今回は「キーと調号」について説明したいと思います。
キー・調性・調号とは?
キーは日本語で言うと「調」といいます。
音楽には調性というものがあり、どの音をトニックとするかで決まります。
そして調性には「メジャーキー(長調)」と「マイナーキー(短調)」があります。
「ド(ハ)」をトニックとするメジャーキーが「Key=C(ハ長調)」、マイナーキーが「Key=Cm(ハ短調)」ということになります。
そして調号とはト音記号やヘ音記号の右に書いてある「#」や「♭」のことです。
自分で曲を作って完結してしまう人には調も調号も必要ないかもしれません。
しかしいろいろな曲を分析したり、自分の曲を譜面にしたりする人には必要不可欠なものです。
キーがわかるということは、スケールやダイアトニックコードがわかるということです。
是非この際に覚えてしまいましょう。
西洋音楽は音が12個ありますから、当然キーも調号も12個できます。
そしてそれぞれにメジャーキーとマイナーキーがあるので、24個も覚えないといけないことになってしまいます。
しかし「サークルオブ5th」を使えばかなり覚えやすいので、それを紹介しましょう!
#系のメジャーキー
まずは「#系のメジャーキー」だけを説明します。
まず調号がなにもないのが「Key=C」です。
そして反時計回りに見ていきます。
次は「G」ですね。
「Key=G」は「#」が1つ付きます。
そしてそのとなりは「D」です。
これは「#」が2つ付きます。
反時計回りに進んでいくたびに「#」が1つずつ増えるのです。
そして「C#(D♭)」まで増えていきます。
「Key=C#」は「#」が7つ付いていて、これ以上付くことはありません。
「#」の数はわかりましたね。
では次にどこにどういう順番で「#」がついていくのかを見てみましょう。
一つめの「#」は「ファ(F)」に付きます。
二つめは「ド(C)」に付きます。
これも「サークルオブ5th」の反時計回りについていってるのがわかると思います。
「F(ファ)」から「B(シ)」まで、「ファ」「ド」「ソ」「レ」「ラ」「ミ」「シ」と付いていきます。
♭系のメジャーキー
では次は「♭系のメジャーキー」を見ていきます。
「♭」は時計回りにひとつずつ増えていきます。
なにも付いてないのが「Key=C」、そして時計回りのとなりの「F」には「♭」が一つ付きます。
そして「Key=B♭」には二つ、「E♭」には三つ付き、「C♭(B)」まで増えていきます。
「Key=C♭」には「♭」が7つ付きます。
「#」も「♭」も7つ以上付くことはありません。
では「♭」はどこにどういう順番で付いていくのでしょうか。
一つめは「シ(B)」に付きます。
これは「キーがF」です。
「サークルオブ5th」を見るとちょうど「F」の対角線上に「B」がありますね。
この「B」の位置に「♭」をつけます。
二つめの「♭」は「ミ(E)」に付きます。
これは「キーがB♭」になります。
さきほどつけた「シ(B)」の時計回りで隣に「ミ(E)」がありますね。
そしてそれはちょうど「B♭」の対角線上にあります。
このように「♭」は「サークルオブ5th」の時計回りの順番の位置に増えていきます。
「B」から時計回りで「F」まで順番に7つまで付いていきます。
たとえば「キーがD♭」だとどこに「♭」がつくでしょうか。
まず「D♭」の対角線上を見ます。
「G」がありますね。
「♭」は「B」の位置から増えていくのですから、「B」から対角線上の「G」まで、ようするに「シ(B)」「ミ(E)」「ラ(A)」「レ(D)」「ソ(G)」に「♭」がつくということです。
このへんで一旦まとめましょう。
1.「#」は「Key=G」に一つ付き、それから反時計回りに一つずつ増える。
2.「#」はまず「F」の位置に付き、それから反時計回りの音の位置に足していく。
3.「♭」は「Key=F」に一つ付き、それから時計回りに一つずつ増える。
4.「♭」はまず「B」の位置に付き、それから時計回りの音の位置に足していく。
調号からキーを判断
では次は逆に、調号を見てそのキーが何かわかる方法を紹介しましょう。
まずは「#系」です。
これは非常に簡単です。
一番右に付いている「#」の「半音上」がそのキーになります。
例えば「#」が3つ付いている場合、一番右の「#」は「ソ」に付いています。
「#ソ」の「半音上」の「ラ」、ようするに「A」がそのキーということです。
「#」が5つ付いている場合は、一番右の「#」は「ラ」に付いています。
「#ラ」の「半音上」は「シ」なので、キーは「B」ということになります。
では「♭系」を見てみましょう。
これは「#」と違って、右から二つめの「♭」が付いている音がそのキーになります。
二つめということは「♭」が一つの場合は当てはまらないので、「♭」が一つは「Key=F」というのだけは覚えておいてください。
「♭」が三つ付いている場合、右から二つめの「♭」は「ミ(E)」についているので「Key=E♭」です。
「♭」が6つ付いている場合は、右から二つめの「♭」は「ソ(G)」についているので「Key=G♭」です。
マイナーキーの調号
では次はマイナーキーの調号です。
同じ調号でメジャーキーとマイナーキーがあるわけですが、メジャーキーを元にマイナーキーの見つけ方をを説明しましょう。
「サークルオブ5th」に表してみました。
「Key=C」と「Key=Am」は同じ調号です。
「Key=A♭」と「Key=Fm」は同じ調号です。
「C」と「A」の二つのトニック、または「A♭」と「F」の関係はどのようになっているでしょう。
これでわかるのは、メジャーキーのルートの「短三度下(半音3つぶん)」の音をルートとするマイナーキーが同じということです。
鍵盤を思い浮かべてある音をメジャーキーのトニックとすると、その音から半音ずつ下に1、2、3と下がればその音がマイナーキーのトニックです。
たとえば「Gメジャーキー」のトニックである「G」から半音三つぶん下がると「E」ですね。
ということは「Gメジャー」と「Eマイナー」は同じ調号だということです。
逆にマイナーキーから同じ調号のメジャーキーを探すときは、半音三つぶん上がればいいということですね。
これも知っておこう
ちなみにこの「Key=C」と「Key=Am」の関係を「平行調」といいます。
そして「Key=C」と「Key=Cm」は「同主調」といいます。
キーにも「異名同音」というものがあります。
たとえば「Key=F#(嬰ヘ長調)」と「Key=G♭(変ト長調)」は音は同じで呼び方が違うだけです。
「#」が6個付いていれば「Key=F#」といい「♭」が6個付いていれば「Key=G♭」と解釈します。
「#」と「♭」を混在させてはいけません。
「Key=F#」ならメロディーを譜面に書くときも必ず「#ファ」で書き「♭ソ」は使いません。
そして「Key=F#」の中には「#ミ」という音も出てきますが、これも同じ音だからといって「♮ファ」と書いてはいけません。
音が同じなのでどっちでもいいように思いますが、これは理論的な約束事です。
まとめ
今回の「キーと調号」は全て「サークルオブ5th」の図で説明してきました。
最初のうちは自分で「サークルオブ5th」の図を作っていつでも見られるようにしておくと便利だと思います。
何度も見ているうちに最終的には丸暗記してしまえるはずです。
「キーと調号」は即座にわかるようになることをおすすめします。
今回の解説動画はこちら↓