今回は「Perfect 4th Build」を実際にいろんなコード進行の中で使う具体的な方法を説明していきたいと思います。
【基礎編】でやったように今回も「キーはC(Am)」で説明していきたいと思います。
基本的にこの一覧表の中の「Perfect 4th Build」を使います。
1コードが続くときに使う
では具体的に見ていきましょう。
一番簡単なのは1コードが続く曲の中で使う方法です。
まずは「Am一発」の曲で使ってみましょう。
「Perfect 4th Build」を使わずに普通のコードネームで弾くとこんな感じでしょうか。
【7th】を入れたり【9th】を入れたりと、かなり自由に動いています。
左手はほとんど【Root】と【3rd】を弾いているだけです。
こういうラフでセッションっぽい感じの曲では、このようにランダムなバッキングがよく合うと思います。
これでも全然悪くないのですが、ちょっと「Perfect 4th Build」を入れてみましょう。
左手はまったく弾かずに右手だけで「Perfect 4th Build」を弾きました。
最初に出した一覧表にはない「Perfect 4th Build」が含まれていますね。
例えば2小節目の「♭ミ-♭ラ-♭レ」というのがそうです。
その前後の「レ-ソ-ド」と「ミ-ラ-レ」をスムーズにつなぐために、その間にある「♭ミ-♭ラ-♭レ」を入れて半音の動きを作ってみたというわけです。
5小節目は「シ-ミ-ラ」をそのまま平行に半音下がって、また「シ-ミ-ラ」に戻りました。
このように半音で動きを作る場合は、短い音価であれば「Avoid Note」を気にする必要はありません。
いつでも半音上や半音下からアプローチしても大丈夫です。
左手にコード構成音を足す
いまのパターンは右手で「Perfect 4th Build」だけを弾いてみたものでした。
次はこれを見てください。
これもコードは「C」が4小節続く単純なものです。
右手は一覧表で「C」のとき使えると説明した中の二つを使っています。
左手は【Root】を単音で弾いているだけですね。
では次にこれを聴いてみてください。
これは先ほどと同じ右手に左手でちょっと音を足してみました。
1、2小節目の「ラ-レ-ソ」のところでは左手で【Root】と【3rd】にあたる「ド」と「ミ」を弾き、
3、4小節目の「シ-ミ-ラ」のところでは【Root】と【5th】にあたる「ド」と「ソ」を弾きました。
「C」というコードからみると、右手の「Perfect 4th Build」だけでは抜けている音を左手で足した形になります。
1、2小節目は右手に【5th】の「ソ」が入っているので、左手で【3rd】の「ミ」を足し、
3、4小節目は右手に【3rd】の「ミ」が入っているので、左手で【5th】の「ソ」を足したというわけです。
「Perfect 4th Build」だけを弾くよりはコード感がより強く出て、ポップスなどにも使いやすいと思います。
では同じような例をもう一つ見てみましょう。
これは「Am」2小節の「Perfect 4th Build」だけで弾いてみたものです。
ちょっとハードロックのリフっぽい感じですね。
ピアノとオルガンはまったく同じことをやっています。
これは先ほどの「Perfect 4th Build」だけのものに左手で3和音の「Am」を足してみました。
右手は動いていますが左手はずっと「ラ-ド-ミ」のままです。
コードは「Am」なので右手に関係なく「ラ-ド-ミ」だけ弾いていてもまったく問題ありません。
「Perfect 4th Build」を使うにしても、それしか弾いてはいけないわけではありません。
いつでも音を足して大丈夫なのです。
このように元々コードが決まっているところに「Perfect 4th Build」を使う場合は特に有効です。
右手の「Perfect 4th Build」だけでは抜けてしまう音を左手で足すと「Perfect 4th Build」のみのときの浮遊感みたいなものは少し薄まりますが、元々のコード進行の雰囲気を壊しにくいので使える機会は増えるのではないでしょうか。
左手にも4度を足す
では次は「Am一発」のちょっとジャズっぽいアドリブのバッキングに「Perfect 4th Build」を使ったパターンです。
もうちょっとピアノのボイシングが聞こえるようにメロディーをミュートしてみます。
これは左手でも「Perfect 4th Build」を弾いていますが、ほとんどは右手で弾いている「Perfect 4th Build」の下二つを弾いているだけです。
2小節目や3小節目はクロマチックアプローチを使っています。
5小節目の左手は【Root】と【3rd】だけ、6小節目は【Root】しか弾いていません。
8小節目は左手と右手を含めての「Perfect 4th Build」になっています。
「シ-ミ-ラ-レ」、そして半音で「♭シ-♭ミ-♭ラ-♭レ」を通って「ラ-レ-ソ-ド」と動いています。
これまで「Perfect 4th Build」で3つ積んだものを使ってきましたが、これは4つ積んだものになります。
ちなみに「Am」なら6つ積むことも可能です。
コードネームでいうと「Am11」ということになります。
これ以上積むと「Avoid Note」が入ってきますので、「Am」では6つまでですね。
当然5つ積むのは大丈夫です。
コード進行の上で使う
では次は1コードではなくちゃんとコード進行があるものに「Perfect 4th Build」を使ってみましょう。
まずは普通にバッキングしてみます。
よくあるコード進行です。
ほぼコードトーンしか弾いていませんが転回させて動きを作っています。
4小節目は「ミ-ラ-レ」という「Perfect 4th Build」がたまたま出てきていますが、トップノートを「ミ、レ、ド」と動かしたかっただけです。
ちなみに今回の趣旨とは関係ないですが、6小節目のメロディーが「♭ミ」になっています。
これは「キーがC」のときのブルーノートということになります。
まったく「G7」っぽくないフレーズのようですが、こういうのもありです。
ブルーノート編を見ていただければ詳しく説明しています。
話がそれましたが、ではいまのサンプルに「Perfect 4th Build」を使ってみます。
これは「3度堆積のコード」と「Perfect 4th Build」を混合して使ってみました。
実は先ほどのサンプルと全く同じリズムで、ところどころ「Perfect 4th Build」に変更してみたものです。
見比べるとわかると思いますが、左手はまったく同じです。
右手も「C」「Am」「F」の小節の1拍目は先ほどのサンプルから変えていません。
それ以外はわかりやすくするため、ちょっと極端に「Perfect 4th Build」にしてみました。
かなり雰囲気が変わるのがわかると思います。
あまり変わるのがいやな場合は「Perfect 4th Build」にする部分をもっと減らせばいいだけですね。
まとめ
というわけで今回は「Perfect 4th Build」の使い方を紹介しました。
これも当然好みがあるので無理に使う必要はないですが、選択肢が増えるという意味では非常に役立つと思います。
ふつうに「3度積みのコード」を弾いていたところを「Perfect 4th Build」に置き換えたりして試してみると面白い結果が得られるかもしれません。
今回の解説動画はこちら↓