わちゃぴの音楽教室

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【Quick Lesson】ひとつだけ覚えるアドリブフレーズ【ブルース・Part2】

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「ひとつだけ覚えるアドリブフレーズ」今回は「ブルースフレーズ」の【Part2】です。

 

 

はじめに

今回はこのようなフレーズです。

 

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これもブルースなどでよく聴かれるフレーズです。

これはピアノ譜になっているので両手で弾いてみてください。

 

フレーズの分析

ではフレーズを細かく見ていきましょう。

 

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コードは「C7」になっています。

「C7」といえばふつうは「Key=F」の「Ⅴ」である「ドミナント7thコード」です。

しかしブルースは少し特殊な音楽で、トニックもサブドミナントも「7thコード」にすることがほとんどです。

今回はブルースについての細かい説明は省きますが、この「C7」は「Key=C」の「トニック」、または「Key=G」の「サブドミナント」、または「Key=F」の「ドミナント」に使えます。

ということは今回のこのフレーズも同じように「Key=C」のブルースの「トニック」、または「Key=G」のブルースの「サブドミナント」、または「Key=F」のブルースの「ドミナント」のときの「C7」に使えるということです。

 

では音をひとつずつ見ていきます。

まずは和音になっているところの上の音を省き、単音にして見てみます。

 

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そしてまず1小節めだけを見てみましょう。

 

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3拍めと4拍めは、同じ3連符の繰り返しになっています。

そして使われている音を並べてみるとこのようになっています。

 

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これは「C」のマイナーペンタトニックに【♭5】であるブルーノートを足したものです。

ブルーノートも一緒に並べるとこうなります。

 

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これを上から並べます。

 

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1拍めから3拍めはこのリズムを変えただけです。

 

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4拍めは3拍めとまったく同じです。

 

そしてこれに音を加えてみましょう。

2拍めのブルーノートである「#ファ」に【Root】である「ド」の音を上に加えます。

そして4拍めでは「ファ」の上に【6th】である「ラ」を加えます。

 

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この4拍めだけに注目してください。

 

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この音を並び変えると「F7」の構成音になっているのがわかります。

見つけ方としては先ほどのようにマイナーペンタトニックの中の【ファ- ♭ミ-ド】というフレーズの「ファ」に【6th】の「ラ」を加えるという考え方でもいいですし、今のように「F7」を分解して弾くという考え方でもいいでしょう。

 

では2小節めを見てみましょう。

 

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これを単音にします。

 

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これはとても簡単です。

「C」の【3rd】と【Root】を弾いているだけです。

 

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これにブルーノートである【♭3rd】の「♭ミ」を装飾音として加えたものです。

そして「ミ」の音の上に【5th】の「ソ」を足します。

 

そうするとこうなるわけです。

 

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【Part1】でも説明しましたが、この装飾音はこのように弾くとよいでしょう。

 

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「♭ミ」を弾いてから【ミ-ソ】を弾くのではなく【♭ミ-ソ】を同時に弾いてそのあと「♭ミ」が「ミ」に置き換わるというニュアンスです。

 

他のキーで見てみよう

では他のキーでも見てみましょう。

同じコードでもブルースではそれが「Ⅰ」の場合、「Ⅳ」の場合、「Ⅴ」の場合があるのであえて調号は書かず臨時記号で見てみたいと思います。

ではこれを見てください。

 

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これは「F7」のフレーズです。

「F7」だとまず「Fマイナーペンタトニック」に【♭5】を加えたスケールを思い浮かべ、上から並べるとわかりやすいでしょう。

そしてそれを上から順番に弾きながら【♭5】のところで【Root】を同時に弾きます。

 

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1拍めから3拍めにかけて1オクターブ下がったら4拍めは3拍めに弾いた3つの音をまた繰り返しますが、そのとき【6th】の「レ」の音を足します。

 

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この4拍めは「F」にたいするサブドミナントである「B♭」を「7thコード」にしたものと考えても見つけやすいです。

そして2小節めは「F」のトライアドである【ファ-ラ-ド】を二つに分けて弾き、【♭3rd】のブルノートを装飾音とします。

 

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これは「G7」のフレーズになります。

これも【Gマイナーペンタトニック+♭5】を【Root】からオクターブ下の【Root】まで弾きます。

 

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【♭5th】である「♭レ」のときに上に【Root】の「ソ」を重ねます。

4拍めは「C7」の構成音になっています。

2小節めは「G」のトライアドにブルーノートである「♭シ」を装飾音にします。

 

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これは「E♭7」のフレーズです。

これも【E♭マイナーペンタトニック+♭5】を【Root】からオクターブ下の【Root】まで弾きます。

 

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「E♭マイナー」というと難しそうですが、実は黒鍵だけなので意外と簡単です。

【♭5th】だけ白鍵の「♮ラ」の音になります。

2小節めは「E♭」のトライアドにブルーノートである「♭ソ」を装飾音にします。

 

覚えるための練習法

ひとつずつ順番に覚えるのもいいのですがせっかくなのでこんな練習法をやってみてください。

 

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これを時計回りに全部「7thコード」のまま進んでいきます。

これで12個全ての「7thコード」で今回のフレーズがマスターできるはずです。

 

※ 「カラオケ音源」と「MIDIデータ」を貼っておきますのでご自由にダウンロードしてお使いください。

 

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カラオケ音源↓

 

MIDI音源

 

左手は【Root-3rd-7th】を押さえ4分打ちしています。

これは別に【Root-5th】でもかまいませんし、オクターブで【Root】だけ弾いてもかまいません。

 

バリエーション

今回のフレーズを少し変えるだけでいろんなバリエーションが得られます。

 

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使っている音は今回紹介したフレーズと全く同じですが、リズムを変えるだけでかなり違った感じになります。

 

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これも使っている音は全く同じですが、3拍めから上行してみました。

最後に使っているトレモロなどもブルースではよく使われます。

 

このように全く同じ音でもリズムを少し変えたりするだけでいろんなバリエーションを得られるので、ぜひいろいろ試してみてください。

 

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今回のフレーズを少し短くしてありますが、このようにブレークに使うのもいいかもしれません。

 

さいごに

というわけで今回はブルースなどでよく使われるフレーズを紹介してみました。

今回はピアノのフレーズでしたが、トップノートだけを弾くなど工夫すればいろんな楽器で使えると思います。

ブルースのアドリブでは非常によく使われるフレーズなので「パクった」などと言われることはありません。

覚えておくと便利なので、いろんなところで使ってみてください。

ブルースに限らずポップスなどに使ってみるのも面白いと思います。

 

今回の解説動画はこちら↓