わちゃぴの音楽教室

初心者向けの作曲方法を紹介しています♪

作曲 #21【かっこいいアドリブに!】一歩進んだペンタトニックPart1【メジャー7th編】

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はじめに

今回はペンタトニックの一歩進んだ使い方を紹介したいと思います。

ペンタトニックだけでも使い方によっていろんなテイストを出すことができます。

これを聞いてみてください。

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上段↓

 

下段↓

 

どちらもペンタトニックだけを使っていますがかなり雰囲気が違います。

ふたつめのほうがちょっとおしゃれに聞こえませんか?

このような使い方を解説していきたいと思います。

「C△7」には「Cメジャーペンタトニック」、「Am7」には「Aマイナーペンタトニック」というだけではなく一歩進んだ使い方を紹介します。

 

コードによっていろいろな使い方があるので、【△7編】【m7編】【7編】と分けて解説しましょう。

今回はその【△7編】です。

 

ペンタトニックスケールとは

ではあらためてペンタトニックスケールについて説明します。

ペンタトニックスケールとは、音を5つ使ったスケールです。

音を5つ使えばペンタトニックと呼ぶので、いろいろな組み合わせが可能になります。

代表的なのはこのあたりでしょうか。

 

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どれもよく聴くものだと思います。

陰旋法をあまりペンタトニックとは言いませんが、音が5つあることには変わりありません。

この中で特によく使われるものが「メジャーペンタトニック」と「マイナーペンタトニック」です。

ちょっとこれを見てください。

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これは「Cメジャーペントニック」を2オクターブにわたって並べたものです。

 

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これを「ラ」の音から見ると「Aマイナーペンタトニック」になっています。

メロディーを作ったりアドリブをする場合は、別に【Root】から弾くと決まっているわけではありませんから「Cメジャーペントニック」でも「Aマイナーペントニック」でも同じです。

そこで説明が「Cメジャーペンタトニックスケール」または「Aマイナーペンタトニックスケール」などとややこしくならないように、この講座では「メジャーペンタトニック」に統一します。

この先、「ペンタトニック」といえば「メジャーペンタトニックスケール」のことだと思ってください。

 

ペンタトニックスケールはこちらでも詳しく解説しています↓

 

メジャースケールに含まれるペンタトニック

ではさっそく「メジャー7thコード」に使えるペンタトニックを見ていきましょう。

今回もキーは「C」で見ていきます。

 

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1つのキーの中に「メジャー7thコード」は2つあります。

「Ⅰ」の「C△7」と「Ⅳ」の「F△7」です。

そしてどちらのコードも、使うスケールは当然「Cメジャースケール」です。

まずその「Cメジャースケール」にどのようなペンタトニックが含まれているのか見てみましょう。

簡単に言ってしまえば、5つの音すべてが白鍵であるペンタトニックを探せばいいということになります。 

 

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このようにペンタトニックが3つあることがわかります。

 

「Ⅰ」の△7に使えるペンタトニック

ではまず「Ⅰ」の「C△7」にたいして、この3つのペンタトニックがそれぞれどのような音になっているのか見ていきましょう。

 

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「ラ」の音は【6th】でもあるのですが、「C△7」という「7thが入ったコード」にたいしてなので【13th】とします。

3つのペンタトニックに共通して含まれているのは、「C△7」にたいしての【5th】【9th】【13th】です。

それぞれちょっと雰囲気を見てみましょう。

 

まずは「Cペンタトニック」です。

 

 

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いかにもペンタトニックといった感じです。

少し和風にも聞こえます。

アボイドノートがないのでどの音を使ってもOKです。

 

では次は「Fペンタトニック」です。

 

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「ファ」の音は「C△7」に対して【4th】の音なのでアボイドノートです。

この例ではちょっと多めに「ファ」を使ったのでやはりぶつかっている感じはします。

しかしアボイドノートは使ってはいけないというわけではありません。

長く延ばしたりあまり多めに使うとぶつかって聞こえますが、経過音として使うのはかまいません。

テンポやフレーズにもよりますので、どこまで使うとぶつかるかという明確な決まりはないので個々に判断するしかないでしょう。

とはいえ、それを考えながら弾くのも難しいので、アドリブなどで「C△7」に「Fペンタトニック」を使うのはおすすめしません。

 

では「Gペンタトニック」を見てみましょう。

 

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【Root】が含まれてないこともあり、少し浮遊感があるような感じがします。

そして【7th】【9th】【13th】が含まれているので、テンション感がありおしゃれに聞こえます。

「Ⅰ」の「C△7」にはこの「Gペンタトニック」がおすすめです。

どのように弾いてもある程度かっこいいサウンドになると思います。

 

「Ⅳ」の△7に使えるペンタトニック

では次は「Ⅳ」である「F△7」に使えるペンタトニックを見てみましょう。

キーが「C」の中の「F△7」なので、使うスケールは「C△7」と同じく「Cメジャースケール」です。

理論的に言うと「Cメジャースケール」を「F」から並び替えた「Fリディアンスケール」ということになりますが、いまは気にする必要はないでしょう。

 

 

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「Cメジャースケール」を使うわけですから、その中に含まれるペンタトニックも先ほどと同じです。

 

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「C△7」では【Root】の「ド」から始まる「Cペンタトニック」、【5th】の「ソ」から始まる「Gペンタトニック」が使えましたが、「F△7」でもそれは同じです。

「F△7」の【Root】の「ファ」から始まる「Fペンタトニック」、【5th】の「ド」から始まる「Cペンタトニック」が使えます。

違うのは【9th】の「ソ」から始まる「Gペンタトニック」が使えるということです。

これには【9th】【#11th】【13th】の3つのテンションが含まれています。

【#11th】が使える「メジャー7thコード」は「Ⅳ」だけなので、「Gペンタトニック」を使うといかにも「Ⅳ」の「メジャー7th」といったサウンドになります。

ではこれも雰囲気を見てみましょう。

 

まずは「Cペンタトニック」です。

 

 

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【Root】がなくて【7th】【9th】【13th】が含まれているので、テンション感があっておしゃれに聞こえると思います。

 

次は「Fペンタトニック」です。

 

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これは「C△7」のときの「Cペンタトニック」と同じで【Root】からのペンタトニックです。
やはり和風な感じです。

特にフレーズが【Root】の「ファ」で終わるとちょっとどっぷり和風という感じが強いと思います。

 

では「Gペンタトニック」はどうでしょう。

 

 

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これは「Cペンタトニック」よりもさらにテンション感が強いですね。

【Root】も【5th】も含まれていないのがその理由です。

おしゃれでかっこいいのではないでしょうか。

 

【Ⅳ-Ⅰ】のコード進行に使う

では【F△7-C△7】というコード進行の上でペンタトニックを使ってみましょう。

 

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「F△7」と「C△7」が2小節ずつ繰り返される進行です。

大げさにペンタトニックだけを使ってみました。

では解説してみましょう。

 

まず1、2小節めの「F△7」では「Cペンタトニック」を使っています。

そして続く「C△7」では「Gペンタトニック」です。

5、6小節めの「F△7」も「Cペンタトニック」、続く「C△7」は「Gペンタトニック」です。

どちらも【Root】を含まず【メジャー7th】や【9th】の音が目立っていておしゃれな感じがします。

9小節めの「F△7」は「Fペンタトニック」を使い、10小節めは「Cペンタトニック」です。

このように同じコードが続くときも、使うペンタトニックを変えると変化がついて面白いと思います。

続く「C△7」も11小節めは「Gペンタトニック」、12小節めは「Cペンタトニック」です。

そして「Cペンタトニック」のまま13小節めの「F△7」に入っていきます。

14小節めは【#11th】を含む「Gペンタトニック」を使ってみました。

そして「Gペンタトニック」のままコードは「C△7」に変わります。

最後は「D♭△7」にしてみました。

フレーズ的には「A♭ペンタトニック」です。

 

このようにペンタトニックだけでもじゅうぶんアドリブはできます。

同じ「Cメジャースケール内の音」を使っているだけなのに、ペンタトニックを使うと独特なサウンドになって面白いですね。

ペンタトニックを使うというのは、テンションなどのように音を足していくのとは逆に、スケールから音を引いていくということです。

 

【5th】から、または【9th】からのペンタトニックにはコードを特徴づける音が含まれていないので、浮遊感があったり、アッパーストラクチャートライアドのように2つのコードが同時に鳴っているように聞こえたりします。

使い方によってはとてもかっこいいサウンドになると思います。

 

まとめ

それでは簡単にまとめてみましょう。

 

1.「Ⅰ」の「△7」には【Root】からのペンタトニックと【5th】からのペンタトニックが使える。

 

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2.「Ⅳ」の「△7」には【Root】からのペンタトニックと【9th】からのペントニック、【5th】からのペンタトニックが使える。

 

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「Ⅰ」においても「Ⅳ」においても【Root】からのペンタトニックは和風の曲や演歌などにはいいのですが、ロックやポップスにかっこよく使うのはなかなか難しいでしょう。

【5th】からのペンタトニックが簡単にかっこよくなるのでおすすめです。

 

【4th】からのペンタトニックはアボイドノートが含まれるので使わないほうが無難です。

ただでさえ5つしか音のないペンタトニックからアボイドを避けると4つの音になってしまい、せっかくのペンタトニックらしいサウンドが出ないのであまり意味があるとは言えません。

 

というわけで今回は「メジャー7thコードに使えるペンタトニックスケール」を紹介しました。

ぜひアドリブや作曲などに使ってみてください。

 

今回の解説動画はこちら↓