かれていた場合は「9の下に【7th】の音も含まれる」と説明しました。
またたとえば「Am11」と書いてあった場合は「11の下に【7th】と【9th】が含まれる」と説明しましたね。
となると「C13」と書いてあった場合、今までの例から「13の下に【7th】【9th】【11th】が含まれると想像してしまいますね。
ところが違うのです。
メジャーコードの場合
前に話したように、メジャーコード(C△7やG7などmがつかないコード)では【11th】は【3rd】とぶつかってしまうので使えません。
とういうことは「C△13」「G13」と書いてあった場合は次のような構成音になります。
【13th】の下にあるのは【7th】と【9th】だけなのです。
しかし同じ【11th】でも【#11th】は【3rd】と同時に使えるため次のようなコードが使えます。
キーがCのなかで【#11th】が白鍵として扱えるのは「F△7」だけでしたね。
この場合はコードネームに「#11th」と明記しなければいけません。
もし「F△13」と書いてあっても【#11th】を勝手に入れることはしません!
では次のコードをみてください。
この場合は【7th】と【13th】だけが付加されます。
「右下に13」とある場合は「【9th】も自動的に入れます」が、
「右上に13」とある場合は「13だけを付加する」ということになります。
よって【9th】は入れません。
ちょっと複雑ですが一度覚えてしまえば「そのコードにどのテンションを入れればいいのか」即座にわかるため便利なシステムだと思います。
マイナーコードの場合
ではマイナーコードの場合はどうでしょう。
キーがCで【13th】が白鍵になるのは「Dm」だけでした。
「Dm13」と書いてあった場合はどうなるのでしょう。
マイナーコードの場合は【11th】と【3rd】はぶつからず同時に使えるためこのような構成音になります。
ようするに【13th】の下には【7th】【9th】【11th】があるということです。
13thのピアノでの弾き方
ここまでコードネームと構成音について話してきました。
【13th】まで入ってくると構成音の数が多いのでどうやって弾けばいいのか迷いますね。
コードによっては「構成音が7つ」になってしまいます。
こうなると左手がルートを弾き【5th】を省いても残り5つの構成音を右手だけで弾くのは困難です。
このようなときは左手の音を増やして弾くことが多いです。
たとえばこのように・・・
かなりJazzっぽい響きですね。
あまりポップスやロックでは聴かない響きかもしれませんね。
動きをつける
【11th】のときも説明しましたが【13th】や【6th】も上下に動かすことによりハーモニーに動きをつけることができます。
【13th】から【5th】、または【6th】から【5th】に動きをつけるとこのような感じです。
次のような動きも。
これもよく聴きますね。
これはトップノートを「5th- 6th-7th-6th」と動かしています。
ラテンのモントゥーノなどにもよく使う動きです。
もちろんラテンだけではなくポップスにもロックにも、そしてアップテンポにもバラードにも使えるので試してみてください。
もちろんこうすることによりコードネームは変わってしまいますから【13th】が譜面上で指定してある場合は勝手に取ったりしないほうがよいでしょう。
【13th】を使うのは「ドミナント7thコード」がほとんど
いろいろ説明してきましたが実のところ【13th】は「ドミナント7thコード」(キーがCでいうとG7)に使うことがほとんどです。
「メジャー7thコード」や「マイナー7th」に【13th】の音を入れたい場合は【7th】の音を取って代わりに【13th】を入れることのほうが多いでしょう。
いわゆる「6thコード」ですね。
【6th】と【7th】を同時に使うとぶつかることが多々あるのでうまく使わなければいけません。
どうしても同時に使いたいということがなければ最初のうちは【6th】か【7th】のどちらかにしておいたほうが無難だと思います。
「ドミナント7th」に使う場合はこのような使い方が典型的です。
緊張感もあり豊かな響きですね。
トップノートが綺麗につながっているのが分かると思います。
Jazzっぽくていい感じですね。
しかしスピード感みたいなものは少々そがれる気もします。
だからハードロックなどにはなかなか使われないのかもしれませんね。
13thを作曲に使ってみよう
作曲⑫【テンションで簡単おしゃれ作曲】13thを覚えよう(白鍵のみ)サンプル曲&楽譜あり
動画では、今回の説明に合わせて【13th】を使った作曲例を紹介しています。
今回で白鍵だけで使えるテンションは終わりなので、いままでの【9th】や【11th】も加えテンション感のある曲にしてみたので、ぜひ聴いてみてください。