有名なハードロックバンドであるディープパープルには名曲がたくさんあります。
イントロなどの有名なフレーズの一部分を何曲か書き出してみました。
一度は聴いたことがあるものばかりなのではないでしょうか。
『Lazy』は「Fm」、『Space Truckin'』は「Am」のようですが、歌に入ってからはそれぞれ「F」、「A」とメジャーキーになるので、調号はそれに合わせてあります。
ディープパープルを移調するなんてありえないことなのですが、比べやすくするためそれぞれ移調してみます。
和音のものはトップノートだけの単音にします。
すべて「Amペンタトニック」になりました。
わかりやすくピアノだけでも聴いてみましょう。
同じ音が使われているのがよくわかると思います。
『Smoke On The Water』だけは「♭ミ」が1つだけ入りますが、それ以外はすべて5つの音だけでできています。
『Lazy』と『Space Truckin'』はメジャーキーなのに、マイナーペンタトニックだけでできています。
分析するとこのようになりますが、【#9th】というよりはブルーノートと解釈するほうが自然です。
けっしてブルースバンドではないディープパープルが、メジャーキーでも「メジャー3rd」をいっさい使わずに「マイナーペンタトニック」だけでリフを作ってしまうところがおもしろいと思います。
ブルースにもかなりの影響を受けていたのでしょう。
『Lazy』のソロなどはかなりブルージーです。
クラシカルなフレーズとブルースのようなフレーズが同じように出てくるのが、ディープパープルの魅力のひとつではないでしょうか。
それにしてもこれだけ数多くのかっこいいリフを「ほぼ5つの音だけ」で作ってしまうのはすごいですね。
ディープパープルの曲のクレジットは全員の名前になっているので誰が作ったかはわかりませんが、いかにもギターで作ったという感じのものが多いような気がします。
その証拠にディープパープルを脱退したリッチーが作ったバンド「Rainbow」でも同じようなリフが数多くあります。
というわけで、今回はディープパープルのお話でした。
センスさえあれば難しい音を使わなくても「ペンタトニックだけでじゅうぶんかっこいいリフがいっぱい作れる」ということがよくわかりますね!
今回の動画はこちら↓