「ひとつだけ覚えるアドリブフレーズ」今回は「ブルースフレーズ」の【Part5】です。
はじめに
今回はこのようなフレーズです。
これもブルースなどではよく聴かれる定番フレーズです。
コードは「C7」になっています。
「C7」といえばふつうは「Key=F」の「Ⅴ」である「ドミナント7thコード」です。
しかしブルースは少し特殊な音楽で、「トニック」も「サブドミナント」も「7thコード」にすることがほとんどです。
今回はブルースについての細かい説明は省きますが、この「C7」は「Key=C」の「トニック」、または「Key=G」の「サブドミナント」、または「Key=F」の「ドミナント」に使えます。
ということは、今回のこのフレーズも同じように「Key=C」のブルースの「トニック」、または「Key=G」のブルースの「サブドミナント」、または「Key=F」のブルースの「ドミナント」のときの「C7」に使えるということです。
フレーズの分析
ではフレーズを細かく見て行きましょう。
コードは「C7」です。
今回は前の小節の4拍めウラから入るフレーズです。
ブルーノートである【♭3rd】の「♭ミ」から入り、半音上がって【♮3rd】である「♮ミ」を弾きます。
そして【5th】を弾いたら、また【♭3rd】【♮3rd】と弾きます。
この【♭ミ-♮ミ】というフレーズがいかにもブルースといった感じです。
3拍めは【Root】【5th】【6th】と弾き、【♭7th】と【5th】を和音で弾きます。
そして2音で下がってくる途中に1回だけ【Root】を挟みます。
このフレーズは、この2つのペンタトニックからできていると言ってもよいでしょう。
今回はメジャーペンタトニックに含まれる「レ」は使っていませんが、それ以外は全部使われています。
ブルースはマイナーペンタトニックのみでアドリブもできるのですが、うまくメジャーペンタトニックもミックスして使う方が、よりブルージーになってかっこいいと思います。
他のキーで見てみよう
では他のキーでも見てみましょう。
同じコードでもブルースではそれが「Ⅰ」の場合、「Ⅳ」の場合、「Ⅴ」の場合があるので、あえて調号は書かず臨時記号で見てみたいと思います。
ではこれを見てください。
これは「F7」のフレーズです。
ブルーノートである【♭3rd】の「♭ラ」から入り、【♮3rd】【5th】である【ラ-ド】と上がり、また【♭ラ-♮ラ】と弾きます。
3拍めは【Root】【5th】【6th】である【ファ-ド-レ】と弾き、【♭7th】と【5th】を和音で弾きます。
そして【Root】を挟みながら和音のまま下りてきます。
ではまた違うキーで見てみましょう。
これは「G7」のフレーズです。
ブルーノートである【♭3rd】の「♭シ」から入り、【♮3rd】【5th】である【シ-レ】と上がり、また【♭シ-♮シ】と弾きます。
3拍めは【Root】【5th】【6th】である【ソ-レ-ミ】と弾き、【♭7th】と【5th】を和音で弾きます。
そして【Root】を挟みながら和音のまま下りてきます。
覚えるための練習法
ひとつずつ順番に覚えるのもいいのですが、せっかくなのでこんな練習法をやってみてください。
これを時計回りに全部「7thコード」のまま進んでいきます。
これで12個全ての「7thコード」で今回のフレーズがマスターできるはずです。
左手は4分音符で【Root-3rd-♭7th】と弾いています。
※ 「カラオケ音源」と「MIDIデータ」を貼っておきますのでご自由にダウンロードしてお使いください。
MIDIデータ↓
バリエーション
今回のフレーズを少し変えるだけでいろんなバリエーションが得られます。
使っている音は今回紹介したフレーズとほぼ同じですが、リズムを少し変えてみました。
3連符をやめて8分音符にし、和音もなくしてシンプルにしてあります。
元のフレーズで和音に挟んでいた「ド」の音は1オクターブ上げました。
これは小節のアタマから3連符で入り、2小節めはルートを弾かずに和音だけのフレーズにしてあります。
これも1小節めのリズムを少し変えて、2小節めは和音と【Root】を交互に弾いています。
3拍めは装飾音でブルーノートである【♭3rd】を足しました。
1小節めは3連符を二つ使いました。
2小節めはトレモロにしてあります。
このように同じ音を使っていてもリズムを少し変えたり、音を少し足したり引いたりするだけでかなりいろんなバリエーションを得られると思うので、ぜひいろいろ試してみてください。
さいごに
というわけで今回は、ブルースなどでよく使われるフレーズを紹介してみました。
今回も、2段譜の右手のフレーズだけならいろんな楽器で使えると思います。
ブルースのアドリブなどでぜひ使ってみてください。
今回の解説動画はこちら↓